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1月の中頃アピアの中心地近くに家を借りることに決めた。サモア人の女性Mさんの親戚が所有する家だ。その人はニュージーランドに住んでおりMさんに管理を依頼している。サモア人はある程度力があるとニュージーランドやオーストラリア、ハワイなどに移住し、そこの大学を出てその地で働く。サモアの人口18万人の同数以上の人々が海外へ出て働くそうだ。親戚、家族の繋がりは強く、サモアに残り自分の土地や墓を守っている人々に仕送りをする。お金をもうけた人が仕送りをするのはあたりまえで、この土地を守り、文化を伝えていくのが最も大切なマタイの規則なのだ。
Mさんは親がニュージーランドへ出て、そこで育ちサモアに帰っている人だ。ご主人はサモアテレビのマネージャーというからエリートなのだろう。子供は4人でもうすぐ5人目が生まれる。さてその家は大きな敷地にニュージーランド風の白に緑をアクセントにしたきれいな一階建ての家だ。家具、台所用品、エアコン、洗濯機などすべて揃っている。直ぐ近くに教会、少し離れて学校と別の教会のステンドグラスが見える。周りはサモアの人々の少し小さい家々、広場がある。緑いっぱいで木々は葉を茂らせ、大きく育っている。この家に入るとき、遊んでいた子供達が見に来た。外の門は鍵をかけるので、にこにこ笑って、「タロハー」と挨拶しすぐに「バイバイ」と言ったので、へんなおばさんだっただろう。
そのうちサモア語をもう少し覚えたら遊ぼう。今は毎日が忙しい。午前中3時間半のサモア語のレッスンが毎日続いている。この家の庭の片隅にこの家のおじいさんのお墓がある。家に墓を置くのはサモアでは普通のことらしい。家に入ってすぐ、きれいな水を汲んできて、お墓に捧げ2年間の滞在中よろしくとご挨拶した。庭にはバナナの木が7、8本、バナナが黄色く食べごろの物、青い物などが成っている。大きな木はマンゴーで12月にはたくさんの実が落ちてくるそうだ。日本でよく見る観葉植物が自然に大きく茂っている。庭師が毎月手入れに来るそうだ。翌日目を覚ますとカーテン越しに朝焼けの空がピンクに染まり、裏の空地に高い椰子の木が3本、パンの木が天狗のうちわのような大きな葉を拡げ揺れている。異次元の世界に入ったような美しさだ。
バナナの多い家
その夕方美しい歌声が聞こえてきた。教会からだ。サモア人はほとんど100%キリスト教徒だという。教会の宗派も800くらいあるそうだ。みんなどこかの教会に属しており、日曜日はあらゆる仕事を休み、教会へ行く。街は閑散として車も走っていない。聞こえるのは教会の牧師の声と人々の祈りと歌声だ。
この近くの教会は特に歌と鳴り物が好きな教会のようだ。歌声はだんだん大きくなり、伴奏のドラムやシンバルの音でわれんばかり。人々が祈るのは日曜だけではない。毎夕日暮れには晩鐘が鳴り、それぞれの村や町の広場やあるいは教会で一日の終りの祈りが始まる。
これはマタイの文化と共にサモアの人々が堅く守っている生活習慣であり、精神文化なのだ。私達外国人はその邪魔をせぬよう静かに家で待機することにした。
夜になると犬がさかんに吠え出す。犬は放し飼いで昼はぶらぶらしているが、夜になると張り切って走り回る。犬は夜行性だったのだ。日本の犬のように贅沢に育っていないので、飼われている犬も従順で人間の言うことを良く聞く。
「ハル」と言うと追い払うことができるが、知らぬ振りをしているのが安全のようだ 庭には、にわとりが2、3羽我が物顔で闊歩している。彼らは出入り自由の幸せもので良く太り、いつも何かをついばんでいる。どこで卵を産むのかいつの間にかひよこを5、6羽従えている。
庭に何かしら動く物があるのは楽しいものだ。我が家は朝にはにわとりの「コケコッコー」と犬の遠吠え、小鳥の鳴き声、教会の鐘の音で目覚める。なつかしくやさしい自然の音だ。
マンゴの木のなる家
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