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サモアでは、年2回しか採れないという海の生物パロロについて述べる。パロロは、海にいるイトミミズか、ゴカイのような虫であり、長いものから短いものまで緑色と茶色の数種類に分類されている。
パロロは、生物学的にはミミズやゴカイの仲間で環形動物門多毛網イソメ科に分類されている。成虫は長さ30センチメートルのものまであり、雄は緑色、雌は茶色である。いぼ足や剛毛が、遊泳しやすいように幅広い形に変形している。日本語名は、バチ、エバ、ウキコなどと呼ばれている。
パロロはサンゴ礁の細い孔に生息しており、1年に2回、10月と11月の満月の1週間後から2・3日生殖活動のため海中を遊泳して来るが海水温度などに影響されるため、その発生日時を特定することは困難である。海面に浮上すると、精子と卵子を放出して生殖が行われる。
本来、パロロを採取するときは、海の豊漁を祈願する儀式的な要素があり、盛装していったようである。捕ったパロロは、贈答用として、親戚や友人に配るといった習性が残っている。昔、実際にパロロを食することができたのは、マタイだけであったようである。
パロロの拡大写真
ウポル島では、南海岸のパラダイス・ビーチまたはサラムム・ビーチで採取できたようである。しかし、近年、乱獲によって、あるいは環境汚染によってパロロの漁獲高が減少する傾向である。日の出前の午前4時半頃から採取可能となり、懐中電灯、蚊帳用の網とバケツをもって、海面に浮いてくるパロロを網で掬い上げるのである。
2009年11月15日の日曜日、魚市場に行くとパロロが販売されていた。黒っぽい入れ物に入っていたので、最初は何であるか検討も付かなかった。一緒にいたC氏の説明によると、サバイィ島で捕獲したパロロを冷凍していたものであった。
実は、透明なプラスチック容器に入れていたが、パロロそのものの色が、黒色がかっていたのである。280グラムで30タラ(約1,050円)であった。早速一瓶購入することとし、その調理方法をC氏に教えてもらった。
南海の珍味といわれる黒っぽいパロロを直接食べた感触は、味がなく、モズクの塩味だけといったトロリとした食感であった。サモア人はバナナの葉っぱに巻いて、焼いて食べるそうである。
我々は、まず、卵6個を買ってきて、フライパンで卵を焼き、スクランブルを作った。その中に、買ってきたパロロを全部入れて、スクランブルと混ぜて、さらに5分間、フライパンの上で焼き上げた。丼鉢一杯のパロロ料理ができあがった。
また、ジャガイモを蒸して潰し、牛乳とバターを入れて、マッシュポテトを作成した。このパロロ料理とマッシュポテトとを組み合わせて食べると、生臭い味が完全に消えて、好ましい磯の香りがして大変美味しかった。
パロロの名前を冠した地名にパロロ・ディープがある。1974年に指定されたパロロ・ディープ海域特別保護地は、ウポル島の北海域にあり、アピアの北東約1.6キロメートルに位置している。
南北に広がった円鐶状のサンゴ礁は東西500メートルにまで伸びている。パロロ・ディープと呼ばれる瓢箪状の海溝は、直径200メートル、深さ10メートルである。その面積は135ヘクタールであり、150種類の海草に覆われている。
海岸部には砂浜があり、サンゴ礁まで遠浅が続いている。ここには、多くの海水浴客が訪れており、スノーケリングを楽しんでいる。ごく近くの岩場には小さな熱帯魚が沢山おり、子供達の絶好の遊び場になっている。海底には、ところどころ玄武岩でできた小さな岩石が転がっている。
沖に向かっては、砂やサンゴの破片が堆積した斜面が続いている。パロロ・ディープの海底は、サンゴ礁で覆われており、豊富な熱帯魚の宝庫である。この海溝の周辺には珍しい魚が生息しており、ダイビングやスノーケリングを楽しむ人々が多くやってくる。昔は、パロロが多く生息していたと予測される。
エッグスクランブル上のパロロ
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