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〜アサギマダラが旅をする理由〜
アサギマダラというチョウは、
大きくてハネもガッチリと丈夫だから、南国の大地が暖められてできる
上昇気流で凧のように高く舞い上がり、偏西風をとらえてグライダーのように飛び、本州へと旅をします。
アメリカに生息する同類のアカカバマダラも旅します。それだけでも興味ぶかいチョウですが、
更に興味深いことに、沖縄には同類のマダラ科のチョウが4種もいるのに、
旅をするのはこのアサギマダラだけなのは、なぜだと思いますか?
それは寄生虫(寄生蜂、寄生バエ)から逃れるために旅をすることにエネルギーを使う本種と、
体内で寄生虫を駆除する能力を得てそれにエネルギーを使う種がいる。
という論文が近年発表されています。
こんな事を書くと、「チョウが蜂はともかく、ハエが怖くて旅をする?冗談言わないで!」
と思われる方も多いことでしょう。
ですがこれが大まじめの学術論文だから面白いのです。
〜参考文献〜
平井 規央(2002) アサギマダラ幼虫の摂食部位とヤドリバエの産卵位置.昆虫と自然
この研究以後に発表されている文献
平井 規央(2003) 海を渡るアサギマダラの航法と飛翔高度,,昆虫と自然
学位授与論文
平井規央(2006)アサギマダラとマダラヤドリバエの寄主−寄生者関係に関する生態学的研究
論文 審査委員. 主査 石井 実. 副査 前中 久行. 副査 山口 裕文.
最新?の論文
アサギマダラに寄生するマダラヤドリバエとキスジセアカカギバラバチの生活史(生活史・休眠・光周性) アサギマダラ
アサギマダラの記述に対する疑問のコメントと私[上から目線]からのお答えをご紹介します。
[ ショルティア ]さんより
論文、原典を探せるようにタイトル、著者、発表年、掲載雑誌を書いていただけると助かります。
アサギマダラは移動する蝶ですが、関東では越冬できる場所が限られていて、他の場所に移住すると冬に死滅します。そんなリスクを冒してまで移動するのだから、それ以上のメリットがないと困ると思うのですが。地域差もあるので、沖縄の結論を関東にあてはめるのも慎重にしたいですね。 そもそもアサギマダラは毒蝶ですし・・・ [ 牛山牛吉 ]さんより
アサギマダラに寄生するハエがいるとは初めて知りました。
ただ、「それから逃れるためだけに、はるばる遠くは北海道まで渡りをするのか?」 という疑問は残ります。 私[上から目線]からのお答え
実は、アサギマダラに寄生するハエなどは、沖縄からのがれて本州に飛来しても、数は極端に減るものの、存在するそうです。その意味で[ ショルティア ] さんのコメントもごもっともです。
ですが、野生の生き物は、その時点で無意味だと思われる行動をし、未来の変化に対応できるあらゆる可能性を巧まずして常に追求しているのではないでしょうか?
たまたま人間が大量に耕作した作物のおかげで多数の子孫を残せたり、突然変異の個体が変化した環境や気候に強い固体であったことが幸いしたり、人為的な地球温暖化が南方系の昆虫の勢力拡大につながったりと、大自然はいつも人間の想定外の事象を見せますから(これ、私の屁理屈かも)。
[ ショルティア ]さんからのコメント情報
アサギマダラの寄生蠅、寄生蜂に関するものは見つかりました。「昆虫と自然」は図書館にあるはずですが、学位論文は大阪に行かないと無理かな?一応公開されているはずですが。
・Norio Hirai and Minoru Ishii, 2002. Entomological Science 5:153-159. ・Norio Hirai and Minoru Ishii, 1995. Appl. Entomol. Zool. 30:241-244. 蜂も蠅も、どっちも捕食寄生Parasitoidですね。 アサギマダラは昆虫としては大きいので、寄生者にとっても餌としても魅力的なのではないでしょうか。ただ、寄生行動を宿主に合わせる必要があるので、寄生相手は限られます。その上、アサギマダラの大きい幼虫には、毒の問題もある。しかしどんなに防衛を強化しても、完全に防ぐことはできません。もし寄生されない虫がいれば、その未開拓資源を開拓する寄生者は、必ず現れるでしょう。 アサギマダラの毒が学習能力の高い鳥に対して効果的なのは、事実のようです。 私[上から目線]からの追記情報
残念ながらアサギマダラの話ではあせんが、石井 実教授(日本鱗翅学会会長・日本昆虫学会会長を歴任)は、イチモンジセセリもアサギマダラと同様の理由で旅をするという研究をライフワークにされています。ですがいかんせんこのチョウ、地味すぎますし、移動の際は弾丸のように飛び、採集は困難を極めます。蛾だと思っている方も多く、アサギマダラのように好んでマーキングする方もいません。
見向きもされないチョウなので、マーキングされた個体を発見して報告して下さる方は更に少ない。
ですので研究は、中々進まないのです。
アサギマダラ及び本種に寄生するハチ・ハエを長年研究されている平井 規央准教授は、石井 実教授の研究室(大阪府立大学農学部応用昆虫学科)に所属しておられました。
石井先生は、私の所属する昆虫同好会の会長でもありました。イチモンジセセリの渡りの時期には、地元の葛城山山頂で並んで本種を採取してマーキングする調査会があります。当然会員は招集されます。平井先生もね。大の大人が巨大な採集ネットを持って居並ぶ光景は、かなり異様です。
写真2
ツバメシジミの情事
2013年2月25日現在Yahooブログ内に1266件ヒット 体長1センチ程度の小さなチョウですが、どこにでもいるけど可愛いチョウです。
よく見るとハネのうしろに小さな突起(尾状突起)がある
なのでツバメ的な小さなチョウ=ツバメシジミって訳です |
昆虫
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ブログをはじめました!
バカな話ですが、「カメラを棒の先に付けて撮影した作品ができたら?」とはじめるブログです。 作品はゼロですが、明日、試し撮りにでかけようと思います。
カメラはα NEX-5、撮影アイテムを組むのにNEX発売当初から今日までかかりました。
はたしてどうなることやら。
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