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〜空飛ぶ生きた化石(ムカシトンボ&ムカシヤンマ)〜
私たちがよく知る昆虫の中で、もっとも古い時代に出現したのがトンボで、
その次ぐらいに来るのがバッタ、最後に現れたのがチョウ・ハチです。
これは、昆虫と植物のかかわりからも理解できます。
人が出現した新生代より遙か昔の中生代前半(三畳紀・ジュラ紀)の植物は、裸子植物の繁栄期で、
肉食性のトンボや草食性のバッタに合った時代でした。
中生代後半の白亜紀になって被子植物が発生・繁栄して、その花にチョウやハチが恩恵を受け、見返りに受粉の役割をにない、果実を実らせる相互関係が成立する時代になったのです。
(その実は、鳥や動物に食べられて、種が排泄物と共に離れた土地にまかれる。)
難しことを言いましたが、要はトンボが昆虫の先駆者で、そのもっとも古い特徴を残すのが、
ムカシトンボやムカシヤンマで、生きた化石と言われる訳です。
ムカシトンボの幼虫は、羽化を迎える年、河川より離れ、沿岸の地中で待機しているそうです。いかにも生きた化石らしい習性ですね。
一般的なトンボと異なる生きた化石の身体的特徴として、普通のトンボは後翅(うしろのはね)が前翅より幅広の形状になっているのに対して、生きた化石トンボの翅はイトトンボやカワトンボの様に、4枚とも同じ形状をしています(ホバリングが出来ないそうです)。もっと言えば複眼や翅脈の形状や生殖器が違うのですが、興味のある方は調べて見てください。
ムカシトンボは幼虫期(ヤゴ)を7年も過ごす(一般のトンボは1年)と言います。その長い間、生息地の河床が変わらず守られなければなりません。一度生息が途絶えれば、二度と帰らないデリケートな存在なのです。
追伸
ムカシトンボ亜目は、これまで、日本とヒマラヤ地方にのみ産するとされてきましたが、近年中国黒竜省でも新種が発見されたそうです。
今回のブログを紹介するために、Yahooブログ内を「ムカシトンボ」で検索して訪ね回ったところ、
カワトンボ・ハグロトンボ・サナエトンボ類・ムカシヤンマなどを
ムカシトンボとしているブログが多数ありました。
2013年3月17日現在Yahooブログ内に137件ヒットの内、少なくとも半数は、本種でない気がします。
加えてヤゴのみの紹介も多かったのですが、これの真偽については、私の守備範囲外です。
【引用文献】
山本哲央ほか(2009)近畿のトンボ図鑑 定価3500円+税
トンボに興味のある方には、一押しです。
山本哲央さんは、私の知人です。生態写真や標本写真も他社の大図鑑に勝るとも劣らない素晴らしい図鑑です。 ムカシトンボ♂
このトンボを観察したことがある人から見ればヤラセのように見える写真ですが、
本当にこの状態で沢沿いの草むらにいたんです。どうしたんでしょうね。
2013年3月17日現在Yahooブログ内に137件ヒット 体長 46〜53mm。出現期 4月中旬〜6月上旬
【生息環境】
山地の河川源流域。
【分布】
日本の特産種。北海道・本州(千葉県を除く)・四国・九州に分布
河床の安定したまとまった山塊に分布し、六甲山系にはほとんど見られない。 ムカシトンボ♂上面
ムカシトンボ♂側面
ムカシトンボ♀側面
ムカシトンボ♀尾端側面 ムカシトンボ♂尾端上面
ムカシヤンマ♂上面
2013年3月17日現在Yahooブログ内に121件ヒット 体長 63〜72mm。出現期 4月下旬〜8月上旬
【生息環境】
樹林の多い丘陵地や、山地の滲出(しんしゅつ)水のある傾斜面周辺。
【分布】
日本の特産種で、本州(千葉県を除く)・九州に分布し、四国には記録がない。
ムカシヤンマ♂上面
ムカシヤンマ♂尾端上面 ムカシトンボ頭部 ムカシヤンマ頭部
この2種の複眼の色なんですが、どちらも生きた状態の眼の色なんです。
ムカシトンボが死ぬとムカシヤンマの眼の色に近いのですが、どうして生きた状態でこれほど眼の色が違うのでしょうね。
私の素人考えなのですが、薄暗い林間を飛び回るムカシトンボは、眼を保護する色素が少なくても大丈夫ですが、明るい丘陵地にも現れるムカシヤンマは、光線をカットする色素が必要なのかも?
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2013年03月17日
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