夢の囁くままに

ひとり寝の帳の中で、ひそかに夢魔が魅せてくれるような、そんな官能詩を書いてみたいと思いました。

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初恋散華




あたしが、好きな あの人は ふたつ離れた 年上で
 
幼馴染は 名ばかりの 天と地ほども 境遇の
 
違う家庭に 暮らすので
 
中学からは 言葉さえ まともに、交わす こともなく
 
遠く眺めて ときめきを 覚えるだけの 日々でした

 
 
あたしは、ママと ふたりきり
 
たった、二間の アパートで 家事を一手に 引き受けて
 
同級生と 遊ぶ間も なく、学校の 往復で
 
いつも、眩しく 友達の 輪の中にいる あの人が
 
わたしに向ける 笑顔さえ 辛く感じて 逃げました

 
 
それでも、あたし しあわせで
 
いつか、あなたと ふたりきり 笑顔で話す 帰り道
 
触れあう、指の 熱ささえ 想い浮かべて いたんです
 
せめて、こころの うちならと
 
あなたのことを 真っ直ぐに みつめることも できていた
 
そんな、あたしが いたんです

 
 
消せはしません あの夏を
 
あたしの恋が 死んだ日を
 
ママの助けに なりたくて 手伝いに来た あの人の
 
家の土蔵に 連れ込まれ
 
年の離れた 中年の 男に抱かれ 死んだ日を
 
それは、あなたに 似て違う 憎い、あなたの父でした

 
 
あたし、学校 やめました
 
ママと住むのも やめました
 
いまは、隣に 住む人も 見知らぬ、洒落た マンションで
 
入り浸っては このからだ 弄る男に 養われ
 
それでも生きて いるんです
 
だって、あたしの このからだ そんな男に 逝くんです

 
 
あなたも、時を 過ごしたら こんな姿に なるのだと
 
そう信じれば この憎い 男に抱かれ 弄られて
 
果てる、あたしが 許せます
 
いつか、あなたの 弟か 妹を生む 罪にさえ
 
恐れと同じ 重さだけ 喜びがある 気がします

 
 
それでも、ひとり 夜の窓 遠い灯りの ちらほらと
 
みえる辺りに 住むママと あなたを偲んで 泣く日々が
 
消えるわけでは ありません
 
あたし、あなたの 父親に 夢を断たれた 女です
 
あたし、あなたの 父親を 奪った、憎い 女です

 
 
許してなどと 言いません 許すつもりも ありません
 
あたし、あなたの 父親に 貢がせ、金を使わせて
 
奪い尽した そのあとに 捨てるつもりで いるんです
 
それは、同時に あなたまで 不幸にすると 知りながら
 
止めるつもりは ないんです

 
 
憎い男に 遊ばれて 歓喜にむせぶ からだにも
 
憎い男に 媚びながら 罠を仕掛ける 醜さも
 
たぶん、あたしは 慣れました
 
それでも、ひとつ 怖いのは いきなり、ドアを 叩かれて
 
「おやじを返せ」 そう叫ぶ あなたの無垢な 姿です

 
 
だから、あたしは 髪を染め 似合わぬ、派手な 化粧して
 
憎い男を 迎えます
 
もしも、男に 組み敷かれ 股を割られて その肉で
 
果てる、歓喜の 絶頂を あなたがみても あの頃の
 
無垢なあたしが 露ほども 浮ばぬように 願います





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