ロシアへ行ってきました。モスクワからサンクトペテルブルグまでにヨーロッパ1,2という大きさの湖があります。その湖に流れ込んだり、またそこから流れ出したりする大河がありその川とヴォルガ川が運河で結ばれていて両都市の間を数千トンの船が行き来できるようになっています。川はもともと大平原を勝手に道筋をつけて曲がりくねって流れていますから人間の都合で運河でつなごうとすると海抜高が違います。この高さの違いを超えるためモスクワ、サンクトペテルブルグの間に17の水門を設け、船を持ち上げたり下げたりして進みます。そして直線距離600kmを、船は観光地に寄港しながら、2000kmを7日かけて進みます。
船旅を終えて、サンクトペテルブルグからモスクワの向かう飛行機から眺めると、無数の湖が見えその湖に出入りする川がS字や時にはU字を描いてすきかってに流れているように見えました。
出発前のモスクワで二日、着いてからサンクトペテルブルグで三泊そのまま停泊船をホテル代わりに観光します。モスクワ往復の飛行機をふくめ12日間のゆったりした旅でした。とくにずっと同じ部屋に泊まり、荷物の移動の無いのが最高でした。
なんといってもロシアは広い。運河を除けば数百メートルの川幅を船は、全く揺れることも無く進んでいきます。両側は手付かずの原生林が延々と続きます。白樺林もあれば針葉樹林もあり、広葉樹林はもみじの盛りでした。湖に出れば両岸は水平線のかなたです。ヨーロッパ1,2というラドガ湖、オネガ湖は琵琶湖の面積の10倍を超える広さというから桁が違います。オネガ湖に夕方入ったのに翌朝になってもまだ船は湖を進んでいます。
それでも私たちが見たロシアはそのごく一部です。モスクワ、サントペテルブルグは、鉄道なら6時間にすぎず、シベリア横断鉄道は一週間とういうからその大きさは想像もつきません。
モスクワを出て三日目に、船はリビンスク貯水湖に入ります。これも琵琶湖の数倍というとほうもない大きさです。1930年代に川をせきとめて作った人工湖ということですが、そのやり方がロシアらしいというか、なんとも乱暴なことに、4000の村落が湖底に沈むのに、住民には事前に一切知らせず、ダム完成後いきなり水を入れたということです。抗議の一つも許されずに住み慣れた我が家を追われた村人たちを思うとき、成田空港の経過を連想せずにはおれませんでした。今も当時の教会の塔の一部が水面に突き出しています。
|