カメラとビデオを棒にくっつけて

堀野 満夫(ポール写真家)My name is Mitsuo Horino. I 'm pole-photographer.

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〜オキナワシリアゲコバチについての記載紹介〜
オキナワシリアゲコバチは、その名から連想できるように、本来は暖地性だそうで、オキナワで最初に発見された種だからだと私は思っています。
近似種のシリアゲコバチに比べれば、日本の南部にやや偏った分布なのかもしれませんが・・・・。
 
私が 9年前にこのハチの産卵シーンを観察したことで記した当時の記事は、
特定の昆虫を紹介する記事を書き始めたころのもので、採用した生態写真も撮影枚数20枚以上の内の3枚のみです。
加えて余計な描写を記した文章も多いですが、今回は当時の記事をそのままにご紹介します。
 
未発表画像と、現在私が思うこのハチについてのお話は、改めて次回に紹介したいと思います。

心 に 残 る 昆 虫 (4)
 〜 オキナワシリアゲコバチ〜
堀野 満夫
 
 本号で先に紹介したミヤギノヨコバイカリバチがニュースなら、オキナワシリアゲコバチは、是非皆さんに知って頂きたい私にとって正に心に残る昆虫である。
 ハチ目は広腰亜目と細腰亜目に大別され、前者にはハバチなどが含まれ、後者には有錐類(ヤドリバチ類)とハチらしいハチである有剣類がある。
今回紹介するオキナワシリアゲコバチは、細腰亜目の有錐類に含まれるコバチ上科のシリアゲコバチ科の 1種だ。
シリアゲコバチは世界に約 100種、日本には 3種(シリアゲコバチ・オキナワシリアゲコバチ・ヒメシリアゲコバチ)しかいない少数派である。
 私が、日本蜂類同好会で紹介したのは、『オキナワシリアゲコバチの産卵』であるが、それは、フィールドで観察された状況報告にすぎない。
 
伊藤ほか(1997) によれば、オキナワシリアゲコバチは、本州・四国・九州・沖縄に分布し、コクロアナバチに寄生する。この2つの事実と、以後に記すコクロアナバチの生態とその獲物の生態(ここではツユムシのみを紹介した。)
プラス私の『オキナワシリアゲコバチの産卵』記事から、皆さんには、この『心に残る昆虫(4) オキナワシリアゲコバチ』を読んだ後に、その産卵行動の本質を考察していただく必要がある。
 
 岩田(1982) によれば、「コクロアナバチは、まず初めに乾いた竹筒とか立木に残された甲虫の旧抗をみつけ、イネ科植物の乾いた葉身を切断して搬入する。それを大顎でかみほぐして繊維塊をおしかためて、内部に小空間を一時封鎖した後、ササキリ・ツユムシ・キリギリス・ウマオイムシ・クツワムシ・カンタンなどを狩って運び入れ、獲物の前肢付根と中肢付根の中間に卵の前端を密着させて産み付ける。1卵のために3〜8頭の獲物を貯蔵する。」と記述されている。
 伊藤ほか(1977) によれば、ツユムシは、明るい草地や川原にすみ、背の高いヨモギの上などにいる。
年1〜2 化性、成虫期は平地で 7月と 9〜11月に卵を産み、色々な葉を食し、ブドウのフィロキセラ虫えいを中身ごと食べることもあるとのことである。
 
●オキナワシリアゲコバチの産卵(日本蜂類同好会会誌『つねきばち』  2004 年第 3 号 上から目線 に幾つかの記述を追加)
 近年稀な酷暑が続いた 2004 年の夏、私は涼を求めるように、和歌山県と大阪府の県境にあり、大阪府側(岸和田市)には小規模ながらブナの原生林が残る和泉葛城山によく出掛けた。
 2004 年 8月 1日の朝、私はいつものように牛滝川から少し標高を上げた舗装済の林道で、被写体(昆虫全般) を物色していた。
ここは、午前中の日当たりが良い場所で、多くのハチ目・ハエ目・キリギリス科の昆虫を見かける。
複数の個体が見受けられるジガバチなどをレンズで追う内に、体長1㎝程の初めて見受けるハチが、視界に飛び込んできた。
イタドリの枯れ枝だろうか、紫がかった直径 8mm程度のそれ(中空になっている)にハチが止まったかと思うと、産卵管をつき立てた。
私は、そのハチの体の仕組みに、この夏一番の驚きを覚えた。
 普通、産卵管は腹部先端の鞘内に納まって備わっていたり、毒針は腹部先端より飛び出てくるものだが、このハチは、なんと腹部が縦に割れ、内部付根下部から上部へと縦に巻くように納まっていた産卵管が、鞘を伴って現れるのである。(写真1)。
しかも現れた産卵管の後部には、筋が糸を引くようにあらわに見えた。
幸いその様子を、側部のみならず上部もアップで撮影出来たので(写真2)、その概観的な仕組みは、容易に見てとれるだろう。
産卵行動は、午前 8時 21分より1時間余りに渡って繰り返された(写真 3)。
その後は、ゆっくりとホバリングぎみに飛び渡り、獲物を物色しているようであった。
 羽田義任先生に伺ったところ、オキナワシリアゲコバチは、本来暖地性だが、本州のかなり北部まで分布しているとのことであった。
 
 以上の文章から考察していただくが、考察にあたっては、以前に当会会報で紹介された、平井規央氏の『寄生バチ・寄生バエから見た南大阪の“食物網”(4)』(第 5巻 第 4号 2003年 12月 13日発行)の記載や、天満和久氏の『チョウを奇主とするコマユバチ類』(第 5巻 第 3号 2003年 9月 27日発行)などの記載内容を思い出して頂ければ、答えを見い出しやすいのではないだろうか。
 
 参考までに私の素人考えを紹介しておく。
今回のオキナワシリアゲコバチの産卵行動から、コクロアナバチに寄生するには、次の3つのケースが考えられる。
① コクロアナバチが枯れ枝に営巣し、そこに生み付けられた卵に、直接またはその周辺にオキナワシ  リアゲコバチの卵が産みつけられて一次寄生する。
 (枯れ枝はコクロアナバチが獲物を運び入れるには細すぎて可能性は少ないように思われるが・・・。)
② 枯れ枝にツユムシなどの卵が産み付けられ、オキナワシリアゲコバチがそれに直接もしくはその周 辺に卵を産みつけて一次寄生し、寄生されたツユムシなどがコクロアナバチに狩られ、その巣の中で  オキナワシリアゲコバチの幼虫にたべられて二次寄生する。
③ 枯れ枝に産み付けられたオキナワシリアゲコバチの卵が、枯れ枝ごとツユムシなどに食べられて一次寄生し、寄生されたツユムシなどが、コクロアナバチに狩られ、その巣の中でツユムシごとオキナワシリアゲコバチの卵もしくは幼虫がコクロアナバチの幼虫に食べられて二次寄生する。
 
イメージ 1
写真1. オキナワシリアゲコバチ♀。腹部背面から現れた産卵管が白く見える
 
イメージ 2
写真2. 腹部背面に産卵管の納まっていた鞘がはっきりわかる。
 
イメージ 3
写真3. イタドリ?に産卵管を突き立てる
 
【引用文献】
伊藤修四郎・奥谷貞一・日浦勇 (1977) 原色日本昆虫図鑑 (下).保育社.
岩田久仁雄 (1982) 日本蜂類生態図鑑.講談社.
 
とまあ最後は結論づけず、クイズ形式的に終わっています。
 
次回は本種について簡単に調べなおして、誤ったと思われる点を訂正して、再度検証してみます。
 

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こいつ、八重山諸島にもいてますか?

2013/4/2(火) 午後 7:32 こじごろ2世

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こじころ2世さん、今晩は。
「こいつ、八重山諸島にもいてますか?」
というご質問ですが、文献やネットでの情報からすると、少なくとも沖縄本島には普通種としているはずで、日本本土にも青森までは分布するからには、八重山諸島にはキットいると私はおもいます。
多くの種のハチが良く集まる花の咲くところで、採集ネットを振ってみて下さい。

2013/4/2(火) 午後 7:58 [ 上から目線 ]


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