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〜オキナワシリアゲコバチの産卵(未発表写真)〜
さていよいよ今日は、オキナワシリアゲコバチの産卵シーンを撮影したおりの未発表写真の紹介です。
何はともあれ、まずは写真をご覧下さい。
産卵しようとする枯れ枝をのぞき込む
産卵管を刺す様子を斜め上から撮影
オキナワシリアゲコバチとシリアゲコバチの産卵時の変形を比較すると、オキナワシリアゲコバチの方が、腹部と前伸腹節がよりコンパクトになっています。シリアゲコバチの産卵管は(以下に紹介するシリアゲコバチの産卵動画を参考にすると)前伸腹節の背面内側を通り、連結部分(雄型)の上面から縦に巻くように通ってから前伸腹節下面へと突き出ているようです。オキナワシリアゲコバチの産卵管も同じ様に備わっているとすると、胸部以下がコンパクトで鞘も短かいので、シリアゲコバチの産卵管は両種の鞘の長さから想像される以上に産卵管がオキナワシリアゲコバチのそれより長く、営巣外側からより奥に潜む寄生対象に産卵できるように思えます。
産卵管を刺す動作の流れ ① 産卵管を刺す動作の流れ ② 産卵管を刺す動作の流れ ③ 各部位の名称 産卵管を刺すために特異な可動をする前伸腹節の秘密
産卵管を突き立てるには、まず前伸腹節と腹部の間の節から腹部が下方に折れ曲がる直前に前伸腹節が上下に割れ、中から連結部分(雄型)と記した部分が現れる。その際蝶番(ヒンジ)の役割をするのが腹部付け根の下部で、それを可動する筋と、産卵管を動かす筋がこの写真ではよく見えます。
産卵管が腹部先端ではなく、体の中心下部から付き出せることで、産卵管に全体重をかけて差し込むことができます。
その際、前伸腹節は、開閉式の雌型となり、腹部付け根の上部に見える瘤状の器官が雄型となっているように見え、瘤状の雄型は、卵のうの様にも思えます。
まず、オキナワシリアゲコバチより比較的観察例の多い近似種のシリアゲコバチについてですが、 楽天BLOGの『ハンマーの虫のページ』http://plaza.rakuten.co.jp/hammeratsannda/diary/200509050000/で、「私が通っている公園にかやぶき屋根の休憩所があって、その屋根でたくさんのハキリバチなどが営巣しています。そこへやって来ていたシリアゲコバチです。産卵管が背中側を向いているのが分かると思いますが、これが名前の由来です。
このハチはハキリバチ類の巣の外から産卵管を刺しこんで、中の蛹に産卵するそうです。」 と紹介されています。
更に動画の紹介です。↓
シリアゲコバチの産卵シーンの動画http://video.search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%B2%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%81%E3%81%AE%E7%94%A3%E5%8D%B5&tid=06cf3f3dd56eeace7068d2cea5aee07c&ei=UTF-8&rkf=2と私の撮影したオキナワシリアゲコバチの産卵画像から、このハチの産卵行動を想像してみて下さい。
私が先日紹介した〜蜂に寄生する蜂:オキナワシリアゲコバチ〜http://blogs.yahoo.co.jp/mushipro75/62522737.html内のシリアゲコバチの画像は、炭焼き小屋の前の積み上げられた炭の材料の木材(ナル)に寄ってきた個体を撮影したものです。
ナルには沢山のカミキリムシが産卵に来ます。先に産卵されたカミキリムシの幼虫が成長して成虫となって出る際に出来る脱出抗に営巣するハチ類の幼虫や蛹にシリアゲコバチが産卵することは可能でしょう。
シリアゲコバチは、北隆館の『原色昆虫大図鑑』では、オオハキリバチ・バラハキリ・ツノハキリバチ・シロオビツツハナバチなどに寄生すると記されてあり、保育社の『原色日本昆虫図鑑 (下)』には、ドロバチにも寄生することが記されていました。
ここでの問題はオキナワシリアアゲコバチが寄生する相手ですが、私が観察した枯れ枝には、保育社の『原色日本昆虫図鑑 (下)』に記されているように、はたしてコクロアナバチが営巣していたのでしょうか?
このハチの産卵シーンを観察した当時はまだ、産卵していた枯れ枝を持ち帰る事まで考えが及ぶほどの探求心に目覚めておらず、それが返す返すも残念です。
次に、オキナワシリアゲコバチの生息状況ですが、 平群庵ホームページhttp://www.hegurinosato.sakura.ne.jp/2bangura/vi_hachi/shiriage_okinawa.htmで、「シリアゲコバチに似た近縁のオキナワシリアゲコバチ、「オキナワ」とついていますが、私の居住地域では、このオキナワシリアゲコバチがシリアゲコバチより多く、シリアゲコバチは滅多に見られません。」と記されています。
私の観察例では、このハチは、〜チョウにもいた!!肉食系 男子&女子 その名はゴイシシジミ〜http://blogs.yahoo.co.jp/mushipro75/62462016.htmlで紹介したゴイシシジミを観察した場所(大阪府和泉市槙尾山:山全体が西国三十三霊場の 四 番霊場で自然が保たれています。)には、ヤブカラシが繁茂していて、その花にはハキリバチ類やドロバチ類・アシナガバチ類などが多数訪れ、オキナワシリアゲコバチも多数観察できます。(対してシリアゲコバチは、まず見かけません。)
このことから、オキナワシリアゲコバチはシリアゲコバチよりも訪花性が高いか、生息数が勝っているように思われます。
本来なら産卵管が長い種の方が寄生対象に産卵するのに有利なように思えますが、もしオキナワシリアゲコバチが本来本州では在来?のシリアゲコバチを凌駕して勢力を拡大しているとするなら、その原因としては、
① 卵を産む数に大きな差がある。
② オキナワシリアゲコバチはシリアゲコバチよりもより多くの有剣類のハチを寄生対象にしている。
③ 世代交代のサイクルが早い。
④ 寄生対象を探す能力がシリアゲコバチより高い。
⑤ シリアゲコバチを駆逐する。もしくは、シリアゲコバチと混血する。
などの理由が考えられますが、はたして真相はいかがなのでしょう。
次回は、おまけとして、〜オキナワシリアゲコバチの身づくろい・後脚の可動域(未発表写真)〜をご紹介します。 |
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