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日曜日は卓球の男女混合団体戦で優勝。
ほかのチームの人も交えて打ち上げに興じ、
飲み過ぎたせいか翌朝3時半に目が覚めた。
二度寝しても眠れそうになかったから、
映画『黄金のアデーレ』をもう一度通しで観ることに。
「映画で英会話」の授業でいま題材にしている映画だけに、
その舞台として出てくるウィーンに一度行ってみたかったし、
クリムトの絵もこの目で確かめたかったから出かけた旅先だったが、
こうしてもう一度そのきっかけとなった映画を観なおしてみると、
さらに深い感動と、理解が得られたことに自分でも驚いた。
この映画、
ナチスドイツによって没収され、
戦後、間違った解釈によってオーストリアのベルベデーレ美術館に収まった
クリムトの<アデーレ・ブロッホ=バウワーの肖像 I>を
アデーレの姪であるマリアが自分の手元に取り戻すべく裁判を起こし、
最後は勝訴して絵を奪還する話なのだが、
こうしてもう一度じっくり観なおしてみると、
過去の歴史的な過ちを是正するという大きな課題が軸となり、
愛する母国と両親を置き去りにして
アメリカに亡命しなければならなかったマリアの哀しみも切々と伝わってくる。
そして、祖父は高名な作曲家、父親は名のある裁判官と
素晴らしい家系に生まれつつ、甘ちゃんだった弁護士ランディが、
最後はナチスに拉致され強制収容所で大量虐殺に会った祖父に思いを馳せ、
カリフォルニアで暮らしてはいても
自分にはオーストリア人の血が流れていることをやがて自覚し、
あまり乗り気ではなかった絵画奪還の訴訟に本気で取り組むようになって、
弁護士として成長していく様も興味深い。
そして、映画に出てくるベルベデーレ宮殿
国立オペラ座脇の通路
ホテルザッハー
市庁舎の中庭を望む回廊
プラーター遊園地の大観覧車
などなど、 ついこの前見てきたばかりの光景がよみがえり、
『黄金のアデーレ』がより一層感動的なものとして、
自分の中に取り込まれたのである。
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海外編〜2018ミラノ〜ウィーン
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3月16日、その日もやはり朝から小雨がぱらついていた。
今回の旅は、珍しく晴れた日がほとんどない。
ウィーン市内をくまなく探検して、
最終日は午前中にシェーンブルン宮殿の外観を見に行ったら、
もはや心残りはないつもりでいたが、
雨の中、郊外にあるこの宮殿まで行って11時にホテルに戻ってチェックアウト、
その後ウィーン空港に移動してそこからミュンヘン〜羽田というのも
かなりあわただしいように思えた。
そこで、今回はシェーンブルン宮殿はあきらめ、
いつかまたウィーンを再訪し、シェーンブルンを見に行ったり、
今回聴けなかったクラシックコンサートにも行ってみたいし、
電車でザルツブルクに行ったり、ヴァッハウ渓谷を訪れたりもしようと思った。
いろんな国のいろんな都市をほっつき歩いた私たちだが、
ウィーンという街はほんとに美しくて、
しっくり肌になじむ感じがした。
そして、62歳にもなると
ヨーロッパへの12時間のフライトはきついかもと心配したけれど、
案外平気だったことに夫も私も驚いた。
まだまだこの体力なら行ける。
近場の旅行に切り替える時期はもうちょっと先かな。
宿泊したヒルトンウィーンからすぐのウイーンミッテ駅。
ウィーン空港へのEXPRESS発着駅でもあり、
Sバーンや地下鉄U3U4も通っていて便利。
電車のドアは自分で開けるタイプ。
開けて乗り降りすると勝手に閉まる。
最初、うまく開けられずにもたついていたら、
座っていた主婦らしい女性がわざわざ立ってきて開けてくれた。
このドア、かなり力がいるのだ。
派手めのレンタサイクルにも、次回は挑戦してみたい。 ウィーンはかなりコンパクトな街だから、
自転車があればひょいひょいどこでも行けそう。
道路は広くて、自転車専用のレーンもゆったりとしていた。
今回はミュンヘン〜ミラノ〜ウィーンと
短期間で3つの国をまたいだ形だが、
ドイツ人はやはり日本人と同じくまじめで硬い感じがしたし、
イタリア人はあくまでも陽気でけっこう雑というか大雑把。
そして案外、面倒見がいい。
オーストリア人は物腰が柔らかくて、
音楽や芸術やカフェ文化が根付いているから、
せかせかしていない雰囲気がとてもよかった。
昨夜は旅の話が聞きたいと、
友人宅に招待されて、さんざん飲んで食べて。
ご主人秘蔵のラム酒も口当たりがよく
かなりいただいてしまった。
今回の旅も、こうしていい締めくくりができたようだ。
今年の海外旅行記はこれにてひとまず終了。
4月からは町会の班長として1年がんばり、
また来年、どこぞへ出かけていこうと思う。
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もうこの備忘録も終盤だ。
体の中にはまだまだウィーンで過ごした夢のような時間がくすぶっているけれど、
昨日は次女一家がお土産を取りに来て、
若夫婦で映画に出かけ、ばあばは乳児のお世話と夕飯係、
今日は起きたら卓球の待ち合わせ時間を過ぎていて、
あわてて家を飛び出したり、もう日常に追われている。
今夜は、イタリアの話が聞きたいというご夫婦がいて
こちらも夫婦でお呼ばれだ。
ミラノで買ってきた白ワインとツナ入りケチャップペーストをお土産に、
一杯やってくる予定。
さぁ、ウィーンのメインイベント、オペラ観劇の翌日はというと。
事前に作ったしおりも真っ白な1日だ。
つまり、この日だけは、
風の吹くまま気の向くままにウィーンを闊歩しようと
何もスケジュールを組んでいなかったのだ。
ただでさえ歩き回る海外旅行、
そんなぜいたくな日が1日くらいあってもいい。
すると相棒のタマッキーが、
ウィーン経済大学に行ってみたいという。
以前も紹介した、ザハ・ハディド氏の建築作品だ。
そこで私たちは、ゆっくりと朝食をとった後、
Sバーンという電車で一駅先のプラーターシュテルンで地下鉄に乗り換え、
次の駅にあるウィーン経済大学を見学した。
建築好きなものだから、
頭に電気がついたのは以前にも書いた通りだ。
ところで、乗換駅でまたもや驚くべきことが起きた。
映画『黄金のアデーレ』の中に、
主人公マリアと弁護士が観覧車の前のベンチに座って話をするシーンがあるのだが、
あの観覧車ってどこにあるんだろう?
もし見れたら見たいなとミーハー的に思っていたら、
プラーターシュテルン駅で乗り換えるとき、
外に大きな観覧車が!
あれだ!と思って走り寄り、思わず写真に収めた私であった。
ウィーン経済大学からは、
地下鉄U2でそのまま市庁舎のあるラートハウスへ。
市庁舎のことはウィーン経済大学とセットですでに記事にした。
市庁舎からはひたすら歩いて新王宮〜王宮へとたどり着き、
老舗CAFE「ツェントラル」で遅いお昼にありついたことも書いた。
それからいったんホテルに帰って休憩し、
美術史美術館に繰り出したのは夕方だった。
どうせならブロ友のアンダンテさんが教えてくれた
セセッション館の「黄金のキャベツ」も見てみようと
カールスプラッツ駅で降りて行ってみたが、
あいにくキャベツは工事中。
館内の展示にも興味はあったが、ショップだけ覗いて、
次の目的地、美術史美術館へと急いだ。
館内はため息ものだ。
ここにもクリムトの壁画がある。
また、アンダンテさんのおっしゃる通り、
CAFEの豪華さは天下一品だ。
せっかくだからここでもお茶しようと思ったら、 カフェタイムは終わってしまっていて、
ディナータイムが18時30分からとなっていた。
食べたかったけど、「ツェントラル」の昼ごはんがまだこなれていない。
仕方なくあきらめた。
でも、絵画の展示は堪能した。
ブリューゲル<バベルの塔> ブリューゲル<農民の婚礼>
ブリューゲル<子供の遊び>
フェルメール<絵画芸術> ティツィアーノ<ヴィオランテ> ラファエロ<草原の聖母> アルチンボルト<夏> ベラスケス<青いドレスのマルガリータ王女> 全部を見て回るのは丸一日かかるだろう。 私は地球の歩き方を片手に、
「これだけは押さえておきたい名画」と
知っている画家だけのものをチェックして歩いた。
この日はもうこれで精一杯。
ほんとはホテルで部屋食をと、
「ユリウス・マインル」というこれもアンダンテさんに教えてもらった高級スーパーで
いろいろと食材を買ってあったのだが、
最後の夜と思うと二人とも急に感傷的になって、
夫とホテルのバーラウンジで乾杯をして終了となった。
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オペラのオの字もよく知らないくせに、
音楽と芸術の都ウィーンに行くからには
国立オペラ座で生のオペラを体験してみたい!
旅行の準備段階で夫も私も気持ちが盛り上がった。
なにしろ去年のバリ島行きのときは、
バリの海で潜ってみたいと、ダイビングのライセンスに挑戦した夫婦である。
今年のテーマは「オ・ペ・ラ」。
シネマオペラでなら、
『ラ・ボエーム』『カルメン』『フィガロの結婚』『アイーダ』などを
観たことはある。
それほどメジャーではない日本の声楽家の舞台を観たこともある。
でも、本場のオペラなんて夢のような話だ。
せっかくのチャンスを無駄にはしたくないので、
演目はわかりやすい『ラ・ボエーム』を選び、
まずはDVDを買って予習もした。
当日はホテルで昼寝をして、
出かける直前に日本から持参した「メガシャキ」をくっと飲み干し、
いざ!とカールスプラッツ駅へと。
トラムでオペラ座前まで行ってもよかったのだが、
オットー・ワーグナーが設計したカールス・プラッツ駅旧舎を見てみたかったので、
ウィーンミッテ駅(地下鉄名はランドシュトラーセ)からU4線で出かけた。
時刻はまだ午後4時。
オペラ開演まで3時間半もある。
カールスプラッツにはCAFEもあってそそられたが、
とりあえずあたりを少し散歩することにした。
これがカールスプラッツ旧駅舎。
反対側にはCAFE。
その後、オペラ座に一度行ってみたが、
場内に入れるのは18時30分からだと言う。
雰囲気だけ写真を撮らせてもらって、
隣接のCAFE OPERAで少し底入れをすることにした。
本番中にお腹がグーグー鳴っても困るからね。
ウィーン名物、シュトゥルーデル(アップルパイ)は、 なぜかフォークをパイに刺したまま運ばれてきた(笑)。
このカフェ、公演開始前に利用するお客さんが多いらしく、
私たちは早すぎたので店内はスカスカだったけど、
いよいよ場内に入場したときにちらっと見たら、
直接オペラ座に繋がっているドアもあって、
店内には着飾った人たちがうじゃうじゃ見えたのだ。
さて、CAFE OPERAで精算したあとは、再びオペラ難民に。 夫が王宮の方にも行ってみたいというので歩き出すと、
途中でまた雨が降ってきた。
前日CAFE SACHERとばかりに食事したのが
SACHERグループのECKだったのだが、
本家CAFE SACHERは、
ECKとはホテル入口を挟んだ反対側にあって、
オペラ座からもすぐ。
そこで、お腹は満たされてはいたけど、
雨宿りとしてCAFE SACHERに入り、
私は居眠り対策に濃いめのエスプレッソ、
夫はホットチョコレートを頼んだ。
ついでにホテルSACHERのロビーも拝見だ。
そうこうするうち時間はやってきて、いよいよ入場に!
今どきは、前席の背中にパネルがついていて、
演目のあらすじが事前に読めるようになっている。
公演開始後は、ちゃんとセリフもパネルで確認できるから便利だ。
もちろん、ドイツ語、英語、フランス語、中国語、日本語と
選べるようになっていたから迷わず日本語をポチッ。
舞台は素晴らしかった!
特にミミ役の女性の声が素敵で、
ストーリーが比較的地味なので舞台装置は華に欠けるけれど、
これが本場のオペラか!と思うとなおさら感動した。
夫婦二人で5万円のチケットはわが家的には大奮発だが
人生に一度の体験代だと思えば納得できた。
だって、ほんとに夢のようだもの。
幕間は30分あって、みなさんロビーでシャンパンやビール、
ちょっとしたオードブルなどを召し上がっている。
様子を見ていたら、誰もお金を払ってる風ではなかったので、
「タダ?」と思って、夫はコーヒーとオードブルを注文。
そしたら、しっかり10€を請求された!
そりゃそうだよね(笑)
公演が終わって外に出ると、
オペラ座のライトアップがまるで東銀座の歌舞伎座のよう。
ああ、なんて素敵な時間だったんだろう!
と、シュテファン寺院の方まで歩いて余韻を楽しみ、
途中マクドナルドを見つけて、「ホット&スモーク」を2個お買い上げ。
そこから地下鉄で帰って、ホテルでビールとマックで夜ごはんとした(笑)
写真右の、日本から持って行ったお湯を注ぐだけの卵スープが 生姜が効いてとてもおいしかった。 |
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さてさて3日間お世話になったヒルトンミラノを後にして、
13日朝、私たちは次なる目的地ウィーンへと向かった。
ウィーン空港で
CATというウィーンミッテ駅まで16分のEXPRESSのチケットを買うのに、
ツーリストインフォメーションを訪ねてみると、
「ウィーンカードはどうしますか?」と聞かれた。
「もちろん買う予定です」と言うと、
「ここで買うと、CATの切符も割引になりますよ」とお姉さん。
72時間有効なのは1枚24.9€で、
バス、地下鉄、トラムとあらゆる乗り物がこの1枚でフリーパスになるほか、
CATの割引に加え、美術館や王宮などの入場料も割引になるので
入国前から「これ」と決めていたため話は早かった。
が、日本に帰って使ったお金をざっと計算してみたとき、
意外と割引の恩恵にはあずかっていなくて、
だったら72時間16.5€のフリーパスでよかったなと反省。
とにかく、ウィーンでは入り口からすんなり事が運び、
ブロ友のぎっちゃんご夫妻も泊まられたヒルトンウィーンは
ミッテ駅からすぐの好立地でどこへ出かけるにもアクセスがよく、
いいスタートを切ることができた。
同じヒルトンでも、ミラノの方はデザインの本場だけに、
内装やじゅうたん、部屋の居住性はもっとよかった気がするが、
ウィーンも従業員のホスピタリティーは悪くないし、
3日間の滞在はとても快適に過ごすことができた。
ウィーン初日にオペラの切符のピックアップに出かけたこと、
街並みが美しくてゆったりしていること、
シュニッツェルもザッハトルテもいきなり制覇したことなどは
すでに書いた通りだ。
2日目は、映画『黄金のアデーレ』にも登場するベルベデーレ宮殿へ
さっそく出かけることにした。
この門なども、映画に出てくるので早くも興奮状態↑。
この日もあいにくの曇天だったが、
ウィーンカードの割引入場券でひとたび館内に足を踏み入れると、
そこはもう別世界。
ウィーンの英雄プリンツ・オイゲン公の夏の離宮とあって、
優雅なバロック建築と室内装飾には息をのむ感じだ。
宮殿上宮には私が夢にまで見たクリムトの<接吻>を始め、
たくさんのクリムト作品とエゴン・シーレ作品が展示してある。
今年、クリムトもエゴン・シーレも没後100年にあたり、
かなり宣伝にも力を入れているようだった。
やっとやっと会えた<接吻>がこれ↓
金箔の使い方と色遣い、構図、ほのかな色気。
初めてこの絵と出会ったときから、そのどれもが自分の好みにフィットした。
館内は、フラッシュさえたかなければ写真はOK。
そこで、ここぞとばかりに撮りまくった。
英会話の授業で題材にしている『黄金のアデーレ』は、
クリムトが描いた<アデーレ・ブロッホ=バウワーの肖像Ⅰ>のことで、
映画の主人公マリアはアデーレ伯母さまを誰よりも慕っていたので、
絵の価値や評価そのものよりも、
伯母さまが描かれた絵を早く自分の手元に取り戻したい一心で
オーストリア政府と闘い、
かなり難航はしたものの、遺族の当然の権利として
<アデーレ・ブロッホ=バウワーの肖像 I>の奪還に成功するのだ。
闘いの末に奪還した絵は現在、
ニューヨークのノイエ・ギャラリーに飾られていて、
残念ながらベルベデーレ宮殿にはない。
こちらは、そんなマリアの母親テレーズの肖像画↓
(※作者はクリムトにあらず)
エゴン・シーレもたくさん撮影したのでその一部を少し。
貴重な絵画を心ゆくまで堪能した私たちは、
ベルベデーレ美術館隣接のカフェでお茶した後、
いったんホテルに帰って休憩し、
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