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地球儀の縦の線、つまり子午線である経線のゼロ度はイギリスのグリニッジを通過している。この線が世界中で使っている時間の基準である。そこから順々に経線を辿っていくと、時間は東へ行くほど進み、西へ行くほど遅れてくる。地球儀を赤道で分割すると、中心角360度の円が見えてくる。これを24時間で一周すると、1時間は中心角15度に相当する。こうして地球儀を動かしていくと、地球を半周したところに太平洋がある。東経180度進んだ時間と西経180度遅れた時間が一致する。
18世紀の航海者達は日付変更線の必要性を最初に認識した人々である。19世紀になると、太平洋の中央部で日付を変えることが慣習的に行われていた。1884年にワシントンで開催された万国子午線会議で経線ゼロ度がグリニッジを通過することが決定された。その後、経度180度を基準に同一国内で日付がかわることを避け、北側ではベーリング海峡を東へ、アリューシャン列島で西へ曲げられた。
日付変更線とは、その線を越えると日付を変えるように定めた線であり、太平洋上の東経180度(西経180度)の子午線を基準に陸地を避けて折れ線状に設定されている。航空機や船舶が東から西へ超える場合は日付を一日進ませ、西から東へ超える場合には一日遅らせるのである。日付変更線は気をつかって、1つの島、1つの国を昨日と今日に分けないように避けて通っている。
サモア諸島創造の伝説として、岩佐嘉親「サモア史」(大陸書房、1970年)によると、『タガロアラギという神様が、天の上から下界を見下ろしてあくびをした。さすがの神様も視界に広がる単調な青い海にはたいくつしていたようである。そこで神様はこの大海原に自分が遊びに行けるように足場を造ってみようと思い立った、そして、そこは神様、思ったことはすぐにできる。見事に「マヌッアテレ」と呼ばれる岩がポツンとできた。「うん、これはよい、もっと造ってみよう」と言われた。出来映えに気を良くした神様は、足場は多い方が良いとマヌッアテレ岩を割って、沢山のかけらを造り、それを拾い、大きな海にばらまいたのである』と説明されている。
太平洋に散らばる無数の島々はこのようにして誕生したのである。なかにはタガロアラギが、やれやれ一仕事終わって、両手をパンパンと払ったときに落ちたほこりでできたのではないかと疑わせるような小さな島々もある。神様はうっかり造ってしまったのかも知れないが、そこにも人々が暮らしている。
例えば、サモア独立国の北方に位置するキリバス共和国はギルバート諸島、フェニックス諸島およびライン諸島の一部からなり、33の環礁が赤道付近に3,800平方キロメートルに渡って散らばっている。このキリバス共和国の国土の中央を日付変更線が通過していたために、一つの国が時間的に分断されていた。
1995年、キリバス共和国は日付変更線の東側の時間を24時間進め、全国同じ標準時間を設定した。そのため日付変更線は大きく東側へ移動し、キリバス共和国は世界で最も早く日付が変わる国となった。日付変更線は、南太平洋に散在する国と国の間でさだめられたので、複雑になっている。
ちなみにサモア独立国は最も遅くに日が暮れる国となっている。たまたま、海の上を日付変更線が通過するのでよかったが、これが大陸の沢山の国々を通過するのであったら大変なことになる。隣の町まで出かけるのに昨日になったり、今日になったり混乱してしまう。隣町の学校やオフィスに行く度に、日曜日が2回来たり、また無くなったりと大変であろう。
なお、サモア独立国では、まもなく日付変更線を変えて、キリバス共和国と同様に、世界で最も早く日付が変わる国になるようである。
ジャックフルーツ(千々岩壬氏提供)
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