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サモア政府は、経済的自立に必要な知識と技術力を有した人材を育成するため、教育分野に力を入れている。サモア国立大学は、1983年に設立されたが、大学の組織、施設、機材の整備が立ち遅れていた。そのため、国内の人材育成が十分になされてこなかった。
サモア政府は、国立大学開発20年計画を作成し、2000年までの第一段階として、大学機能の移転、校舎および教育機材の拡充について、日本に無償資金協力を要請してきた。
日本政府は、1995年度〜1996年度、無償資金協力として、教育省サモア国立大学に対して、17.2億円を供与した。目標は、サモアの社会経済発展に貢献する人材を育成するために、サモア国立大学の教育水準を向上させることであった。
講義棟、実験実習棟、管理棟、図書館、集会場、学生厚生福利施設などの施設が建築され、実験実習機材、視聴覚機材、LL機材などの教育関連機材が整備された。集会場としては、サモアの伝統的建造物である「ファレ」が設置され、サモアの文化的特色が反映されている。
1997年8月、施設の建設と機材の設置が完了し、直ちにサモア側へ引き渡された。1998年度には、大学の施設管理者を日本に派遣して研修を受けさせるなど、今後の効率的な運営がなされるものと期待された。しかし、視聴覚機器、コンピュータ施設、薬品中和施設の維持管理の技術レベルが低く、また維持管理費が不足していた。
2001年3月に実施された調査の結果、1997年から2001一年の間に学生数が2.2倍に増加したこと、集会場「ファレ」の使用は、有料で一般市民に休日解放されるなど多目的な利用が行われていること、および美観を保持すべき「ファレ」の木製屋根の一部に腐食箇所が出現していることなどが指摘された。
一方、JICA専門家及びシニアボランティアの派遣により、大学運営管理、日本の大学との研究交流、学生交流計画が積極的に進められており、良好な成果を上げてきている。いずれも、施設等の供与に留まらず、適切な技術協力が伴っており、プロジェクトの成功に繋がっていると評価されている。
大学の組織は、人文学部、商業・経営学部、看護健康科学部、理学部、教育学部、および工業高等専門学校、商業高等専門学校、海事訓練学校で構成されている。
あるJICAのシニアボランティアは、2006年サモア技術学院が再編成されて、サモア国立大学工業高等専門学校となった冷凍・空調学科において、教鞭を取ってきた。
着任時、学生の勤勉意欲が低いこと、時間にルーズであること、社会的に指導教科の必要性が不明確であること、および保守の重要性が理解されていないことを指摘していた。
彼は、まず業務用空調機のテキストを作成し、理論と実務との対応を明確にし、学生による卒業論文作成と発表会の指導に力を入れた。特に、空調部門における技術者認定制度の導入に努力したことが高く評価されていた。
空調機は非常に高い圧力と高電圧を取り扱うため、大変危険な作業であるため、このような技術者を認定する制度の導入は重要であった。その導入計画に対しては、総論賛成・各論反対の声があったが、サモア冷凍空調工業会の後援でようやく軌道に乗りだしたことなどの苦労話が披露された。
最近では、大洋州国内の人材育成を目的としたオーストラリア太平洋カレッジの設立に伴い、サモアの人材を開発するプログラムが導入され、これが、サモア国立大学の学生数の増加に繋がるものと期待されている。
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