あと一歩上を目指す設計事務所所長の毎日

優しく穏やかな語り口で暴言を吐く。あっちのブログはその路線にします。

建築基準法改正

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今頃になって、経済アナリストとかいう人達が、不況になるとか騒いでいますが、当ブログでは7/6の時点で「国交省の政策ミスによる不況が起こる!」という予言をしていました(笑)設計屋なら誰でも分かってた事ですけど。
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建築着工統計調査

建築着工統計調査の7月分というのが発表されました。

40年ぶりぐらいの低い着工数と言う事ですが、それでも、私が以前より主張していた「工事がほとんど全て止まる!」という程の数値ではありません。何故か?と思い、調べてみました。

具体的な事は書いていないのですが、色々と調べたら、この「建築着工統計調査」というものは、「工事届」を参考にしている物でした。「工事届」というのは、建築確認申請の際に出すもので、都道府県に「こういう建物を建てるよ」と報告するものです。

工事届の中には「着工予定日」というのがあるのですが、建築着工統計調査は、この「着工予定日」を元に、着工数を算定している物でした。

工事届の「着工予定日」は、確認申請を出す前に書きます。確認申請が何日で下りるかは分からず、しかし、確認申請が下りる前に「着工予定日」が来てしまっては、おかしな事になります。だから、設計者は「着工予定日」は、十分な余裕を持って記入する事が普通です。
つまり、実際には6月19日までに着工された物件の多くも、「7月着工」としてカウントされていると考えるのが妥当なのです。



今回の40年ぶりの悲惨な数値は、国土交通省は「一時的なもの」と言っていますが、明らかな嘘です。
8月は更に落ち込むだろう、という見解は、建築関係の雑誌、新聞のサイトを見れば書いてあります。おそらく、8月、9月と続きます。10月頃に少し戻るかもしれません。

今から対策をすれば、建設業者の連鎖倒産を避ける事が出来ます。3〜4ヶ月の、業務休止期間が出来てしまう建設会社がたくさん出て来るのが明らかなのです。それらの会社に公的融資をする制度を、今からすぐに作らなければならない。



国土交通省が自分達のミスを認めない以上、政府に事実は伝わっていない訳ですから、現時点では何も対策は取られていないでしょう。

世間で起こっている事を理解出来る、まっとうな政治家が欲しいです。

(抜粋)
 建築確認窓口の自治体も事情は同じで、神奈川、埼玉県では対象物件の申請件数は、いずれも7月末までゼロとなっている。


 だそうです。日本ERIでは毎月1000件あった申請が、40日間で50件になってしまったとか。
 適合判定行き物件(R造20m超、S造4階以上)の件数です。

 そこまで書いておきながら、この事が何を意味するのか、新聞記者はまだ分かってない様です・・・?!
 確認申請が激減すれば、工事着工数も激減して、景気に大打撃を与えるのは間違いないのに、何故、淡々とした記事に
なるのかなあ・・・。大々的に特集しないといけない話だと思うのですが・・・。

今回、設計業界が既に深刻な事態に直面しており、同じ事はこれから建設会社が直面する事になる
建築基準法改正ですが、正しい面はあるものの、国土交通省の言っている「姉歯事件を二度と
起こさない様に法改正をした」というのは、明らかに誤りです。

姉歯事件の原因となったのは、元はと言えば、木村建設の開発した工法が原因で、この工法は、
「同じ型枠パネルを1階から15階まで使い回す」という仕組みでした。「同じ型枠パネル」
を使うのが前提だから、1階から15階まで同じ大きさの柱と梁で設計しなければならない。

通常の建物は、下階の方が上階よりも、柱も梁も大きくなります。それを全て同じ大きさで
設計してしまったら、重量増となり、全ての柱と梁は、相当大きくなってしまう筈なのです。

でも、そんな事をしたら工事費が大変な事になってしまう。そこで、本当は大きくなる筈の
柱梁を小さく済む様に計算してくれる人を探した。そのうち、姉歯氏が言いなりになる事に
気付き、ほぼ全ての構造を姉歯氏に任せた。姉歯氏が偽装しているなんて知らなかった、と
言っていますが、姉歯氏は、他の人が150万で「この構造では出来ない」と言う構造設計
を15万で簡単に「計算出来ます」と受けていた訳です。頼んでいる方は、「悪い事して
いるんだろうけど、聞かない様にしていた。」という所でしょう。
鶴がはたを織っている所は見ない様にした、という感じでしょうか?


そんな人達によって、あんな事件が引き起こされてしまったのです。


この原因を根絶するためには、方法は一つしか無かったのです。

木村建設の関係者は、全員が「私達は構造の事は何も知らないから無実だ」と主張しました。
構造の事を何も知らない人達が、「新しい工法」を開発してしまっていたのです。そして、
その工法を使えば、実際にはコストアップになってしまうのに、なんとか、コストダウンに
なる様に辻褄を合わせようとした。そこで利用されたのが姉歯氏です。


また、出来もしない工法でコストダウンを実現してしまった木村建設には、工事の発注が
殺到しました。そこにヒューザーも頼んでしまった。ヒューザーはある意味、「うまい話
に乗ってしまった」だけであり、お調子者ではありますが、被害者でもある訳です。
そんな工法や、建設会社を国土交通省が野放しにしている等と、一般の方も、知らなかった
筈なのですから。(ヒューザーは一級建築士事務所登録をしていたので、設計事務所として
は責任を逃れられないとは思います。建設会社としては、レベルが低い、という程度。)


さて、新法改正ですが、構造計算ソフトでOKさえ出れば、審査は旧法よりも甘くなって
しまうという噂があります。まだ、新法対応の構造計算ソフトが発売されていないため、
まだ懸念の域を出ていませんが、設計業界では、新法で耐震偽装は防げないというのが、
大方の見方です。

確認申請作業の厳格化、という事のみが、新法の良い所ですが、厳格化する部分を間違えて
事務作業を非常に煩雑にさせてしまい、良い部分は全く隠れたままです。ほとんどの確認
申請がいつまでも下りて来ません。

国土交通省は、建築士以外の者が、根拠もない工法を開発する事や、構造を知らない人間
が構造設計者に指示を出す事を防ぐための法改正を行なわなければなりませんでした。
自分達の天下り先に迷惑を掛けない様にするためには、設計事務所にのみ、しわ寄せを
与えようとしたのでしょうが、設計作業が全く出来なくなれば、天下り先である確認審査
機関も、建設会社も、仕事が無くなってしまいます。
そんな事も分からなかったのかな。官僚を生み出す東大は何を学ぶ所なのだろう・・・。

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全国紙は取り上げませんが、とうとう、沖縄県のマスコミが取り上げました。
7月の確認申請受付数は、前年度比97%減で16件のみだったそうです。

全国的な統計は、7月分は8月末に公表される予定の様です。あまりの悲惨な数値で、発表出来ないかもしれません。

沖縄タイムス、で検索するか、建築確認申請 & 受付 で検索すると、出て来ます。

木造3階建てだけでなく、鉄筋コンクリートの7階建以上の建物(20m超)と、鉄骨の4階建以上の
建物も、しばらくは日本では建築出来なくなっています。

これらの建物は、新法制定後は、新しい構造計算ソフトで計算する事を前提として、政府は法律を
作りました。この新しい構造計算ソフトは、通し番号が入り、計算書の偽造を不可能とするものです。

構造計算書偽造問題に対して、確かに、効果がありそうです。しかし・・・。

6月20日に法改正が行なわれたのに、現在、まだ、その新しいソフトは存在しない、のです。


新法対応でないソフトを使う場合には、建築確認申請の審査期間は70日(場合により+35日)まで
延びます。また、申請を抱え込んでしまった確認検査機関は、審査に入るまでに1ヶ月以上待たせる所も
あります。

これまで、3週間程度で下りていた確認申請が、下手をすると、4ヶ月以上下りないのです。
これらの規模の建物はほぼ全て、6月20日から建築出来なくなりました。6月19日まではどんどん
確認が下りていたのが、それから4ヶ月間、ほとんど、止まってしまいそうなのです。

つまり、工事着工も、完成も4ヶ月間ずつ、空白期間が出来ます。

実際には、運用規則などが決められないまま、法が施行されたので、図面に何を要求されているのか
分からず、多くの設計事務所、多くの確認検査機関では1〜2ヶ月、手探り状態でした。それらも含め、
この4ヶ月は更にどれだけ延びるかも分かりません。


構造計算ソフトを偽造しないから、安全な建物が建つか?それは、そうではないのです。
だからこそ、ある構造計算ソフトを作っているメーカーは新法対応ソフトは発売しないかもしれない、と
言っています。バグをうまく利用して、計算書上は安全に見えても、実際は危険な建物、というのも、
これまで存在しているからです。

本当にどうなることやら・・・。
あ、ちなみに、確認申請費用(15万以上)を何度も捨てる気になれば、役所に申請を出し続ける、という
テクニックはあります。何回か目には、確認が下りると思われるので、この方法であれば、この空白期間
にも上記規模の建物を建てられる可能性はあります。そこは、お施主さんの気合い次第です。

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