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どうして毎日こんなに書くことがあるのかなあと思うのですが、今日はクラシカ・ジャパンで、ショパンコンクール2005で3位になった韓国のイム・ドンミン、イム・ドンヒョク兄弟を見ました。
兄弟で上位入賞というのも前代未聞ですが、またお兄さんと弟さんの演奏スタイルが違うのも面白いですね。お兄さんのドンミンさんはパワフルでボリューム感があり、フレーズを大づかみに作っていきます。ただちょっと粘着性というか、脂肪分過多の感じはします。
弟さんのドンヒョクさんは超絶テクニックの持ち主で、天才肌の才能が感じられます。ついポリーニを思い出してしまったのですが、高校生の時、ポリーニのショパンエチュードに衝撃を受けて、しばらくベッドに倒れていたことがありました。
ドンヒョクさんの演奏はシャープで現代的なので、ポリーニのように現代ものも手がけてほしいですね。私はお兄さんよりもドンヒョクさんに興味を引かれましたが、ご本人も相当の自信を持ってコンクールに臨んだようで、3位という結果には納得できず、なにか異議を唱えていたようです。彼は2001年のロン・ティボーコンクールで優勝した後、2003年の某有名コンクールで3位になったものの辞退したそうです。一位以外は欲しくないということなのでしょうか。
さて、ドンヒョクさんの演奏は、一位のブレハッチさんと何が違うのでしょうか。
たとえば、五連音符を弾く時、様々な弾き方があります。最初の音に重みをつけたり、いちばん高い音を長めにしたり、最後の音をどう処理するかなど、本当に無数の弾き方がありますし、また逆に5つを均等に弾くこともできます。このあたりで、ドンヒョクさんにはあまり工夫が見られず、突っ走ってしまうところがちょっと残念でした。あまりにも指が動いてしまうので、速く弾けてしまうのかもしれませんが。
その点、ブレハッチさんはすみずみにまで柔軟性があって、極上の羽布団のような暖かさとまろやかさがあったように思います。やはり優勝はブレハッチさんと納得してしまいした。
このブレハッチさんの音楽性は天性のものなのでしょうか。生まれ育った環境から培われたものもあるのでしょうね。ひとつひとつの音について考え抜くということも大切ですが、実際にこれをやっていると不完全恐怖症のようになって、指が硬直して動かなくなってしまいます。天才は考えるまでもなく軽々と、自然にできてしまうのでしょうね。
最近はアジアの中でも、韓国の躍進がめざましいクラシック界ですが、日本人は感情表現が抑制的なのに比べ、韓国では外に向かってストレートに感情表現をするので、西洋音楽は日本人よりも韓国人の方が向いているとも言われます。韓国と日本は同じ人種なのに、ずいぶん民族性が違っていて面白いですね。
でも西洋音楽は、ただ強烈な表現をするだけではなく、優美さや洗練も求められますので、最終的にどのようにまとめるかは本当に難しいですね。
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