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〜高野山開創1200年:壇上伽藍 中門の四天王像〜
サブタイトル:オヤジブログは自由だ!和歌山編
再建された壇上伽藍の中門には4体の仏像が安置されました。
一見すると壇上伽藍の外側に向いて睨みを効かす持国点と多聞天は地味で、壇上伽藍の内側を向いて睨みを効かす広目天と増長天の方が力強く美しい像であるために多くの方が目を引かれるのは広目天と増長天だと思われます。
しかし歴史的文化財として価値が高いのは、地味な持国点と多聞天なのです。
これら4体の四天王像は、平成26年10月23日から24日にかけて中門に運び入れられました。
従来、中門には持国天と多聞天の二天王が安置されていましたが、文化6(1809)年に起こった火災で焼失。その後、文政3(1820)年に中門が再建され、二天王も新たに造立されましたが、23年後の天保14(1843)年、再び火災に見舞われ中門は焼失してしまいました。しかしこの時二天王は救い出され、損傷の修復を受けた後長らく西塔に仮安置されていました。そして平成11年に根本大塔へと移され、現在に至っていました。
そして今回の172年ぶりの中門再建により、この二天王は再び中門に安置されることになったのです。
加えて、平成の大仏師・松本明慶の手によって現代ならではの作風に仕上げられた広目天、増長天の二天王が新たに中門に安置されることになり、平成の中門には四天王が揃うことになったのです。
約2年の歳月をかけて新たに制作された広目天と増長天は質の良いヒバの木で制作されており、高さ4.3m、1体1t程の重量があります。胴体の安置はクレーン等を使用して、手や頭の取り付けは手作業で行われたそうです。
【ヒバ材の特徴】
木材は淡黄色で,早材から晩材への移行は緩やかであり,年輪はとくにはっきりとしているとはいえない。辺材と心材の色の差もあまりない。気乾比重は0.45(平均値)で,材はやや軽軟,特徴的な匂いがある。心材部分の保存性が高く,よく水湿に耐える。また,ヒバ材の特徴として,抗菌性のあるヒノキチオールが存在することが挙げられる。なお,日本産の樹種ではヒノキチオールは,ヒバに含まれており,ヒノキにはない。もともとはタイワンヒノキで発見されたもの。
これら重量ある四天王に踏まれているのは邪鬼。顎のデザインや浮き上った血管、表情が踏ん張っている姿をよく現しています。この邪鬼は、通路の方向に顔を向けて作られているため、中門をくぐる度に邪鬼ににらまれているような気分になります。
天保14(1843)年の火災による焼失をまぬがれた持国天と多聞天の二天王は、中門再建にあたり京都の作業場において一度解体され、7回漆をぬられた後、再び高野山に戻り安置されました。
10月24日に四天王像が安置された後、中門において「大伽藍中門 四天奉安御法楽」が執り行われました。そして四天王の周囲には白い布が取り付けられ、平成27年4月2日の開創法会初日に執り行われる「開創大法会開白・中門落慶大曼荼羅供」にその全貌が始めて公開されたのです。 四天王の大義名分は仏法守護(悪いものを寄せ付けない)です。開創1200年を機に揃った四天王が大門の仁王像と共に、これからの高野山を、護(まも)ります。 |
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