|
サモアで最も伝統的で有名な料理方法としてウム料理がある。ウムとは、焼き石かまどのことである。村の首長であるマタイが、若い男性が一人前になるために、その調理方法を教えている。各家庭には、トタン屋根の調理小屋があり、その中央部には石を焼くための火床が設置されている。
日曜日の早朝から準備をし、教会から帰ってきた人たちをもてなすもので、聖餐(トウナイ)と言われている。我々は、ウム料理の見学と試食会に参加するため、まず、サバイィ島のプアプアにあるサモア人のLさんの家庭を2泊3日で訪問する機会を得た。
早朝から私達のためにウム料理の準備が始まった。お母さんが青いバナナの皮を剥き、水に漬けてさらしていた。隣の煮焚き用の小屋ではココナッツの殻の炭が燃え、ごろ石が赤く燃えていた。
息子達が庭を走り回る子豚を1匹掴まえて、丸焼きの準備をした。首を絞め、動かなくなるまで押えた後、火のところで毛を焼くとつるつるの白い肌が表われた。さらに湯を掛け、ナイフで丁寧に毛を剃っていた。つぎに、ナイフで内臓を取り出し、きれいに洗った後、燃えた石をお腹に入れ、臭みをとるためにマンゴーの木の葉を更に押し込んだ。
初めは少しかわいそうだ等とも思って見ていたが、次第に豚は食材に見えてきた。息子達は黙々と手際よく作業を進めていた。娘はかぼちゃの皮を空き缶できれいに削り取った。最後にそれらをタロ芋や青バナナとともに、パンの木の葉等を重ねた火の床で蒸し焼きにしていた。
教会から帰ってきた私達は、トオナイ(聖餐)として、豚肉、鶏肉、タロ芋、バナナ、かぼちゃやトマトにラーメン入りのスープなどたくさんのご馳走をいただいた。食事はまずお祈りで始まり、栄養豊かなウム料理を堪能させていただいた。
次に、訪問する機会を得たのはウポル島のKさんの家庭である。日曜日の朝十時頃訪問すると、すでに真っ赤になった焼き石からなる火床が用意されていた。石の大きさは直径10センチメートル程度である。
薪や椰子の実から作った炭などを使って、数多くの石を十分に焼き上げていた。この焼き石を広げてヤム芋、皮を剥いたバナナ、ブレッドフルーツなどを焼いた。片面を焼いた後反転した。
ウム料理用の焼き石からなる火床
焼き上がる前に、カワハギという魚をバナナの葉でくるみ、形がくずれないように丁寧に編み上げた。さらに、ココナツミルクを2・3枚のタロの若葉でこぼれないようにしてくるみ、さらにアルミホイールで包囲した。これはパルサミと呼ばれ、タロ芋やヤム芋に付けて食べる調味料である。
我々も一部手伝うことができ、パルサミは自分自身のものをそれぞれ作成することができた。最初は、ココナツミルクをタロ芋の葉っぱで包むことができず、こぼしたりしていたが、何とかうまく包み込むことに成功した。
つぎに、バナナの葉っぱを何枚か敷き、その上に先ほどの魚、マーケットから買ってきた鶏肉、豚肉を置き、パルサミを包んだアルミホィールを並べていた。これらの食材の上にバナナの葉っぱを10数枚覆い掛け、熱が逃げないようにて、おおよそ40分間蒸し焼きにしていた。
楽しみにしていたウム料理がテーブルに並べられると、豚肉や鶏肉の良い匂いが漂ってきた。また、鶏肉と野菜を入れた美味しいスープが出された。さらに、ムニエル風に調理された魚料理、コンビーフ(塩漬けにした牛肉)が出された。
お腹一杯になってしまったが、さすがはサモア人、ケロッとしていた。楽しい会話の一時をすごすと、これまた偉大なるアイスクリームのかたまりが大きな器に入れられて配膳されてきた。これにはすっかりたまげたが、別腹にすっぽりと入ってきたのは何と不思議なことであった。
サモアの家庭では、毎週の日曜日、教会へ行き、その後、家族と共に美味しいウム料理を聖餐として食しているのである。広い調理場があり、食材が豊富にあり、さらに燃料費が安いことなど、これは大変うらやましい生活習慣であると思った。
火床の上にバナナの葉っぱを敷き、その上にパルサミを置いている
|

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用


