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サモアの大家族制度

 
  サモアはごく最近まで、乞食がいない国と言われてきた。しかし、今はアピアの路上に2、3人見かける。急速な都市化で村での生活から放り出された人がいるのだろう。基本的にはサモアでは家族のつながりが強く、仕事を失った人でも家族の中で面倒を見てくれる。ちょっとした家事や畑の手伝いをして、暮していけるからだ。
 
畑にはタロ芋、バナナ、パンの木、椰子の木が茂っており、お金が無くても村の中にさえいれば食べていくことができる。家族はアイガと呼ばれる大家族で住んでいる。小学生に聞いてみると、核家族の人はひとりかふたりで、大部分は祖父母、おじ、おば、従兄弟同志が同じ村のファレか近くのファレに住んでいる。
 
家族は血のつながりのある人も養子縁組の人もいる。知り合いの女性は結婚前なのに、すでに養子が2人いるという。困っている人を助けることと、自分の家族を大きく育てていくために、家族の人数を確保していく目的もあるらしい。
 
アイガは数10人から何100人という大所帯で、マタイと呼ばれる酋長の下に統合されている。何人かのマタイが集まってアイガが出来ている。マタイは世襲制ではなく、人々の尊敬を集める人、土地があり、お金、力、人格ともに揃っている人をアイガの中で何日もかけて話し合いで決めるそうだ。
 
マタイは家族の人々すべての面倒や式典の取り仕切り、外部との折衝などを行う責任と権利を持っている。国会議員になれるのはマタイでなければならないそうだ。マタイの奥さんも式典に使う贈り物の品物の選択や準備で村の女性たちを引っ張っていく仕事がある。
 
従って新しいマタイの授与式には盛大な式が催され、新聞にも載るほどだ。おもしろいことにマタイは2人セットで行動し、一人は一番偉い長で、もう一人は長に代わって演説をする役目のマタイだ。先日の独立記念日の日に、議事堂前広場で歌や踊りの披露が国家元首の前であったとき、各グループから2人ずつ男が現われた。1人は最後まで堂々と立っているだけで、もう一人が村の人々を指揮したり、挨拶の演説をした。彼らがマタイだったのだ。
 
マタイの令嬢
イメージ 2
このマタイ制度のおかげで、孤独死や乞食がいないのだ。しかし一方、個人の収入は自分だけのものではなく、アイガ全体のものとして、力に応じてかなりの額を差し出さなければならない。結婚式、葬式などの式典、さらに教会への献金などが多く、お金はすぐ出て行き、貯蓄の習慣も余裕もない。
 
今日暮していくのが大切で明日は何とかなるのだ。働く女性は現金収入があるから歓迎され、生まれた子供は家族の誰彼が面倒を見てくれる。嫁姑の問題もないようだ。
 
子供達もよく働いている。毎日の食事は女の子たちで、日曜の特別の食事は若い男やおじさんがするので母は料理を作らないと、大学生の女性が言っていたので驚いた。お母さんは牧師の妻で外の仕事がたくさんあるからと言う。
 
子供達は親子だけの濃密な関係で起きる精神的な不安定さはなく、おおらかで周りの大人達に叱られ、守られ育っていく。日本の昔の大家族制度にもあった良い点だ。家に来る庭師は男の子を連れてきて、箒で掃いたり、後片付けをさせている。
 
ジュースをあげるとその子はすぐ父親に差し出しているので感心した。父親も当然のこととして、自分だけ飲んでいた。白人との混血や海外へ出たサモア人にはこの家族制度は重苦しくないのだろうかとも思える。
 
しかしこの島に18万人が住み、海外に同数位の人々が出て仕送りをして、人々の暮しが成り立っている事実を考えると、今のところよいバランスで大家族制度と個人の生活が平衡を保っているのだろう。
イメージ 1小学6、7年生にこのマタイ制度の話題を出し、将来何になりたいかを聞いてみると、女の子は弁護士、医者、旅行家、男の子も建築家、スポーツ選手、作家、人類学者、マタイになるかもしれないという子もいて屈託がない。「主婦になりたい人?」と聞くと誰もいなかったのはおかしかった。まあ小学生だから何でも言えているのだが、夢は大きい方が子供らしくてよいことだ。

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