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人類学の授業の一環として、フィールドワークの宿題が課せられた。私もフィールドワークなるものに挑戦した。主にインタービューをして、その地域に住む人々の生活をできるだけつぶさにレポートするものだ。
アポリマ島は首都のあるウポル島と大きな島サバイィ島の間にある小さい島で、定期便は行き来していない。漁師の船に便乗させてもらって渡る。島に住む人は80人くらいで、他に460名ほどの島民はウポル島の港近くに、アポリマウタ(内陸)という村を作り、町の仕事や学生として暮らしている。
船の準備ができるまで私たちはしばらくホストファミリーの皆さんと歓談して、食事をともにした。まずサモア特産の甘いココアを出していただく。私も作っていったのりのおにぎりを喜んでもらえた。ご主人はアピアで仕事をしているため、会えなかったが奥さんとNZから一次帰っている学生の娘さんと話せた。
子供の数は5人、5人の男女その他親類の人々も一緒に住む大家族だ。子供のうち、男性はみなここに住み漁師かアピアで仕事をさがし、女子はみなNZへ出て働くか、学生だという。奥さんは普段はパンダナスの葉のマットを編んでいる。庭に干した葉が丸く日に晒されている。
その前に海水に一週間浸けて、灰汁をとるという。干した後、葉を薄く延ばし、裂いてマットを編んでいく。ファインマットとよばれるものは、軽く白く美しい網目で、決してその上に乗ったりするものではなく、贈り物として最高の品で、母から娘へと送り継がれ、古いものほど値打ちがあるという。見せていただいたものは畳一畳ほどの大きさで2,000ターラ(6万円)ほどするという。
ソーラー発電用パネル
船の準備ができたので、波止場へ向かう。島へはみやげとして、私たちはラーメン1箱と冷凍のチキン1箱を用意した。その他宿泊のお礼として少々の金子を渡す予定だ。子供たちが軽々と重い荷物を運んでくれる。島に運ぶ、氷、水、パン、魚のえさ運びも子供の仕事だ。船底の水かきをしながら、友達同士押しあったり、海に突き飛ばしたり、仕事をしながらも子供たちは元気そのものだ。大人たちは黙ってそれを見ている。金曜日なので、子供たちも島に帰るのだ。
珊瑚礁の内側は波も穏やかだが、外洋へ出ると漁船は大きく揺れる。が、子供たちは舳先に立ち、堂々としている。35分ほどで、島の入り口に着く。入江の周りは大きな崖が激しく波にもまれ、えぐられている。10メートルほどの岩の間隙を船は船長の巧みな舵で無事通り抜けた。迎えにきた村の人々がずぶ濡れになりながら、海に入って船を引っ張ってくれる。この島は周囲3.5キロメーター、火山の爆発で出来た島で、クレータの部分が盆地となり、人々の住居となっている。
案内されたのは新しいトタン屋根の長方形のファレの中。まずヤシの実のジュースがストローをつけて、持ってこられる。やがてこの家族の家長であり、マタイの称号を持つご主人が現れ、挨拶をして下さる。
私たちが挨拶する。英語からサモア語へ、サモア語から英語へと。そんな風にしてしばらく話した。ご主人はおだやかなサモア人にしては小柄な人だが、シャツから垣間見える肌は赤銅色で鍛え上げた漁師の筋肉と長としてのゆるぎない風貌をしていた.
アカククリ(千々岩壬氏提供)
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