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天体と考古学

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 ストーンヘンジに行って来ました。じゃなくて、これは宗像ユリックスの写真です。春日市もそうでしたが、本当に各市に立派な文化施設がありますね。各自治体のハコモノ行政について、耳にしたことはありましたが、実際に行ってみると本当によく整備されています。あとは良いコンサートをなるべく安く聴けるように、ぜひぜひお願いしたいですね。ベーゼンドルファー・インペリアルがほとんど使われていないなんて、本当にたいへんな宝の持ち腐れですよ。宗像ユリックスにもベーゼンのフルコンがあるそうですが、どのくらい演奏されているのでしょうか。
 
 先日は「宗像見聞学講座」で、天文学者のお話が聞けるというので行って来ました。講師は東大大学院卒、福岡教育大学教授の平井正則氏。氏は小惑星を発見して、ヒライマサという名前の小惑星も存在するという世界的な天文学者であり、同時に宗像に関係した考古学も研究していらっしゃいます。題して「天体と考古学」。
 宗像には大和朝廷以前からの聖地として宗像大社があり、海上の大島に中社、さらに沖の島に奥社があります。宗像の突端にある神湊(こうのみなと)から、北の海を臨む景色は5〜6世紀と変わらず、当時宗像には、大陸の高い文化に接した人々の都があったのではないかとのこと。
その証拠として、宗像大社・中社・奥社を結ぶライン上に竹原古墳、やや近くに王塚古墳があります。これらの古墳は装飾古墳と呼ばれるもので、内部には原色で幾何学模様や壁画が描かれています。平井教授は、王塚古墳の天井に星図が描かれていることに着目され、高句麗古墳真は里4号の天井画と比較したところ、数値的にほぼ一致したそうです。氏の推理では、王塚古墳の壁画は、高句麗で天文学を学んだ画工たちによるものではないかとのこと。
不思議なのは、王塚古墳の天井画は模写が残るのみで、実物は保存していた福岡県が紛失したということ。先頃開館した九州国立博物館でも、王塚古墳の立体映像を体験することが可能なものの、天井は全く空白なままでした。この天井画が高句麗から伝わったということが証明されれば、飛鳥のキトラ古墳よりも早期に、朝鮮半島の文化が九州に痕跡を留めていることになるのですが、なかなか中央の学者さんたちは九州を認めてくれないそうです。

 また、北斗七星は北極星を中心に回転しているので、いつもその向きを変えているのですが、宗像の神湊では、毎年9月1日頃、北斗七星の柄杓の底が、海面に平行に浸るのが目撃できるそうです。平井教授はこれを壮大な「北斗の水汲み」と名付けていらして、なんと世界中で宗像でしか見ることができないそうです。この星座の動きをステラナビゲーター(バソコンのソフト)で見せて下さったのですが、ステラナビは何千年前の星の位置でも、瞬時に再現することができるので、ほんとにすごいですね。とても便利なソフトです。
北斗七星については私の知る限り、古代中国やバビロニアでも北斗信仰があり、これが日本に伝わって妙見信仰となっています。今でも北斗神社が各地にありますし、妙見という地名も珍しいものではありません。北斗七星は古代の宇宙論の根幹を示すと言えるかもしれませんが、今はその話題に深入りしないでおきましょう。

その他には、よく古墳から出土する青銅の鏡の文様について、天円地方(円は天を、四角は地を表す)や四神(四つの方位や季節を表す)の他、日時計が組み込まれているそうで、日時計の軸の長さから、2000年前の地軸の傾き23.9度であることがわかったとのことを興味深く思いました。2000年前といえばヘレニズム時代、アレクサンドリアの天文学が日本の古墳まで伝わったのでしょうか。

最後に質問をしてもよいとのことでしたので、早速お尋ねしました。
東アジアで最初に天文台が出来たのは7世紀の新羅ですから、当時の宗像は新羅の影響も受けたのではないかと思うのですが、平井教授は「新羅よりも高句麗の方が天体観測技術が進んでいた」との仰せ。何故かというと「北方の遊牧騎馬民族が影響を与えたため」だそうなので、それはスキタイ民族ですかとお尋ねすると、「然り」とのこと。
そして最後に最も面白いご回答をいただくことができました。騎馬民族が運んだ天測技術とは、メソポタミアやバビロニアのものかどうかお訊きしたところ、「それは大いにあり得ることですが、まだ証明されていません。しかし今までは、天測技術はメソポタミアと中国と、別々に発生したと考えられていたのですが、最近はメソポタミアのものが中国に伝わったのではないかとされるようになって来ています。」
これは初耳です。私も今まで、中国発祥の天文学があるのではないかと思っていました。しかし世界の天文学はただひとつ、メソポタミアからのみ始まったのかもしれません。
私はすべての文明の基盤となる技術は、天測技術ではないかと考えています。天測技術から天文学や数学、幾何学が生まれ、数比から音楽が生まれました。天文学の生みの親である占星術からは神学、哲学、医学、化学などが派生してきます。天体と音楽というのも決して無関係ではないのですね。
平井教授、面白いお話をどうもありがとうございました。今後のご活躍をお祈りしております。

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