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〜カマキリの釜(カマ)は脛節(けいせつ)が進化したものです。〜
日本最小のカマキリと№2→ヒナとヒメ 久々の昆虫についての記述です。
カマキリの一番の特徴は、何と言っても前脚が釜(カマ)になっていることですよね。
そもそも昆虫の脚は、前脚・中脚・後脚の全てが、附節(ふせつ)・脛節(けいせつ)・腿節(たいせつ)・転節(てんせつ)・基節(きせつ)という部位に分けられます。
この4つの部位に分けられる脚のうち、カマキリの前脚は、脛節(けいせつ)が釜(カマ)の刃に進化しているのです。
論より証拠に、カマキリの釜(カマ)の刃の先端近くから附節(ふせつ)がヒゲのように伸びていることでわかります。
どこにでもいる昆虫ですが、カマキリの釜(カマ)のように、よく観察すれば面白い発見がたくさんありますよ。
以下の画像でその事を確認してください。
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昆虫
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昆虫の生態写真や説明文・論文・マイ記載記事などをご紹介。
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〜温暖化?南国のクロスジスズバチを千葉県で確認の記載紹介〜
注:私のサインの無い画像は、私の撮影した画像ではありません。
ハチと聞くだけで、その毒針から滅すべき存在と言うのが、大多数の方が思うところでしょう。
そしてハチに刺されて死亡する方もおられる以上、ここで私が何を言っても、大多数の方から見た思いが変わることは無いでしょう。
それでもあえて言わせてもらえれば、たとえスズメバチだったとしても百害のみではく、知らず知らずのうちに私たちは恩恵をうけているのです。
それは例えば蜜を得るために花から花へと飛び回ることでくだものや野菜の花に受粉し、実をなし、作物を食い荒らす害虫を捕らえて幼虫の餌とし、その被害を抑制するといった恩恵です。
これ以後は、ハチ嫌いの方には興味のないお話かもしれませんが、興味のある方は是非ご一読ください。なぜなら、地球が温暖化していることを示す昆虫かもしれないからです。
記事は最下部です。
ところで、長らく昆虫観察から身を引いている私のもとへ、新年早々1通の封書が届きました。
それが、南方系ののハチであるクロスジスズバチが千葉県で確認されたという記録報告の記事だったのです。注:クロスズメバチや、クロスジスズメバチではありません。
送り主はその記事の共同著者の須田博久氏からでした。この場を借りてお礼申し上げます。
この話に興味はあるものの、ハチ類を良く知らない方のために、簡単な説明をしたいと思います。
まずはそクロスジスズバチの画像をご覧ください。
ハチと言えども美しいですよね。さすが南国のハチです。
さてどうでしょう?多少なりともハチ類に知識のある方なら、これは腰に長いくびれのある(胸部と腹部をつなぐ前伸腹節が発達した)身体的特徴をもっていることから、ドロバチ科のドロバチ亜科に分類されるハチの一種とおわかりでしょう。本土の普通種にはスズバチがいますよね。
スズバチ ドロバチ亜科
とは言っても、似た体形のハチは他にもいます。
例えばトックリバチです。
いかがでしょう?体形は似ていますよね。同じドロバチ亜科なので似ていて当然ですが、ドロバチ亜科には体形があまり似ていない種もいます。
例えばオオフタオビドロバチです。
オオフタオビドロバチはドロバチ亜科ですが、スズバチのような長いクビレはありません。
逆に長いクビレのあるハチにジガバチがいます。
ドロバチ亜科だと思いますか?
ミカドジガバチ ジガバチ亜科
どうでしょうか?ジガバチの腰は細すぎますが、似てはいますよね。
習性としても泥を採取して巣を作るのでドロバチの仲間と思いがちです。
ところが、ジガバチはジガバチ亜科に属し、更に言えばハナバチの仲間なのです。
確かに花蜜を吸うジガバチを見たことはありますが、
ジガバチは以前、ハナバチの仲間ではなく、クモを専門に狩るクモバチ(旧ベッコウバチ)と同じ狩りバチの仲間に含まれてました。ジガバチの習性としては、ガ類の幼虫などを狩る種が多く、クモバチと同じく、クモを狩るルリジガバチもいますからね。
ただし、ルリジガバチとキゴシジガバチは、ジガバチ亜科ではなく、ドロジガバチ亜科です。
更に体形だけでいえば、アシナガバチやそのほかにも見当たります。
ホソアシナガバチやヨコバイカリバチなどです。
ホソアシナガバチの一種 アシナガバチ亜科
このハチはとても小さくベッコウハゴロやジンガサハゴロモなどのヨコバイ類を専門に狩ります。
少しはハチのことがお分かりいただけたでしょうか?かえってややこしくなったでしょうか?
昆虫を学術的立場で興味を持って観察し、そうした方々の集まりとしての同好会の会報での記録報告は、アマチュアといえども昨今世間をさわがすような、コピペに終止したものではなく、厳格な決まりを守った小論文形式のもので、堅苦しいものですが、その性格上そのまの記述を以下にご紹介します。
南方系のクロスジスズバチを舟橋市で発見
須田博久・深川幸夫
筆者の一人、深川は、日頃よく調査している舟橋市において特異な色彩を示すトックリバチに似た種の飛翔を始めて確認、道端のスズキの葉に静止したところを写真撮影した。しかし、普段見慣れた日本本土産種が掲載されている図鑑には、同種と思われる種の掲載は見られなかったため、本会の第87回例会(2014-10-20)の際、その写真を持参した。
筆者の一人、須田は、その写真を見て、本来南方系(亜熱帯〜熱帯)種のクロスジスズメバチDetla esuriens (Fabricius)の♂であることを確認した。撮影データは以下のとおり。
<データ>
船橋市塩見(ふなばし三番瀬海浜公園),1♂,28.Ⅶ。2014.,深川撮影.
確かに本種は現在の日本本土の分布を示す戦後の図鑑類には記載されていない。しかし、戦前の松村(1911・1935)にはモノクロの細密画で分布を「沖縄・台湾」として掲載している。また、20世紀末の地域を限定した図鑑では沖縄の村山(1994)、東(1996)、南西諸島の山根(1999)に原色生態写真が掲載されているが、おそらく全国一般の人々の目に触れる機会は非常に少ない。
したがって昆虫に興味を示す人が本種に遭遇した場合、一見して一般の図鑑には載っていない種であると判断できる。
ところで、本種の原名亜種ssp.esuriens(Fabricius)はセネガルからペルシャを経てマレー諸島に分布してる。一方、日本の南西諸島と台湾に分布する琉球亜種は、ssp.okinawae Giordani Soikaに属している。つまり、この時点でクロスジスズバチは沖永良部島以北)で分布を確認、標本を保存している。つまり、この時点でクロスジスズバチは沖永良部島以南の島々に分布するとしていた。しかし、須田は未発表ながら奄美諸島の奄美大島・喜界島・加計呂麻島(いずれも沖永良部島以北)で分布を確認、標本を保存している。ただし、山室(2004)で徳之島の記録がある。したがって、本種は奄美諸島から八重山諸島にかけて広く分布している種である。
ところが、本土で始めて長瀬(2004)が1998年に神奈川県平塚市で1♂を記録。移入種として取り扱っている。採集地ではその1♂の記録のみで跡が続かず、単なる迷入であろと推測している。なお、直近の長瀬氏からの私信によると、神奈川県では同地を含み、その後の記録はないという。
関東に次いで本土での発見の第二報は、山崎・松本(2006)が2005年の複数の日に、大阪府大阪市の湾岸部♀・♂とも複数の個体を確認・採集したと報じている。採集個体は翅の擦り切れも少ない新鮮なものが多かったことから、ここでは本種が発生している。したがって、本報による舟橋市の記録は本土における三番目の記録(関東で二番目)となる。当日はこの1♂しか見られなかった(他の角度の写真で見ると右前先端がわずかに破損している)こと、目立つ色彩で各種の花に♂・♀とも訪花性の強い本種が、その後の29日の調査でも見つからなかったことから、この時点での多数の発生や土着の可能性は低いと推察する。現段階では神奈川県平塚市の採集例同様、単なる迷入と位置づけておきたい。
本種は建築物の壁面や岩・ブロックの凹部などさまざまな場所に、乾いた土でつぼ型の巣を造り、小型のチョウ目の幼虫を狩り貯える。この生態・生活面での本土における生息条件面では問題がない。問題は本種のような亜熱帯〜熱帯性の種がより気温の低い本土で定着できるか、特に寒い冬を越せるか、気温が重要な制限要因となるであろう地球の温暖化や都市のヒートアイランド現象など気象変化と南方系種の北上関係が注目される。その面で千葉県のハチではモンキジガバチ Sceliphron deforme (Smith)である。このようなことから、今後の現地および近隣地、県内各地のクロスジスズバチの確認調査による継続した情報量が、分布域の変化を探るキーポイントとなる。
文末ながら本稿を草するに当たり、貴重な文献の別刷り及び情報の提供を受けた神奈川県の長瀬博彦氏、大阪府の松本史樹朗氏に御礼申し上げる。
【引用文献】
東 清二(1975) 膜翅目,沖縄の昆虫類:85-94.,風土記社
東 清二(1976) 膜翅目,沖縄昆虫野外観察図鑑)(7):97-128.,沖縄出版.
加藤正世(1934) 膜翅目,分類原色日本昆虫図鑑:pl27-50.,厚生閣.
栗林 慧(1979) 膜翅類,沖縄の昆虫:pl54-89.,学研研究社.
長瀬博彦(2004) ハチ目(アリ科を除く),神奈川昆虫誌Ⅲ:1241-1326.
平山修次郎(1944) 膜翅目,原色千種續昆虫図譜:107-118.,三省堂.
松村松年(1911) 續日本千虫図解三:147pp+11pl.,警醒社.
松村松年(1935) 膜翅目績日本昆虫大図鑑:1-92.,刀江書院.
松本史樹朗氏(2009) 図鑑にあまり載っていないハチの図鑑,蜂狩人(1):28.
松村 望(1994) ハチ目,沖縄の身近な昆虫図鑑:179-194.,沖縄出版.
山崎一夫・松本史樹朗氏(2006) 大阪市の湾岸部で採集された熱帯性のクロスジスズバチ
,環動昆16(4):175-176.
山根正気・王 交?岳(1996) 認識台湾的昆虫(16):213pp.,椒馨出版社.
山室一樹(2004) クロスジスズバチの徳之島における記録,つねきばち(2):7-8.
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〜早春の昆虫 : イマイツツハナバチの生態(生活史)〜
春らしい暖かい日が徐々に多くなってきましたね。
成虫で越冬したチョウは、そろそろ飛び始めています。
そこで、久々に昆虫のことを記したいと思いますが、昆虫好きの誰もが紹介するチョウの話ではありません。
多くの方にとっては苦手、いや嫌われ者の蜂についてです。
ハチ類の中でも新成虫が最も早くから現れる種に、イマイツツハナバチOsmia jacoti Cockerell
がいます。 そうその出現期は、ちょうど今頃の3月中旬です。
ツツハナバチの仲間は、その名の通り、藁や空洞の枝などの空洞の筒などに巣を作ります。
体長は、10mm弱の小さな種で、ハナバチの種なので、幼虫は花粉の固まり=花粉塊を餌としています。
いわゆる毒針を持つハチのグループ(有剣類)の一種なのですが、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチのような集団で生活するハチ(真社会性の蜂)のように、仮に巣に危害を加えたとしても、毒針で襲ってくることは無いでしょう。
私が撮影した個体は、成虫になったばかりで、幼虫期に過ごした倒木(たいぶんオニグルミ)の穴から出てきたばかりのものです。
画像で見てお分かりのように、眼が大きくて白いチョビヒゲを生やしたような顔立ちで、ハチにしておくにはもったいないくらいの可愛さでしょ。
このハチの種の同定は、専門家にお願いしたものなので、種名は間違いないでしょう。
今回改めてイマイツツハナバチに関するネット上のページを検索してみたところ、イマイツツハナバチに、私が撮影出来ていない貴重な生態写真が紹介されていました。
その内の交尾中のペア(上が♂)の画像を見ると、私が2006年3月3日に撮影した新成虫は、どれも♂の個体のように見えます。
そして、交尾中のペア(上が♂)の画像の♀の姿は、以前私も見た記憶がありました。
それが、2006年3月26日に大阪府和泉市の側川に沿った日当たりの良い林道で撮影した画像の個体です。
この日、側川林道には、この姿の個体が、多数日向ぼっこをするように沢山地表に居ました。
この個体の同定については、イマイツツハナバチである確証はないのですが、その撮影日は、イマイツツハナバチ成虫の発生期からして、本種の可能性が高い気がします。
以下は私の想像ですが、
側川林道に多数いたイマイツツハナバチの♀らしき個体は、そこで、♂の飛来を待ち、その後♂と出会って交尾に至るのではないでしょうか。
小さな巣抗が複数ある倒木の全容
撮影:2006年3月3日
撮影地:和歌山県橋本市清水町の紀ノ川南岸の堤防
小さな巣抗が複数ある倒木(巣)
撮影:2006年3月3日
撮影地:和歌山県橋本市清水町の紀ノ川南岸の堤防
巣抗から出てきたイマイツツハナバチ新成虫
この個体の前頭部がオレンジ色なのは、
巣穴内で花粉塊もしくは木の粉が付いたからでしょうか。
撮影:2006年3月3日
撮影地:和歌山県橋本市清水町の紀ノ川南岸の堤防
巣抗から出てきたイマイツツハナバチ新成虫 撮影:2006年3月3日
撮影地:和歌山県橋本市清水町の紀ノ川南岸の堤防
イマイツツハナバチの♀?
下の画像とは、頭胸部の体毛の色が異なるので、イマイツツハナバチではない気もしますが。
撮影:2006年3月26日
撮影地:大阪府和泉市の側川林道 以下は(イマイツツハナバチ)のページに紹介されれている画像 交尾中のペア(上が♂)
【イマイツツハナバチについて】
体長は、♂が8mm、♀がそれより一回り大きい10mmくらい。
成虫発生期:3月中旬
日本では、北海道、東北、中部、南西諸島での生息は確認されていないようです。イマイツツハナバチは中国大陸からの移入種だと考えられています(Hirashima, 1973)。単独性ハナバチでの移入種は本種のみです。以前はOsmia imaii という学名でしたが、大陸のO. jacoti のシノニム(シノニム:synonymとは、同意語、別名のこと。)として整理されました。イマイツツハナバチ *1Osmia(Helicosmia) jacoti Cockerell
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〜秋のトンボ?を見分ける:コオニヤンマ〜
今回をもってトンボのご紹介はひとまず終了です。
前回、オニヤンマをご紹介しましたが、日本にはコオニヤンマというトンボもいます。
何も知らずに聞けば、それはオニヤンマより少し小さい近似種のヤンマと思ってしまいますが、
コオニヤンマは、実はヤンマではありません。
それは日本最大のサナエトンボというのが本種の実態です。
ではなぜコオニヤンマというのでしょうか?
この答えとなる記述や文献を見つけたわけではないのですが、私には本種の名に鬼(オニ)の文字がある理由ではないかと思っていることがあります。
以下に紹介した画像の中から頭部前面の画像を見てください。
左右の複眼の間の頭頂部に、正に鬼の角のように見える部位が見えませんか?
どうです?見えるでしょう。
日本最大のサナエトンボであると言うこと、体色がオニヤンマに似ていることも本種の種名に影響しているのでしょうが、個人的意見で言えば、2本の角を持つ本種は、正に鬼(オニ)の名を持つにふさわしと思っています。
ただし、本種は体長に比べて頭部が小っちゃい。その一方で後肢が極端に長く巨大です。
言うなれば、小顔、足長の鬼の角を持つトンボでしょうか。
長い肢は、獲物を捕らえる強力な武器です。http://atq.ad.valuecommerce.com/servlet/atq/gifbanner?sid=2219441&pid=877935733&vcptn=blog%2Fp%2FhDHJsKDrg6QSyf9gvHPUpX4-近畿のトンボ図鑑 には、本種よりは小さいながら、サナエトンボ科としては大型のキイロサナエを捕食している生態写真が紹介されています。
オニヤンマに関連してご紹介することになりましたが、秋のトンボであるはずはありません。
サナエトンボ科は、むしろ春のトンボというイメージがあります。
【コオニヤンマのプロフィール】 引用文献:
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