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柏崎刈羽原発が地震にみまわれ、無事に緊急停止しました。原子力関係者としてはほっと胸をなぜ下ろしたことと思っていました。設計想定値数倍の加速度が加わったにもかかわらず、アメリカスリーマイル島、ソ連のチェルノブイリのように制御不能になって大きな被害が出すことなく停止することができたことは、先ずもって設計、運転、管理の良好さを示すものと、評価すべきものと思います。
ところが、マスメディアの報道姿勢は全く違います。停止できたことをプラス評価せず、小さなものまで取り上げて、全くだめで信用できないという報道に思えます。あまり騒ぐため風評被害まで出始めました。数十キロも離れた瀬波温泉がキャンセルで悲鳴を上げたり、海産物の放射能汚染を心配する状況になっています。
もちろん、放射線を含む水が流れ出たり、空気が大気に放出されることは良いことではありません。60件の問題があったと云うことですが制御不能に陥る、あるいは陥る恐れがある場合をレベル100とすれば、いずれもレベル1或いは2程度の問題ではないでしょうか。原子炉の緊急停止は飛行機でいえばトラブルが発生したとき先ず着陸することに相当します。緊急事態に当たって、死傷者無く着陸できれば万々歳。このとき少々機体が破損するぐらいのことは誰も仕方が無いと思っています。先日車輪が出なくなって胴体着陸した時もそうでした。
先ず、無事に緊急停止が設計どおりできてよかった。次に想定値を上回ったからには今後どのような想定値にすべきか、その想定値に耐える設計にするにはどうすればよいのか。こういう冷静な議論にできないものでしょうか。毎日交通事故で死者が出ています、一人でも死者が出る間は、自動車を認めないといっているような議論と同じように極端な反応と聞こえてなりません。
ある時期、日本人の核アレルギーを党利党略に利用する政党がありました。どんな小さな問題でもチェルノブイリのような原子炉シンドロームが起こるといわんばかりのいいかたで絶対反対を唱え、冷静に議論できない時代がありました。いまもこんな事態が起こるとそれみたことかという人達がいることはとても不幸なことと思います。とくにマスメディアにはそんな人が多いように思います。
自分は電気を利用しながら、不安をあおるだけあおって、混乱を助長し、電力会社や国の対応を批判するのみで自らは何にもしない。ただ騒ぐだけでなく自ら起こった事態を正当に評価し住民の不安を鎮める責任があると思います。日本のマスメディアは科学技術の問題を特に冷酷に扱うような気がします。宇宙事業団のロケットが失敗したときも評価が厳しすぎると思いました。何事にもやってみなければ分からないことがあります。アメリカもソ連も軍事ロケットを軍事機密の中で失敗しながら開発してきました、日本は全てぶっつけ本番です。メディアの人達ももっと科学技術について勉強してほしいものです。
政治でも経済でもやってみなければ分からないことは沢山あります。口では失敗を許さないと進歩はないと言いながら、科学技術の失敗には冷酷です。こういったことも、子供たちの理科離れの一因かとも思います。
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