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「良い人ほど早く死ぬ」この言葉を最近、立て続けに聞いた。
こんな戯言、真剣に信じている人があるのだな。とその単純さに呆れつつ感心した。
この言に従えば、今周りにいる年上は皆自分より悪人ということになり、年下は皆自分より善人ということになる。
金さん銀さんよりヒトラーの方が善人で、宮崎勤よりガンジーの方が悪人。
んなわけあるかい。何でも鵜呑みにせんとちょっとは頭使わんかい。と頭を全く使わない僕が思うのもなんだけど思う。
「良い人ほど早く死ぬ」この言葉の意味するところは、恐らく、生きていたらもっと世のため人のために何かできる人であったのに、もっと生きていて欲しかったな、何でこんなに早く死んじゃうかな。という想いが言わせた言葉。
悪い奴なんてのは、明日と言わず今日しんじゃえよ。と思っても、平気な顔でずっと生きている。憎まれっ子世にカルバハル。もとい憚る。
また、人は死んでしまうと大抵はその人の良い事しか思い出さず、あぁあの人は良い人だったな、なんて美化や補正もあったり、尚且つ、その人が仮に生きていたら犯したかもしれない過ち間違いも死んでしまったら犯しようもないので、その評価はどこまでも良い人に留まる。
ゴミみたいな悪人も、その人に迷惑をかけられていた周りの人々は、その死によって大きな荷を下ろしたような気分になる。そうなると、まぁ死んじゃえばね・・みたいな空気になって、それ以上の悪人になりようもない。生きていれば、今以上に恨まれていた、禍根を残したかもしれない悪人も、そこで悪の打ち止め。
「良い人ほど早く死ぬ」のではなく、「早く死んだ人は良い人に思える」
そういうことなんじゃないのかな。なんて。
僕にも生きていて欲しかったなと思う人が幾人かいるけど、生きていたら生きていたで、怒られっぱなしで、早くくたばれや。とか思ってしまっていたのやもしれん、などとも思う。
でもやっぱりそれでも生きていて欲しかったな。
感傷的な八月は死者の月。
「愛を積むひと」 2015年 日本 監督 朝原雄三
この作品でも「良い人ほど早く死ぬ」という言葉が、言い回しはこのままではなかったかもしれないけど、台詞として使われていた。どうでもいいことだけど。
仕事をリタイアした老夫婦が、東京から北海道に移住。
それは夫に隠した重病を抱えた妻の終活の計画の核を成す部分。
彼女に関わる人間の幸せを願い、たくさんの仕掛けをして世を去る。
次々に明かされる秘密。愛に溢れたそれらに記された願いに応える残された人々。
良妻賢母の最高峰じゃないか?この人。
思わず
「良い人ほど早く死ぬ」
そう思ってしまったよ。
善哉。
そう思いました。
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