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2011年のサイトウキネン・フェスティバルが終わりました。
今年のメインプログラムはバルトークの二本立てで、バレエ「中国の不思議な役人」と、オペラ「青ひげ公の城」でした。
3月12日に「中国の不思議な役人」の合唱のオーディションがありましたが、東日本大震災の翌日で、当日の夜明けに長野県北部でも地震があり、私たちは寝不足でフラフラになりながら、辛うじてオーディションを受けたのでした。大災害の中で歌どころではない状況でしたが、歌ってもいいのかどうかさえ判断できかねる呆然とした状態でした。東京へ通う電車「あずさ」が止まってしまったので、東京からの審査員も来ることができませんでした。
とにかく自分に出来ることをやるしかないと気をとり直し、4月から練習が始まりました。
今年はなんと歌う部分は19小節しかなくて、歌詞もないので、中国人が宙づりにされて光る場面の効果音なのかなあと思いましたが、全体を通してのクライマックスの部分で、中国人がやっと死ぬことができる(解放される)重要な役割なのでした。しかし吊るされたり、少女の助けを借りなければ解放されない主人公は哀しいなあと思ってしまいました。いかに解放されるか、そして解放された先に待つものは?その答えを失ったのが20世紀だったのですね。その答えを取り戻さなければなりません。
今回ははじめてオケピットに入って歌うという経験をしました。
何しろ狭くてたいへんだったのですが、サイトウキネンオケの演奏をじかに聴けるという貴重な体験でした。私たちの隣にベルリンフィルやボストン交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、スウェーデン王立歌劇場、トロント交響楽団、オランダ室内放送、リンツ・ブルックナー管弦楽団などの人たちがいて、その中で歌わなければならないんですよ! 私たちがどんなに申し訳ない思いをしたか、察していただけますでしょうか?
私の隣はなんとウィーンフィルのトロンボーン奏者と、ベルリンフィルのパーカッションでした。思い出しても冷や汗が出ますね! トロンボーンの楽譜を見ながら歌ったので、ちょっと助かりました。後ろの大太鼓からは、叩くと風圧が来てぐらぐらしました。狭いので楽器に触れないように注意を払いました。もし自分のお尻で楽器の振動を止めたりしたら大変ですものね!
というよーな最高に面白くて、苦しいような2週間の間に、リハーサル4回と本番を4回、無事に終えることができました。
小沢征爾さんは本番の初日と最後を振られ、今は静養中でいらっしゃいます。
また来年、お元気にお会いできることを楽しみにしております!
みなさまどうもお疲れさまでした。お世話になり、どうもありがとうございました!
今年は他にも「兵士の物語」やバルトークのピアノ協奏曲などを聴くことが出来て、音楽祭を堪能することができました。
サイトウキネンはコンサートだけではなく、若手音楽家の育成と、子供達に音楽の体験で「心の宝物」をプレゼントする活動を続けているところがすばらしいと思います!
どうかこれからも末長く続けてほしい夏の音楽祭です。
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