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サモアの季語

      
      モソオイのにほひの誘ひパロロ浮く
 
  これは新しく守宮句会に入られたKさんの句だ。彼女はサモア在住40年の日本人の方で、サモア人と結婚し、子育てをしながら、アピア市内の旅行社で日本とサモアの観光や貿易の事業をずっと取り仕切ってこられた。私たちが旅行するとき必ずお世話になる会社で、「地球の歩き方」に顔写真が載っている方だ。
 
  さて、当句の季語は?と思ったが、Kさんの説明を聞いて、パロロがサモアの季語になると思った。モソオイはレイなどに使われる香のよい花木で、この季節よく薫るそうだ。このころ10月か11月の満月の1週間後くらいのある日に、パロロが海面に浮んでくるという。
 
  パロロは珊瑚礁の細い穴に棲息している、ゴカイの仲間で、1日だけ生殖活動のため海中を浮遊しているという。サモア人にとっては特別貴重な食べ物らしく、また、いつ出てくるかわからないので、その日が近づくと漁師だけでなく、政府のお役人も先生も男達は皆そわそわし出すという。
 
  今は亡きKさんの夫も仕事をそっちのけで、夜明け前に海に入り、蚊帳の網で作った丸い金魚すくいの特大製のようなもので、パロロをすくって来たそうだ。明るくなると消えてしまうので、暗がりの中で、手探りですくうのだそうだ。
 
  最近は首都のあるアピアではあまり獲れなくなっているそうで、マーケットに出るとあっという間に売れてしまうそうだ。Kさんのパロロに対するさまざまな思いが伝わってくる句であった。
 
パロロ料理
イメージ 1
  11月15日、日曜日の朝6時にいつも連れて行って貰うフィッシュマーケットでその幻のパロロを見つけた。プラスチックの器に入り、どろりとした緑色の固まりの中に、にょろにょろとした細長い固体が見える。もうひとつの島サバイィ島で獲れた物だそうだ。さっそく300グラム入りのもの、30ターラ(約千円くらい)で買った。
 
  さてどういう風にして食べるのか。魚にくわしいシニアボランティアの先輩、Bさんが知り合いのサモア人に作ってもらってきた方法で私も作ってみた。フライパンに卵、バター、牛乳、にんにくをまぜた物を入れ、卵が固まったらパロロを加えてまぜるだけ。よく火が通ったら出来上がり。
 
  マッシュポテトを添えて食べるとおいしいということで、それも作った。いつものサモア語の勉強会の後の持ち寄り食事会に持っていってみんなにも食べてもらった。かすかな磯の香りがする。塩は足さず、自然の海の味のままなのでやわらかな味、不思議なおいしさだ。
 
  卵が入っているので、生臭みはなく、色合いはほうれん草の卵いためのようだ。年に一度だけしか食べられないのだと、皆にも吹聴し、来年の春は日本へ帰る人達には最後のパロロとの出会となった。昔は儀式的な敬虔な食べ物でマタイしか食べられないものであったとは、Bさんからの受入れ知識だ。
 
 
ジャックフルーツ  
イメージ 2
   サモアは年中夏で季節の変化がなく、季語の使い方が難しい。しかし微妙な変化はあり、こんな小さな海の動物がそれを察して、ある日、命を生み出すために必死に海上を浮遊してくるのは感動的だ。
  
  そういえば野菜市場に出る果物も今はパイナップルがたくさん出てきているし、我が家のバナナも今が盛りとそれぞれが花を咲かせ、重いバナナの房をあちこちに付けて垂れ下がっている。10月から3月までが雨季で、後の半年が乾期だ。
 
  雨季といっても1日中降っているわけではなく、ザーと降って、3、40分もすればかっと強い太陽が現れる。雨と太陽のおかげで花々や植物が生き生きと鮮やかに色を増し、実をつけてくる。季節の変化がないと思っていたサモアにもある自然のうつろいをもっとしっかり見てみたいと思ったパロロ体験だった。
 
 

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