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安倍首相が辞任しました。まさに満身創痍で投げ出さざるを得なかったということのように思います。今日の病院の診察によると全身衰弱と言うことです。本当に気の毒といえば気の毒ですが何故ここまで追い込まれたのでしょうか。わたしは一国のリーダには二つの面が必要であると思います。ひとつは方針を示し国民に国の行くべき道を示すこと。もう一つは示した結果について国民の声を聞き夫れに従うと言うこと。
今回の参議院選挙を通じてそのいずれもが出来ていなかったことが、施政方針演説まで行いながら、政権を放棄せざるを得なくなった原因ではないかと思います。参議院選挙中の安倍首相の主張は改革の続行、政治と金の問題の解決、年金問題の三つだったように思います。選挙惨敗の結果を受けての続投宣言も改革の続行の旗手をつとめたいというのが主たる理由であったと思います。
それがいつの間にか多国籍軍への給油が政治生命をかけて取り組む課題になってしまい、そしてその法案の審議も始まらないうちに投げ出してしまうことになってしまいました。一国の首相が政治生命をかけて取り組むことならば、なぜそれを参議院選挙で彼の政策の第一に取り上げ、その重要性、撤退することのマイナス面などを、時間をかけて説明し、野党の主張の非を主張しなかったのでしょうか。一年先の話ではなかったのです。
日本は約70年前軍隊の暴走にひきずられて、無謀な戦争に突入してしまいました。その満州事変、太平洋戦争の反省のもっとも大きなものは、軍隊(自衛隊も立派な軍隊です)のシビリアンコントロールであると思っています。自衛隊そのものが違憲であるか否かよりも、今持つ実力部隊をシビリアンつまり、国民の総意に基づいて運用しているか否かにあると思っています。自国の防衛であっても、国際協力であっても国民の総意、つまり国会承認は絶対のものです。
安倍首相はこの点を誤ったが故に袋小路に迷い込み、精神を病み、病んだ精神が肉体を蝕んだのだと思います。国民によく説明し、納得を得たものでなければ実施してはならないのです。参議院選挙の議席数はこのことで決まったのではないかもしれません。しかし示された民意は民意です。形に現れた民意をことさらに無視して自分が正しいと思うことを強行しようとした点に無理があったのです。
新法案には自衛隊の派遣について、国会の事後承認をやめようという声が自民党にあってと報じられておりました。これは民意を無視して軍を動かそうと言うことに他なりません。今の制度では国会の議席数こそが民意を代表しているからです。
自衛隊は国民のための自衛隊です。多国籍軍のためのものではありません。ブッシュ大統領からいかなる要請があろうとも、国際評価が高かろうとも、国会の、国民の意向に反した運用などあってはなりません。もし撤退することでわが国に著しい不利益があるなら国民を十分説得し民意を問うべきです。それが民主主義というものです。わたしが憲法9条を世界遺産にという意見
(http://blogs.yahoo.co.jp/mukyu_shikari/26076106.html)
に賛成するのも、事後承認さえやめようという勢力がいまだにいるからです。とんでもないことです。阿部首相が精神と肉体に異変をきたしたのは健全な考えを持っておられたからではないでしょうか。まともなら耐えられません。
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