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クリムトを一緒に観に行った友人が、
ミニシアターで上映中の『希望の灯り』も一緒にどうかと誘ってきた。
正直、ノーマークだった映画。
卓球の試合も近かったので、できれば自主練もやっておきたい。
でも、せっかくお誘いいただいたし、
午前中に練習、午後映画というハードなスケジュールを組んで
クリムトの翌日にお伴することにした。
結果、私はとても心に残った。
無理して観に行ってよかったと思った。
友人は、テーマが重過ぎて期待はずれだったようだ。
舞台はドイツ郊外にある巨大スーパー。
そこで働く人たちは、私生活ではみな何かを抱えて生きている。
でも、スーパーで働くときはそれなりの使命感を持って、
毎日のルーティンワークをこなしている。
主人公の男性は、どうにかこのスーパーで働き口を得て、
黙々と仕事をするようになる。
一人暮らしなので、仕事が終わればバスに乗って帰り、
一人寂しく食事をとる。
そんな日々の中で、食品売り場の女性に惹かれた彼。
相手もまんざらではなさそうだ。
ただ、女性には夫がいて、家では不当な扱いを受けているようなのだ。
主人公はとにかくまじめに働いた。
最初はおっかなびっくりだったフォークリフトの運転も、
次第に手慣れていく。
あるとき、女性がパタリと職場に来なくなった。
主人公は、女性の家まで訪ねていく。
が、会いそびれて、花束だけを置いて帰る。
その日は珍しく酒場で飲んだくれた。
そんなワンシーンワンシーンを、
この監督は静かに淡々と映像化している。
それがとても心の奥底に沈澱していくのだ。
だいぶ前に、同じミニシアターで
『ニーチェの馬』という映画を夫と長女と3人で観たことがある。
貧しい農家の屋内で毎日繰り返される日常。
朝はじゃがいもを茹でて、それに塩を振りかけて食べる。
すぐに片付けて野良仕事をし、
翌日はまたじゃがいもを茹でて、食べて、片付けて。
あの哲学的でよくわからなかった映画にも似たスタイル。
毎日のルーティンワークを淡々と描き、
画像もかなり暗めでけっして幸福ではない登場人物が浮き彫りに。
でも、『希望の灯り』はすごく理解しやすかった。
淡々とした中にも、人々の心の機微がうまくあぶり出されているからだ。
卓球の後で、しかも昼ご飯も食べずに観たというのに、
眠くならなかったのは、やはり、スクリーンに引き込まれた証拠だ。
友人のおかげで、拾い物をした気分。
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この映画見る予定にしてたけど見逃しました。受け止める元気がなさそうで、、いい映画をちゃんと受け止められる健やかなハートを持ち続けたいものです。
2019/6/3(月) 午前 7:45
妙にこの旧東ドイツの生活感が琴線に響きました。今年印象的な作品の一つになりました。
今出先なので帰宅後トラバさせていただきますね。
2019/6/3(月) 午前 7:49
> catcatさん
タイトル通り、最後はほのかな希望が灯る感じで、途中は重たいけど引き込まれました。受け止める元気が出たときに、DVDで観るというのもあるけど、友人は一人で観なくてよかったと言ってました。
2019/6/3(月) 午前 10:59
> チャコティ副長さん
妙に印象に残る映画ですよね。
映像的に面白かったのと、選曲もよかったのと、役者陣も自然な演技だったのがよかったのかも。
2019/6/3(月) 午前 11:02