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前回書いた《海》と《ウミ》は、どちらも穏やかな海の情景を描いた詩でした。関東に生まれ関東で育った私は、海と言えば太平洋。太平洋しか見たことがありませんでした。 いつだったか旅先で日本海(しかも日暮れ時の日本海)を見て、その荒々しさに驚きました。海でもずいぶんと様子が違うのですね。そんな日本海の荒波を描いたのが《砂山》です。 作詞者の北原白秋も「・・・それはさすがに北国の浜だと思はれました。全く小田原あたりと違つてゐます。」と語ったそうです。そのときに見た印象そのままに、1番は浜の風景、2番は背後の砂山の風景、そして3番は浜から砂山の茱萸原をかきわけて帰る子供の様子が、それぞれ描かれています。場所は、新潟市にある寄居浜という海岸だそうです。 海は荒海(あらうみ)、向ふは佐渡(さど)よ、
すずめ啼け啼け、もう日はくれた。 みんな呼べ呼べ、お星さま出たぞ。 暮れりゃ砂山、汐鳴(しおなり)ばかり、 すずめちりぢり、又風荒れる。 みんなちりぢり、もう誰も見えぬ。 かへろかへろよ。茱萸原(ぐみはら)わけて、 すずめさよなら、さよならあした、 海よさよなら、さよならあした。 詩:北原白秋(大正11年)著作権消滅 その年(大正11年)の9月に発表されたのが、中山晋平作曲の《砂山》。そして翌年、同じ詩に山田耕作も作曲しています。高齢者の施設では、この両作曲家の作品を歌い比べることにしているのですが、どうやら民謡調で書かれた中山晋平作品のほうが、歌い易いようです。 そうそう、ひとつ注意しなければいけないのは、3番の歌詞。 「茱萸原」という言葉を中山晋平作品では「ぐみはら」と歌い、山田耕筰作品では「ぐみわら」と歌います。これは、日本語の語感を重んずる山田耕作らしいこだわりなのでしょうか。 参考楽譜 中山晋平作品(オリジナルキー:Em)■印刷してご利用されるかたは、下のURLからどうぞ。PDFファイルでダウンロードできます■ この作品の著作権は消滅しています。http://homepage3.nifty.com/pianoneko/gakufu/sunayama.pdf/山田耕作作品のほうは著作権が保護されていますので、私のブログには楽譜をアップすることはできないのですが、歌い出しをちょっとだけ・・・メロディの違いを比べてみてくださいね。 どちらがお好きですか? |

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