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〜黄金色に輝く白化型のチョウ その2〜
前日のブログの続きです。
私は、2004年4月25日に、黄金に輝くベニシジミ白化型を発見・採集しました。
喜び勇んで、所属していた昆虫同好会の定例会に出席し、少なくとも私より遙かにチョウをよく知る会員が静かに着席する中、小学生が授業中に質問するかのよに私は立ち上がり、チョウ学会会長の石井 実教授に、白化型発生の原因をおたずねしたのです。
すると「結論から言えば、白化型は劣性の遺伝形質が発現したものです。」と石井教授のクールなお答えの
すぐ後、
門下の平井 規央准教授が、「ベニシジミを飼育されている愛好家がいて、そうした所で育てられた個体の中には、白化型が、少なからずいました。」と述べられ、
これを受けて更に石井教授が「個体群が縮小したためでしょう。」と補足説明を加えられました。
先生方による一連のお答えは、あまりにも私の思いとは裏腹で、もうガッカリです。
えっ?何を期待したかって?うーん・・・科学者の分析は、悲しいほどクールです。
「それはスゴイですね。」なんて言ってくれませんよね、科学者は。アハハハーッ。
これって聞くは一時の恥か?
私レベルの方は少ないと思いますが、先生方のおっしゃっている内容を私なりに説明します。
日本では法律で、近親者同士の結婚は禁止されていますよね、これはそうした夫婦の間には、先天的に障害をもつ子供が生まれる確率が高くなるからですが、
人がチョウなどを繁殖させる場合、どうしても限られた数の中で世代交代が繰り返されるため、近親結婚と同じことになり、奇形(染色体異常)が高い確率で発生することを指し示しておられるのです。
その他、当時ベニシジミ白化型の記事を投稿するにあたり、入門書からの知識と、チョウをよく知る方々から得た情報を簡単に紹介します。
①ベニシジミには、春型と夏型があり、夏型は春型より黒っぽい。
②ベニシジミ白化型の大多数は、春に発生する。
③チョウの翅の色彩異常には、白化型以外に黒化型がある。
④翅の黒化は、サナギから羽化する際に翅の翅脈(植物の葉の葉脈のような部分)に傷を負ったり、 なんらかの原因で翅脈にピンホール(小さな穴)が空いてる場合、羽化時に翅を伸ばすための養分が行き届かないために起きる。
①〜④の情報に加え、白化型は、人為的に発生させることができるという情報がありました。
人工繁殖は、その一例になりますが、
他にもサナギを一時期冷蔵庫に入れることで白化型が発生するというのです。
でも、そんなことしないで下さいね。 いくら白化型が美しくて珍しいからといいて、それを目的に飼育することは大いに問題がありますし、それを野に放つのは、更に問題があります。なぜなら、あるがままの生態系に悪影響を及ぼすからです。
文末に私の想像を記します。
サナギを冷蔵庫に入れることで白化型が発生するのなら、自然環境での白化型の発生は、サナギ期に(死なない程度に)気温の極端に低い日があった場合に、白色型が発生するのでは?
これについて[sakaku]さんのコメントで文献を紹介してしていただきましたので、下記をご覧下さい。
もっと言うと、本来は黒っぽい夏型も、冷夏の年には春型のような個体が現れるのでは?
いや、冷夏といえども、早春ほど寒くなることはないな。と思うのです。
引用文献
私の記事(2005) 心に残る昆虫(5) ーベニシジミ白化型ー.南大阪の昆虫 7(3) 16-17
写真は、ベニシジミの夏型と春型を紹介したかったのですが、夏型の写真がありませんでした。
そのかわりに、春型と夏型が大きく異なる、トラフシジミを紹介しておきます。
写真1
ベニシジミ春型
写真2
トラフシジミ春型
2013年3月3日現在Yahooブログ内に69件ヒット
トラフシジミ全体のヒット件数は400件
写真3
トラフシジミ夏型
2013年3月3日現在Yahooブログ内に71件ヒット
今回のブログ内容に対して 以下のコメントをいただきました。
専門的な知識を知りたい方は参考にしてください。
[ sakaku ]さんより
標本写真は全体的に黄色になってますね、自分が撮った写真は吸蜜写真のように翅の基部が黄色で他は白く、裏面もほとんど白かったです。
2年前には同じ「むしの会」の人が同じような場所で採集されてます。 ヒョウモンチョウでは部分白化が出てる写真も持ってます。 白化(アルビノ)はどんなものでも出ますから、特に花は多いですね。 自分は劣性遺伝など関係なく異常型としてますが、珍しいですからマニアには人気がありますよ。 異常型は色々な種類で出ます、色がまったく違うもの、斑紋に異常があるものなど、でも異常型は人工的にも作り出すことができます、それをドイツの学者が発見してます。 蛹が受けたときの温度が関係してるのがわかってます。 これはドイツの作家、フリードリヒ・シュナックが「蝶の不思議の国で」の本の中で詳しく書いてます。 西洋では蝶蛾の言葉がないので、日本語訳の人が付けられた題名でしょうが。 [ショルティア ]さんより
翅色のもとになるプテリン、花に色を付けるアントシアニンなどは、合成経路のどこかが壊れて色が出なくなったり、薄くなったりしても、生きるのに支障がないので、変異の中でも「白化」は起こりやすいと言えます。
観察会をやっていると、白花は珍しいとわざわざ探す人もいますが、これで繁殖がうまくいかなくなれば困るんじゃないかと、私などは心配してしまいます。 合成経路が障害を受けた場合、全くできなくなることもあれば、温度感受性が発生することもあります。例えばシャム猫の耳や鼻先が黒いのは、メラニンを作る経路のどこかが温度感受性になって、高温だと働きが弱くなるため、温度の低い末端だけが黒くなるのです。 生きるのに必須のものが作れなくなれば、生まれる前に死ぬので、珍しい色を楽しむのもいいんじゃないでしょうか。ベニシジミの白化にも、いくつか違うパターンがあるはずですね。 追伸ですが、先生たちの言葉は、素人に対してはちょっと足りないですね。
まず劣性遺伝:ふつう生物は遺伝子を2組持っているので、一方が壊れても、もう一方で補える。白化は色素合成の欠落だから、正常な個体でも一方が壊れていることはある。しかし壊れた遺伝子が2つそろったら、表現型として表に出る。これがメンデル遺伝の優性・劣性の中身です。 個体群の縮小:昆虫は1ペアからでも増やせますが、そうすると、たまたまその1ペアが隠し持っていた、壊れた遺伝子が2個揃った個体が生まれる確率が高まる。近親交配で異常が出やすいのも、同祖遺伝子(元は同じ遺伝子のコピーだったもの)を2個もらう確率が高くなるからです。 劣性遺伝子は表面から見えない形で、集団中に溜まっていく傾向があるので、少数個体から出発した飼育の場合、表面に出やすくなる。 生物の形は、自然淘汰がかかって一定の「色・形」の範囲に保たれているとすれば、そこには意味があるはずで、珍しい色・形は、自然界では不利になるはず、ではないでしょうか。 |
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