|
〜オトシブミの揺りかご作り(全行程完全紹介)〜
★揺りかご作りを全行程撮影し!各シーンを丁寧に解説しているのは、ここだけです!★
今回はオトシブミ科の一種、ヒゲナガオトシブミの揺りかご(巣)づくりをご紹介します。
オトシブミは、甲虫のゾウムシ上科オトシブミ亜科に属し、日本に22種(23種)が生息します。
では世界ではと言うと、400種以上と紹介されているネット上のページがあります。
「落し文」「揺りかご」、なんとも古(いにしえ)の風情(ふぜい)ある表現が使われるこの甲虫。恐らくこの呼称は、遠い昔から人々から愛すべき昆虫として認識されていた証拠でしょう。
私も甲虫の中では、この仲間が一番好きです。
実際、オトシブミの揺りかごを作る様子を紹介するページは、Yhooブログ内で17件、あるようです。
その中でも当ブログは、ピカイチ、ナンバーワン(№1)でしょう。
どうぞご覧下さい。(写真紹介後、全体の流れを文章で説明します。)
ヒゲナガオトシブミ♂
2013年4月8日現在Yahooブログ内に35件ヒット
ヒゲナガオトシブミの揺りかご(営巣)作り
巣作りをするのは、当然産卵する♀。
(♀は♂のように頭部が長首ではない。)
①後で切り離す箇所を主脈部分を ②上部では主脈から離れて支脈を切る 残して切り分ける
③最 上部以外では主脈と支脈の枝分かれ部分を上部から順に筋を切る
④下部から順に主脈の筋を切る ⑤支脈がうまく切れているか試す様に 数回に渡って煽るように折ってみる
⑥最初に折り込みを入れる ⑦下部から順に巻き始める
⑧揺りかごの幅より葉が広い所では ⑨ここで巻いた部分の真ん中に
再度折り込む 切り込みを入れる
⑩切り込んだ所から巻いた葉の中に卵を産み付ける ⑪産卵の後、再び巻き始める ⑫葉が一番広い所で止める
⑬揺りかごより広い分を再び折り込む ⑭折り込み側も止める
⑮再び巻き始める ⑯これで巻き終り
⑰巻きに残りの部分を裏返し被せる ⑱ 裏返し被せ終わると蓋になる
⑲ 完成した揺りかごを切り離す ⑳ 揺りかごは落下
オトシブミの仲間には、揺りかごを最後に切り落とす種と、切り落とさずにそのまま枝にぶら下げておく種がいますが、ヒゲナガオトシブミは、切り落とす種です。
揺りかご作りの工程を順を追って、説明しましょう。
①
本種の♀は、素材となる葉に取り付くと、まず揺りかごに使用する部分と上部の不要部分を(葉脈の)主脈を残して切り分けます。
これは、揺りかご完成後に切り落とすには、主脈だけを切れば良いといいう合理性があり、巻き上がった揺りかごに最終行程として蓋をするにも切り分けておくことは必要です。
②
次に揺りかごとなる部分の上部だけ、主脈から離れた支脈を切ります。
これは、最後に蓋となる箇所で、蓋となる部分を裏返して被せるおりに、支障となる筋をきっておくのでしょう。
③
主脈につながる支脈の基部の筋を切ってゆきます。上部から作業を始めているのですから、この工程は当然上部から下部へと順に行われます。
揺りかごは、葉を縦に二つ折りにしてから巻いてゆくので、二つ折りにするのに必要な工程です。
④
支脈の基部を下部まで切り終えると、今度は主脈の筋を下部から上部へと細かいピッチで切って行きます。
これは、素材の葉を葉巻状に巻くために必要な工程です。
⑤
支脈の基部がうまく切れているかどうかを確かめるように、左右6本の脚を使って、強力で二つ折りにします。これは、一回の動作では、また葉は戻るので、折る事を繰り返すとあおっているように見えるのでしょうが、実際は、数度折る動作を繰り返すことで、しっかりとした折り目をつけているのでしょう。
⑥
折りを確認すると下部へと移動し、最下部より巻きを開始するのですが、葉を二つ折りにした際の主脈側と反対の外縁側にまず折込を入れます。これは、ただ巻くだけでは揺りかごの中心に卵を産み付ける空間が出来ないので、育房空間を作るために必要な工程なのでしょう。
⑦
いよいよ巻き上げ始めます。
⑧
揺りかごの幅は、本種の体長の約2倍で、この幅に合わせて、巻くには葉が中間で幅が広くなっている箇所では再び折り込みを入れます。更にこれによってこの時点で巻きがまた広がって開かなくなします。
⑨
⑧を行った箇所で、固定された巻きの部分の中央に顎で垂直にスリット(切り込み)を入れます。
これは、産卵口です。
⑩
産卵口(スリット)に腹部を押し込み、巻き内部の育房空間に産卵します。卵は1個です。
⑪
産卵の後、再び巻きはじめます。
⑫
葉が一番広い箇所で止めを入れます。
⑬
今度は反対側(葉の外縁側)に移動して、巻き幅より広い余剰部分を折り込みます。
⑭
しっかり折り込むと巻きが固定されて、巻きの左右両側に開口部はなくなります。
⑮
再び主脈側に移動し、巻き上げを再開します。巻き上げる動作は常に主脈側です。
(主脈が葉脈の無い外縁側より硬いので、主脈側を力点として巻き上げるのは当然でしょう。)
⑯
本種の体長ほどを残して葉の巻上げが終了します。
⑰
巻き部分以外の余剰部分を、その主脈部分を中心にして裏返します。
⑱
裏返し終わるとキャップで蓋をした状態で、巻きが広がり戻らないようにしっかり固定されます。これで揺りかごは完成です。
⑲
完成した揺りかごを切り離しにかかります。
⑳
最後に揺りかごは切り落とされます。
(結果)
揺りかごは地面に落ち、♀はそれを気にすることもなく飛び去ります。
【感想と考察】
私の観察例では、揺りかご作りの工程は、15時6分〜16時31分の延々 85分にも及びました。
当事者のヒゲナガオトシブミの♀は大変でしたでしょうが、これを撮影した私も大変だったのでは?とお思いかもしれませんが、夢中で撮影したせいか、楽しさこそあれ、苦は全く感じず、撮影を終えて思いもしなかった時間が経過していたことに、むしろ驚いたくらいです。
ところで、オトシブミの仲間には、揺りかごを最後に切り落とす種と、切り落とさずに枝に吊り下げたままにしている種がいます。
切り落とす種は何を思い切り落とし、切り落とさない種は何を思い切り落とさないのでしょう。
外敵から子を守る意味からは、どちらが有利なのでしょうか、
私的には、ぶら下がっている方が、寄生バチなどにみつかり易いきがしますが、落としてしまえば、陸上性の敵の餌食になり易い気もします。
うーん、それが問題だ!まじめに考えると眠れなくなりますね。
どなたかこの疑問に答えて頂けませんか?
それにしてもこの甲虫、親から習いもせずに本能だけでこれだけの匠の技が出来るなんて、
そもそも本能ってどうやって身につくの?
この疑問にも誰か答えてほしいなっ!!
以上でこのブログは完成ですので、紙を裏返して蓋をしようかな。 |
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]




