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〜明日香村:八釣に残る大和棟造りの屋根は神殿造りのよう〜
サブタイトル:オヤジブログは自由だ!奈良県明日香村編
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私は飛鳥資料館の庭に配置されている多数の古代石造物のレプリカを見て回る中で、八釣マキト5号墳の複製があるのを見て、ぜひとも実物も見たいと思い、資料館を出ると早速に明日香村大字八釣(やとり)に向かいました。
八釣マキト5号については後日ご紹介するとして、途中に昔ながらの風情ある民家を見つけ、撮影しました。
当日は何も知らずにただ たたずまいに引かれて撮影したのですが、調べてみると、以外に多くの人が撮影していて、その画像がネット上で見られます。
その民家は、大和造りという形式のものだそうで、知る人ぞ知る風景カメラマンにとって格好の被写体だということを知りました。
新大和棟の家 - niftyによると、大和棟造り」(「高塀造り」と呼ばれることもある)は、奈良盆地から河内平野にかけて広く見られた。その特徴は、急勾配の茅葺き屋根と一段下がった緩い勾配の瓦屋根の2つの尾根で構成される。茅葺き屋根の下には居室があり、瓦屋根の下は土間とかまどがある。瓦屋根には、煙抜きのために小さな越屋根がつく。緩急の勾配屋根と白壁で構成された気品あふれる外観が特徴。最近では、茅葺き屋根が防火上の理由や職人の減少によって金属板にとって代わってきている。 集落や民家を中心に撮影している方なら、こうした大和造りの民家のある場所はほぼ把握している方も多いのでしょうが、今回こうした民家が極めて貴重だと知ったからには、私も今後は見つけしだい撮影しておかなければと思いました。
なにより、以下に紹介する民家の屋根棟は、〜初詣:伊勢神宮遥拝所と式年還宮(2014年1月4日)〜でご紹介した纒向遺跡(まきむく)の神殿造りの基になったと思われる建物の復元CGの外見にも似ているように思えます。
そして一番下の画像に移る茅葺屋根も貴重ですし、蔵の屋根形式も確か〜富田林市寺内町をトンボ目線で:橋本家住宅 (屋号は別井屋:酒造業)〜でご紹介した置屋根になっていて、傘のように蔵の上に乗せただけのように見える屋根になっていますね。
どれも良い造りの建物です。
「八釣」の地名は、中世まで「やとり」と呼んでいたことが文献に残っているとされています。
この「やとり」は古代の職業名の漢織(あやはとり)を簡略したものだという説があります。
香久山の南北に「八釣」と呼ぶ地域があり、朝廷の衣裳を縫っていた人々が住んでいたことがわかっており、この地域の北を「下八釣」と呼んでいたとのことです。
(「かしはら町名考」より)
八釣に残る大和棟造り民家1
他の撮影者も記していましたが、
電線や赤い消化BOXが無かったらもっと絵になるのに・・・・と思いました。
八釣に残る大和棟造り民家2
かなり傷みが目立ちますが、楕円形にくり貫かれた白壁の塀も風情豊かです。
できるならば、永く残しておきたい風景です。
八釣に残る大和棟造り民家2
神殿栗造りを思わせる画面中央の茅葺屋根は貴重です。
加えて
蔵の
屋根
も 笠
のように蔵の上に乗せただけのように見える
置屋根になっています。
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2014年10月24日
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〜明日香村:須弥山石の形は陽石、用途は噴水〜
サブタイトル:オヤジブログは自由だ!奈良県明日香村編
−明日香村の石造物−
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前回ご紹介した石人像と同様、今回の須弥山石(しゅみせんいし)も1903年(明治36年)に、明日香村石神地区にある田の土中(現在の石神遺跡)から掘り出されたそうで(飛鳥資料館の西南600m)、やはり重要文化財に指定されているそうです。
まずは明日香資料館に展示された須弥山石と、それと共に展示されていた須弥山石の構造を示したパネルの図をご覧下さい。
上・中・下三つの石は、いずれも内部をくり抜いてある。底から水を引き上げて、下の石の中にため、小孔から四方は噴き出させるようになっている。
中の石は、下の石と直接つながらず、間にもう1石あったらしい。また下の石の底面の構造から、別の石の上に乗っていたことがわかる。
続いて飛鳥資料館の庭に設置されている須弥山石のレプリカをご覧下さい。
下部には幾つも孔があいており、そこから水が噴出しています。
レプリカの須弥山石レプリカの下部から水が出ているのが見えると思います。
そうです。前回ご紹介した石人像と同様に噴水構造になっているのです。
ポンプにない古代に、どのような仕組みで水が出るのか興味のある人もおられるでしょう。
須弥山石の説明板
この説明版にある「須弥山石復元模式図」でわかることは、須弥山石より高い位置にある水槽のような物から須弥山石下部へと水が流入すると、水位差から位置エネルギーが生じて水が押し入れられ、水が内部に溜まった時点で複数ある孔(あな)をふさいでいた止水栓を抜くと、水が噴出するというものらしい。更には導管には噴水の勢いを調整するバルブの機能まで備えていたとは。
5日のニュースで 久慈という字を見て 4月半ばに購入した「シルクロード渡来人が建国した日本」 久慈 力(くじ つとむ)著という本のことを思い出した 。
(一言:以下の『』はこの本の中の各項目だと思われます。)
石神遺跡からは、須弥山像や石人男女像が発見されている。これも「石と水」の技術であり、全体が噴水機能を持っているのである。噴水の技術は、中国や朝鮮ではほとんど見られない、メソポタミアやヨーロッパの技術である。 〜 P78
『噴水機能を持った須弥山像はペルシャ文化の影響か』より
・・・・・須弥山像は本来は須弥山檀という五段からなる、あの世とこの世の境界石であっただろう。仏教の五輪塔婆の前身だとされる。仏像を安置する台座のことを須弥座といい、大きな環状に造られた台座を須弥檀という。常識的には須弥山像はインド文化、仏教文化の産物と考えられている。須弥山とは、ヒンズー教的あるいは仏教的世界観からきているとされ、インドにある世界の中心にある山で、その頂上には帝釈天が住む天宮があり、その中腹には四天王が住むという。
松本清張は須弥山像に関連して「噴水とはまことにイラン的である。砂漠に囲まれたオアシスでは、何よりも水に感謝し、水によろこびをおぼえる。噴水は水の饗宴の一つである。」と『火の路』の中で展開している。また、須弥山については、その原義である。「天山」のことであり、中国と西域の間にそびえる天山山脈のことだろうと述べている。
しかし、須弥山はもともとはシュメールの山と読める。その語源は最高の山を意味するスメルから来ており、天皇を意味するスメラミコトと同じ語源である。そしてスメラミコトとは古代イスラエルの「サマリアの皇帝」を意味し、サマリアとは北朝イスラエル王国の首都であった。須弥山は君主の権威を象徴するものに転化したのだろう。
いずれにしても、漏刻や噴水石像のようなめずらしい技術は、西アジア起源のものであり、中国や朝鮮などの使節や蝦夷や粛慎などの異民族を饗応するには、あるいは須弥山像などによって飛鳥王朝が世界の中心にあるとして、日本の天皇、日本のスメラミコトの権威を内外に示すには、最適であっただろう。 P81〜2
と紹介されていました。
思うに、上の「須弥山石復元模式図」のように、水位差のある水槽から須弥山石へと水を流し込まなくとも、上流から下流へと一定の流速をもつ川の水を直接流し込んでも、噴水にはなるでしょうね。
更にhttp://ecru.dtiblog.com/?mode=m&no=386には須弥山についてのこんな記述が。
(須弥山儀)
・・・・・・須弥山の須弥とは梵字「Sumeru」(スメール)の音写で妙高と訳される。 古代インドの宇宙観で、一須弥世界の中心にある高山を指す。 仏教ではこの須弥山説を踏襲しており、 江戸末期にはこれを一般に易しく理解させるため、 リンが鳴り太陽と月が時計仕掛けで動く模型を考案した。 これが「須弥山儀」である。 仏教宇宙観は「倶舎ぐしゃ論」(5世紀頃、世親作)に詳しく、 それによると宇宙空間(虚空)には巨大な風輪が浮かんでおり、 その上に水輪が、さらにその上には金輪(こんりん)が浮かんでいる。 水輪と金輪の境目は「金輪際」と称され、金輪上には海水が満ちてあり、最外周は海水が流出しないように鉄でできた鉄囲山(てっちせん)で囲まれている。金輪の中央には金・銀・瑠璃・玻璃の四宝でできた須弥山がそびえ立っており、その高さは海抜8万ヨージャナ(1ヨージャナは約7Km)。その周辺を九山八海(くせんはっかい)が交互に存在し、八海には八功徳水(はっこうどくすい)が満ちている。海中の四方にはそれぞれ東勝身洲(とうしゅうしんしゅう)、南贍部洲(なんせんぶしゅう)、西牛貨洲(さいごけしゅう)、北倶廬洲(ほっくるしゅう)の4島があり、我々人間は南方の贍部洲に住んでいる。ただし、この地下には恐ろしい八大地獄が待ち構えているという。この贍部洲のみを模型にしたものが「縮象儀(しゅくしょうぎ)」であり、本学大宮図書館に一基のみ存在する。江戸末期、西洋の地動説が広まることにより、仏教の権威が失われることを誰よりも危惧したのは仏教界であった。殊に天台宗の普門律師円通は『佛國歴象編』などを著し、仏教界の危機意識はあまりにも低いと憤慨し、仏法護持の信念を述べている。円通の揺ぎない梵暦普及の精神は、彼の高弟である天竜寺の環中禅機、その孫弟子である萩の永照寺倶舎晃厳らによって引き継がれた。・・・・・略・・・・・ 〜 (文・青木正範 大宮図書館司書) 広報「龍谷」より (龍谷大学) http://www.ryukoku.ac.jp/about/pr/publications/63/05_treasure/index.htm |
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