夕焼け小焼け

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2009年08月

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《ズンドコ節》は、もともとは《海軍小唄》という題名で、1945年ごろ戦地へ赴く兵隊さんの間で流行した「兵隊さんソング」と呼ばれるものでした。誰が作ったか定かではないことから、現在までいろんな人がカバーして、その時その時代で流行してきました。

もっとも新しいのは2002年に流行した《きよしのズンドコ節》。演歌歌手の氷川きよしが歌って、その年の紅白でも唄われましたね。でも、もっとも流行したのは1969年の《ドリフのズンドコ節》ではないでしょうか。

ズンズンズンズン、ズンドコ・・・と軽快なリズムに乗って、当時は子供たちもそこだけは歌ってました。1番加藤茶、2番仲本工事、3番高木ブー、4番荒井注、5番いかりや長介と順番に歌った後「元歌!!」と長さんが叫んで《海軍小唄》が歌われていました。覚えているかた、いらっしゃいますか?

さて、特養でこの歌をやると、面白いことにはっきりと世代が分かれるのです。

昨年ちょうど実習生の指導をしていた時期に、たまたまこの曲を取り上げたのですが、10代の彼等は当然元歌など知りません。なんとドリフが歌っていたことも知らない世代なんですね。30代が多い施設職員は、かろうじてドリフ(ただし、荒井注版ではなく志村けん版)。高齢者の皆さんは、田端義夫派(1947年)と小林旭派(1960年)が混在していました。

それぞれ歌詞が違うので、元歌のあとで《ドリフ》と《きよし》の歌詞で、その世代の方に歌っていただくのも面白いかもしれません。

参考までにYouTubeのURLを貼っておきますので、興味のある方はぜひ一度ごらんください。

《ドリフのズンドコ節》http://www.youtube.com/watch?v=6uYbhxAM4b4&feature=related
《きよしのズンドコ節》http://www.youtube.com/watch?v=Ol6sJL2F7Hk

そして元歌はこちらです。


[ズンドコ節(海軍小唄)]

ズンドコ節(海軍小唄)

汽車の窓から 手をにぎり
送ってくれた 人よりも
ホームの陰で 泣いていた
可愛いあの娘が 忘られぬ
トコズンドコ ズンドコ

花は桜木 人は武士
語ってくれた 人よりも
港のすみで 泣いていた
可愛いあの娘が 目に浮ぶ
トコズンドコ ズンドコ

元気でいるかと 言う便り
送ってくれた 人よりも
涙のにじむ 筆のあと
いとしいあの娘が 忘られぬ
トコズンドコ ズンドコ

作詞作曲者不詳

高齢者の歌いやすい音域に移調しました。この作品の著作権は消滅しています
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私が、積極的に「軍歌」と呼ばれるジャンルの歌を、特養で行う音楽療法に取り入れるきっかけとなった曲です。

今から6年前のこと。5月から月2回のペースで始めた音楽療法。レパートリーの少なかった私は、ほとんど唱歌と童謡が中心で、中に1曲か2曲、昭和20年〜30年代の自分でも聞き覚えのあるような歌謡曲を入れる程度の、今にして思えばお粗末なセッションをしていました。

それでも入所者のみなさんは、その時間を楽しみにしてくださって、いつも歓迎されていました。

・・・と、浅はかにも私はそう思い込んでいたんです。

ある日、一番喜んで歌ってくださっていたお婆ちゃんのお姿が見えなくなりました。そしてその日のカンファレンスのときに、職員さんが申し訳なさそうにこう言ったんです。

「先生、Aさんが、もう音楽の時間は参加したくないって仰ってます」突然のことに驚いた私は「どうかされたんですか?」と尋ねました。

「どうせ行ったって、子供が歌うような歌ばかり歌うんでしょう、、って仰るんです。」そしてこう続けられました。

「そんなことありませんよ。Aさんが好きな歌も先生に言ってやってもらいましょう。って言ったんですが、先生はきっと民謡も演歌も知らないって仰るんです。だから、つまらないからもう行かないって。こんなこと申し上げてすみません」

見抜かれていました。その通りでした。私は民謡も演歌も知らない。それどころか、演歌は大嫌いでした。私は、もともと本職はピアノ教師です。子供の頃からクラシックしか聴かなかったし、クラシックしか勉強しませんでした。大人になって、多少興味を持ったポピュラーやジャズをかじったこともありましたが、民謡や演歌は・・・・

その日のうちにAさんのお部屋へうかがい、どんな歌を唄いたいかお聞きしました。Aさんは力なく笑いながら「先生、無理しなくてもいいよ。知らないから」と仰います。「今度来るまでに勉強してきますから、1曲だけでも教えてください」とお願いしたところ「それじゃぁ《ラバウル小唄》が唄いたいねぇ。若いときねぇ、わたし、喉自慢で一等もらったの。」と。

原曲は昭和15年に発表された《南洋航路》という歌ですが、いくつかの替え歌があり、その中でもっとも人気が集まったのが《ラバウル小唄》でした。歌詞は5番までありますが、みなさんがご存知なのは大抵3番まで。特養では、歌いたいかたが多いので、毎年1番だけをマイク・リレーをしながら何度も繰り返し唄います。

そして、いつも1番手にマイクを持つのがAさん。「この歌ねぇ、わたし、若いとき喉自慢で一等貰ったの」いつもの台詞。そのたびに私は「そうですかぁ〜、思い出の歌ですね!!」とお答えします。きっと、今年も・・・・。

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ラバウル小唄

さらばラバウルよ また来るまでは
しばし別れの 涙がにじむ
恋しなつかし あの島見れば
椰子の葉かげに 十字星

船は出てゆく 港の沖へ
愛しあのこの うちふるハンカチ
声をしのんで 心で泣いて
両手合わせて ありがとう

波のしびきで 眠れぬ夜は
語りあかそよ デッキの上で
星がまたたく あの空見れば
くわえタバコも ほろにがい

作詞/若杉雄三郎(PD) 作曲/島口駒夫(PD)
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8月と言えば、決して忘れてはならないこと。そう「終戦の日」・・・。今年も、もうすぐその日がやってきます。

高齢者の皆さんと長くお付き合いをさせていただいていると、皆さんの歴史の中に「戦前」「戦後」「戦時中」「終戦当時」という区切りがあり、それぞれがその区切りで何かしら思い出を持っていらっしゃることに気づきます。

たとえば何かを質問する際に「昭和OO年ごろ」と言っても首を傾げるかたが、「終戦当時」と言い換えるとパッと明るいお顔になって、ああ、それなら知っています!とお答えになることが多々あるのです。それほどに「戦争」は70歳代後半〜90歳100歳にいたる多くにお年寄りの中で、大きな歴史なのだと感じます。

セッションで軍歌を選曲することはタブーと言われた時期がありました。でも、実際に現場でお年寄りと接するうちに、決してタブーではなく、むしろ積極的に取り上げるべきものだという思いが膨らみ、私は毎年終戦記念日近くのセッションでは、あえて軍歌を選曲し、戦争の思い出を語って頂く様になりました。

もちろん、選曲と言葉使いには細心の注意を払います。言ってはいけない単語、避けなければいけない曲。場所により、人により、ずいぶん違います。そういう意味では、とてもデリケートな問題だと感じます。もし、中にひとりでも歌いたくないと仰るかたがいらしたら、絶対に歌うべきではない!事前にそういったアセスメントができないのならば、扱うべきではない!私は、そう思います。

そういった問題を踏まえたうえで、これまでに多くのお年寄りに支持された歌を記しておきます。

【軍歌】
+愛国行進曲(見よ東海の空あけて・・)昭和12年
+愛国の花(真白き富士の気高さを・・)昭和12年
+麦と兵隊(徐州徐州と人馬は進む・・)昭和13年
+若鷲の歌(若い血潮の予科練の・・)昭和18年
【戦時中に流行った歌】
+ラバウル小唄(さらばラバウルよ・・)昭和18年
【戦後すぐに流行った歌】
+リンゴの唄(赤いリンゴに唇よせて・・)昭和21年
+異国の丘(今日も暮れ行く異国の丘に・・)昭和23年

《リンゴの唄》は、高齢者の好きな歌ベスト3に入るのでは?と思うくらい人気の高い歌ですね。また《愛国の花》は、軍歌とは思えないほど美しい詩とメロディーで、ご婦人が好んで歌う曲でもあります。《若鷲の歌》は、土地柄もありましょう。ここ茨城は予科練航空隊のあった霞ヶ浦の地元でもありますから、当時のことをお話くださるお年寄りが多いのです。

軍歌は嫌いだ、、と敬遠する向きもありますが、お年寄りにとっては、戦争そしてそれに纏わる当時の歌は「遺産」でもあるのです。戦争の話をしたがるお爺さんの昔話にしばし耳を傾けるのも、もしかしたら私たちにできる「終戦の日」の過ごし方なのかもしれません。

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認知症は「記銘力障害」と「記憶力障害」から始まる・・・

歳をとれば大抵の人は「新しいことを覚えるのが苦手」(=記銘力の低下)になり「物忘れ(しっかり覚えていたはずのことが思い出せない)」(=記憶力の低下)が気になり出したりします。かく言う私も50代前半ですが、記銘力も記憶力も相当に衰えてきていることを実感します。

私が伺っている介護予防のための高齢者サロンのメンバーさんは、70歳代後半〜80歳代が多いのですが、皆さんたいへんお元気で好奇心旺盛!療法的音楽活動の他に、健康体操、絵手紙、手芸、踊りなどなど、毎週午前午後別メニューでカリキュラムが組まれ、さながら(言葉は悪いですが)老人学級のようです。

そんなお元気な皆さんでもやはり脳の老化現象は始まっており、そのことをたいへん気にしたメンバーのお一人が、巷で流行りの「脳トレーニング」の計算や音読などを持ってきて、講師のいない空き時間に皆さんでやっていた時期がありました。

しかしこれが思いのほか不評(高齢者は新しいものを受け入れるのが難しい)で、ある日何かよい方法はないか、、と相談されて手に入れたのがこれ↓「尋常小学校国語読本」。

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昔を懐かしみながら、音読、速読、逆読、などの「海馬脳」に刺激を与えるトレーニングができる。新しいものに拒絶反応を示した数名の80歳代のメンバーさんが、最初の数ページをスラスラと暗記して、今まで聞いたこともないような大きな通るお声で、まるで競うように音読された様は、その瞬間に80年近い時空を超えて小学1年生に戻ってしまったかのようで、微笑ましいものがありました。

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後日、特養のみなさんにもお見せしたのですが、認知症の初期状態のかたでも、やはり最初の数ページを暗記されていて、表紙をお見せしただけでスラスラと暗唱されてしまうのです。記憶障害が始まっても、古い記憶は残っている。その古い記憶を呼び覚ますことで、衰えた海馬脳が刺激され、脳が活性化する。そして、もっとも着目したい点は、それ(覚えていたこと)が自信となって、抑うつ状態が改善され、その後の活動への参加が積極的になったことでした。

80歳代後半に差し掛かったお年寄りが小学1年生のときの国語の教科書の文章を覚えている・・・情報量の少なかった時代だからこそ、初めて開いた国語の教科書が鮮明に記憶されているのか???なんとなく薄っすらとしか覚えていない私には、ちょっとした驚きでした。。


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どこの施設でも同じだと思いますが、8月の施設行事『納涼祭』。入所者の家族も一緒に参加して楽しむ年間行事として行う施設も多いかと思います。

私の母が入所している施設の納涼祭は、盆踊りで始まり、家族で食卓を囲んでの食事、カラオケ大会、そしてなんとクライマックスは本格的な打ち上げ花火!!というのが毎年の恒例となっています。施設の庭内にはヨーヨー釣りやカキ氷、綿飴の模擬店もどきが並び、入所者の小さい家族(孫やひ孫)も楽しめます。

先日の音楽療法で伺った時、いよいよ来週は納涼祭というわけで、みなさんに何を一番楽しみにしていらっしゃるかお聞きしました。

Aさん(女性):孫たちが来るのが一番楽しみだね。浴衣着てね、盆踊り見てね。

Aさんはもう長いこと車椅子でご自分で立って踊ることはできないのですが、毎年、素敵な浴衣を着せてもらって、お孫さんが車椅子を押して踊りの輪に加わっています。とっても素敵な笑顔で!!

Bさん(男性):食事が一番楽しみだね。いつもと違うから。

そう、納涼祭の日は特別メニューで、すごいご馳走なんですよね!!たしかに普段のお食事とはぜんぜん違います。

Cさん(男性):カラオケ!

カラオケ大会で賞をいただいた経験があるCさん、ご自慢の喉をたくさんのお客さんに聞いていただく滅多にない機会ですものね。力が入ってます。

で、みなさん、何か忘れていませんか??ここだけの目玉。他の施設ではこんなことやってないですよー・・・「花火」という言葉が出たら、そこから《花火》の歌を唄うつもりだったのですが、ついにどなたからも「花火」は出ませんでした。

職員さんは、がっかりです。だって、打ち上げ花火に毎年かなりの予算をつぎ込んでいるそうですから。。どうやら、毎年「花火」を楽しみにしているのは、私たち家族と職員だけのようで・・・・

さて納涼祭は、今週土曜日です(写真は昨年の花火です。ねー本格的でしょう☆)
お天気は大丈夫でしょうか??


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