|
22・23/09/'98 HELSINKI(FINLAND)-NARITA(JAPAN)
【理想のご夫婦】
飛行機が安定飛行に入ると隣から声をかけられた。老夫婦とその娘さんの3人組で、北欧団体旅行で来たとのことだった。アイルランドとフィンランドの一人旅だと言うとここでも驚かれた。でもこの老夫婦、話を聞くと私なんかより全然すごいのです。世界各地をご夫婦で旅されているそう。年をとってからも仲良く海外旅行に出かけられるご夫婦というのは羨ましい。おじいさんは戦争経験者で、当時の情勢では英語を勉強するなんてできなかったものだから、今でも英語は苦手なんだけど、旅を楽しくするためにもカルチャースクールや行政の行う生涯学習制度を利用して昔できなかった英語の勉強を今しているのだとか。だから私の恵まれた環境をたいそう羨んでいたけれど、そんなのもうどうでも良いのです。興味のあることには年齢を気にすることなく努力を重ねる。言うばかりで終わる人が多い中でこのおじいさんは有言実行を貫く人のようで、一つ一つの言葉に説得力があった。そしてこのご夫婦の究極の目標というのがまた凄い。「元気な内に2人でネパールに行ってヒマラヤに登りたい」…現実問題として体力的にどうか?ということは置いとくとして、目標を持っていることは良い事でしょ。「人間の小ささを実感するような大自然が好き」というので、アイルランドの話をしたら一生懸命聞いてくれた。彼らの北欧旅行はとにかく駆け足だったそうで、せっかく目的の場所に着いてもあっという間に「ハイ、時間ですよ〜!」の言葉で遮られ、思う存分堪能することが出来なかった上、移動が多くてとても疲れた、とのことだった。私の旅行話を真剣に聞いてくれたのはここに理由の一端があったのかもしれない。個人旅行だと話してあったからね。「せっかく英語の勉強をしているのだったら、一度力試しの意味もこめて個人旅行に出られては?」と勧めてみると大変興味を持って、私がどうやって今回のツアーを企画・手配したかを真剣に聞いてくれた。このご夫婦には是非頑張って実現させていただきたいものです。
ひとしきり話をしたところでおやすみタイム。照明も落ちてお隣は疲れもあってかぐっすり眠っているよう。…でもここで寝られないのだ、私は。(^^; 本を読んで気を紛らわしてからなんとか眠ろうと努力をし、ようやくウトウトし出した頃にガックゥ〜ン!と機体が大きく揺れた。その後もこの揺れは治まることなく今にも落ちそうな勢いで揺れまくる。眠気なんか一気に覚めて一人で震えていたけど、周りはそんなことお構いなしにスヤスヤ…良いなぁ、せめて飛行機で熟睡することができればもうちょっと抵抗なく飛行機に乗ることができるのに…と自分を恨めしく思う。何度十字を斬ったか数知れず、私には1時間も2時間も経過したように思ったところでようやく揺れが治まった。実際そのくらい、またはそれ以上揺れていたのかも。揺れが治まったころにはもう日本上空だった。最後のイベント、朝食のサービスが回ってきたところでお隣もお目覚め。彼らが眠っている間の出来事を教えてあげるとビックリしていた。…羨ましい。
いよいよ着陸。嗚呼とうとう帰ってきてしまった。久々の日本は快晴。しかも9月下旬にしてはあるまじき暑さ。どうやら台風一過の猛暑らしく…最悪じゃ。アイルランドで買ったリトグラフだけでなく空港で食器類を購入したため一際でかい手荷物のほかに寒かったヘルシンキで着ていたアランセーターもこの猛暑では着ていられず手荷物に追加。飛行機を降りるのも一苦労だった。なにせこの大荷物。しかも最後尾に座っていたので、最後の乗客が出ていくまで席でゆっくりしてから最後にお世話になったフィンランド人アテンダントに「キートス」とフィンランド語でお礼を言って飛行機を降りた。
イミグレは同時期に到着した他の飛行機からの乗客でごった返していた。かなり時間をかけて通過し、今度は荷物のピックアップ。これがまたしてもなかなか出てこない。でも今回は出てこなくても良し。ってか、出てこないで、頼むから。そしたら家までタダで運んでくれるんでしょ?(^^; 淡い期待を胸に待っていると、最後の最後で一気に大きな荷物の数々が出てきた。全ての荷物に”HEAVY”タグがあったところを見ると重たい荷物は1箇所にまとめられていたらしい。案の定私の荷物もここに含まれていて、無事に到着してしまった。仕方なく受けとるもこんな重いの持って帰れるわけもなく、そのまま宅配を依頼。少し軽くなったところで帰る前に一服しようと喫茶店に立ち寄った。成田まで来てマイアミに入ることになるとはなぁ…なんて思っていたのに、着いた席はなんと昔懐かしのゲーム卓だったのだ!もう何十年も見ていないようなものに成田で遭遇するとは…妙な感激と驚きを覚えつつこの旅を思い返し感慨にふけった後、ようやく重い腰をあげて家路についたのでした。
【エピローグ】
軽くなったとはいえ、それでも大きな荷物を抱えながらも無事に自宅に到着し、実家や今回の旅行でお世話になった各方面に無事到着の連絡を入れたところで、この旅は本当に終了。
いろいろあったけれど、初めから自分で決めて一人で行くというのはやっぱり面白い。大変なこともあったけれど、自分で解決できたというのは自信に繋がるということが身に沁みて分かった。この旅行以前の海外旅行ではパックツアー、もしくはフライト+ホテルのツアーだったし、同行者との考え方の違いや趣味の違いから旅行中ある程度の妥協を強いられるのは当たり前のことだけど、正直「あの時ああしていれば…」というのが後々まで心に残っていた。でも今回はそんなことも全て納得ずく。全てを自分で決めたのだから、当初の思い通りに事が進まないこともあったけれど何の後悔もない。全てを終えてここまで清々しくいられるとは思わなかった。
イヤなこともあったけれど、それを補って有り余るほどの良い事もあったし、多くの良い出会いがあった。
また、いつの日か出かけてみよう。
今はまたアイルランドに行きたいと思うけれど、本当に行くのはどこになるのだろう。
今度は手配も自分でやってみたいし、英語の勉強もちゃんとやらないと。言葉は覚えておいて損はないしね。あと…欲を言えばもうちょっとユーモアのセンスがあると良いかも。(^^;
楽しかった〜♪
|