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ウポル島の東北方向に位置するファガロア湾は、急峻な山々に囲まれた美しい湾である。いくつもの小さな滝が流れ落ちており、狭い山麓と海岸との間にはさまれた村々が点在し、壮観な眺めである。
北西方向には標高820メートルのファオ山、南東方向にはアフリロダムの北壁となる標高740メートルの山脈がそそりたっている。この地域は、サモアでは最も古い新第三紀鮮新世から第四紀更新世中期に噴火したファガロア火山帯に属している。
我々は、2010年3月28日にラブ4に乗って、このファガロ湾を訪問することとした。アピアを出発したのが午前9時であった。アピアから北海岸に沿ったメイン・イースト・コースト・ロードを東方向に16.4キロメートルドライブし、サーフィンで有名なソロソロ村を通過し、ファレファレ滝に到着した。
その後、山岳地帯を通過するレ・マファ・パス・ロードに沿って南方に7.1キロメートル進むと、タエェレファガ村方面に向かう交差点に到達し、ここを左折してファガロア湾に向かった。ここからは狭い山岳道路となり、舗装はされているが対面交通ができない状態である。
峠部分に差しかかると、太陽に照らされたまばゆいばかりの美しいファガロア湾が目に飛び込んできた。南洋の植物が繁茂する緑色の山の斜面、白い雲がぽっかりと浮かび上がった青い空、湾を取り巻くサンゴ礁と白い砂浜が揃った素晴らしい景色である。
ファガロア湾の展望
山道を降りたところが、湾の入り口に位置するタエレファガ村である。この村には、水力発電所があり、4メガワットの発電を行っている。ここから南東方向の山を見ると細長い筋状のペンストックという水圧管が山の天辺から山腹におよそ1キロメートルに渡って張り付いていた。
アフリロダムから落差約300メートルの間を、毎秒1.8立方メートルの流速で水が流れ落ちて来るのである。発電所の向かいにタエレファガ・プライマリー・スクールという小学校があり、日本政府の援助で建てられたそうである。
突き当たりを右折して進むと、未舗装の南岸通りに入り、しばらく行くと、サマメアと言う美しい海浜を有する村に来た。ここまでの所用時間は1時間であった。海浜には、椰子の木がそびえ立ち、木々の隙間から見えるファガロア湾は、写真の撮影場所として絶好の場所であった。
村の人々は、山際に建てた5〜6軒のファレに住んでいるだけで、海水浴にやって来る人も極めて少ない。全く観光化されていないこの村は、自然一杯のはだしの王様ツイアビのティアベア村と酷似していた。
我々は、椰子の木陰でスケッチブックを開いて絵を描いて楽しんだ。前の遠浅の海岸で遊んでいた数人の子供達の水浴び姿や泳いでいる姿は、無邪気で陽気で健康的であった。これこそツイアビの求める理想的な子供達であった。泳いでいた子供達が浜辺へ帰ってきて、絵を描いている我々の周りをとりまいて、珍しそうに見ていた。
写真を撮ったりして、彼らとの話に夢中になっていた。彼らは、1時間ほどかけて、先のタエレファガ小学校に通っていること。将来日本に行きたいとも言っていた。そのとき、ファレにいた父親が突然出てきて何かをサモア語で言っている。子供達は一斉にその場を離れて家に帰ってしまった。
何事が起こったのだろうか。そのサモア人が我々のところにやって来て、怖い顔をして、何かを注意しているようだった。しきりに上を向いて、身振り手振りで説明している。途中「ニウ」という言葉が聞こえてきたので、何か椰子の実のことを言っているらしい。よく考えると、「この場所に座っているのは、大変危険であり、椰子の実が何時落ちてくるか分からない。早くそこを退きなさい」と言っていたのだ。
我々は、そのことを以前にも注意されていたが、日影を求めて入り込んでしまったようである。これからは肝に命じておかなければならない。地球上に最後に残された楽園の村サマメアに2時間ほど滞在し、昼食代わりに持参したおにぎりを食べたあと、帰路についた。
サマメア村
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