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   今日は森の中の美術館コンサートに行って来ました。須恵町の久我記念美術館、フルートとアイリッシュハープの演奏です。小さな美術館ですが、皆さんとても熱心に、楽しそうに聴いていらっしゃいました。フルートやハープのようなシンプルな楽器は、演奏技術や曲の構成よりも、楽器の音色そのものに聴き入ることができます。私はいつも音楽の意味や歴史、理論や技法について考えているのですが、そんなことはどうでもよくなって、忘れさせてくれるコンサートは有難いですね。ときどきフルートとハープの音程が合わなかったりするのですが、もともとケルトの楽器であるアイリッシュハープを12音平均率に当てはめる必要はないのですから、音程のことも気になりません。ちょっと残念だったのはエアコンの音です。ハープのかそけき音に聴き入っていると、どうしても暖房の音が気になってしまうのです。やはりケルトのハープを町の中で聴くのは難しいのかもしれませんね。
 今年もいろいろなコンサートに行きました。今までに数えきれないほどのコンサートに行きました。でも、今でもコンサートで驚くことがあります。今日のコンサートで驚いたのは、「盛り上がらない」コンサートだったということです。「盛り上がらない」というのは感動がないという意味ではなくて、音楽的に派手に圧倒しないという意味です。だいたいコンサートのやり方というのは決まっていて、最後の方に華やかなクライマックスを持って来ます。そうするとお客様が「うわ〜すご〜い」と感動する仕掛けになっています。ピアノという楽器も、じつはお客様を感動させるのは簡単で、最初は静かに始まって、だんだん盛り上げて行って、最後に圧倒的な指の早回しと大音量でグワーーーっと盛り上げ、最後にやさしく終わるとホッとしてカタルシスが得られることになっています。じつにシンプルな仕掛けです。
ところがフルートは単音だけですし、アイリッシュハープも大きな音量は持っていませんから、音量と技巧だけで人の感情に圧力をかけることができません。それで「盛り上がらない」コンサートであるにも関わらず、お客様が喜んで下さるというところが、私にとっては新鮮な体験でした。フルートの透明な音色やハープのやさしい響き、そして懐かしい歌のメロディーは、人々の心に染み入りやすいのでしょうね。
身近なところで楽しめるコンサートがどんどん増えるといいですね。

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