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ショパン・コンクールは5年に一度、ワルシャワでショパンの命日・10月17日をはさんで行なわれます。今年の結果は、1位がラファウ・ブレハッチ(ポーランド)、2位なし、3位に韓国のリム・ドンヒョク、リム・ドンミン兄弟、4位に日本の山本貴志、関本昌平、5位なし、6位が中国のカ・リン・コリーン・リーという結果でした。
地元出身のブレハッチさんの優勝は、1975年のツィンマーマン以来30年ぶりのことなので、地元では大喜びで、新聞の一面が記事で埋め尽くされていたそうです。しかし2位なしで、3位以下は全てアジア人。中村紘子さんによると、開催前から「東洋人のコンクールになってしまうのではないか」という不安が関係者の間で囁かれていたとのこと。これはショパン・コンクールに限らず、他のコンクールでも世界的な傾向です。とくに西洋と米の白人男性で、ピアニストを目指す人は激減しています。今回のショパン・コンクールも、予備審査をパスした80人の国籍は、ポーランド20人、日本19人が飛び抜けて多く、次いでアメリカ6人、韓国5人、中国、台湾、ロシア、カナダが各4人となっています。(性別はわかりませんが)フランス、フィンランドが3人、ドイツ、オーストリア、ベルギー等が1人というのは何とも少なくて寂しい状況ですね。
これまでのショパン・コンクールの優秀者には、ポリーニやアルゲリッチなどの巨匠がいますが、今回のブレハッチさんはいかがでしょう。早く演奏をきいてみたいですね。コンクールをききにいった戸引小夜子さんによると、ブレハッチさんは小品やドビュッシーを奇麗な音で弾くという評判で、オケとの共演ではオケが勝っていて、もっとフォルティシモが欲しい場面も多々あったということです。
日本人の入賞者のうち、関本昌平さん10才の映像が手に入りましたのでアップします。かわいらしいですね。でもとても音楽的に演奏しています。関本さんは桐朋女子高等学校からエコール・ノルマルに留学、2003年浜松国際ピアノコンクール第4位。第5回モロッコ国際音楽コンクールおよびメ・シュル・セーヌ国際ピアノコンクール優勝。これからが楽しみですね。
なお、今年のショパン・コンクールから「ナショナル・エディション」が使用推奨楽譜になりました。「ナショナル・エディション」は、ポーランドの国家事業として進められており、新しく発見された自筆譜などから、最新の研究成果が盛り込まれています。国家から任命されたピアニストのエキエルが編集責任者として45年もの間、作業を続けています。
しだいに楽譜の研究が進むというのは有難いことですが、ショパンをパデレフスキー版やコルトー版で聴き慣れた年代の人たちには、多少の違和感があるでしょう。ところどころ、音が改訂された部分があります。今までは「ウィーン原典版」が推奨されていたのに、これからはエキエルの「ナショナル・エディション」が常識の時代となるでしょうから、私たちも常に勉強していかなくてはなりません。ほんとに、音楽家は一生勉強なんですよね。
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