Musica Miyukina in Philadelphia

合唱団のCDがようやく発売されました。

オペラ、演奏会、演劇鑑賞記録

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オペラの公演(DVDを含む)や演奏会の鑑賞記録。
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暗闇に溶けていくような感覚


ただ今、フィラデルフィアでは、
「フリンジフェスティバル」と呼ばれる
ライブパフォーマンスの祭典を開催中。
http://www.pafringe.com/about-the-festival.cfm

このフェスティバルでは、
あらゆる種類のライブパフォーマンスが上演されています。
一人芝居だったり、
新作のオペラだったり、
実験的な演劇だったり…。

最近はどこの団体も資金難ですから、
集客の見込みのない演目は減少傾向にあるのですが、
このフェスティバルで上演される演目は
かなりマニアックなものばかり。
つくり手がつくりたいものをつくって見せるパフォーマンスなので、
万人受けはしないでしょうね。

でも、新しいものが見てみたい!
何か違うものが見てみたい!と思うライブパフォーマンスファンには
もってこいのフェスティバルなんです。

久しぶりに演劇でも観てみたいなと思い、
正雄氏と一緒にEGOPOという劇団のショーに行ってきました↓
http://www.pafringe.com/details.cfm?id=10136

演目は、サミュエル・ベケットの「カンパニー」
「カンパニー」は、ベケットが最後に書いた短編です。

暗闇の中でひとり横たわっていることに気づいた「男」が
闇の中で「エンジェル」の声に気づきます。
エンジェルの声に導かれて
子どもの頃の思い出を回想しながら、
静かに息を引き取るまでを描いた作品。

ただ、それだけのシンプルな作品ですが、
この劇団では、それをラジオドラマのような朗読劇に仕立てました。
聴衆である私たちがお話に出てくる「男」になったような体験をするのです。
聴衆参加型のショーのため、
各回30人限定。

まず最初に、私たちは、
アイマスクをするように指示を受けました。
このアイマスクは上演中ずっとしていなければなりません。

「エンジェル」に手をひかれ、
床の上に寝かされた私は、
暗闇の中にすーっと溶けていくような不思議な感覚を味わいました。

「エンジェル」は耳元で
「あなたは、仰向けになって寝ている…。」などと囁いたり、
子どもの頃の回想シーンでは、
「お母さん」となって私の手を握ったり、
ベッドの中で寝るシーンでは、
私の上にブランケットをかけてくれたり…と
まるで自分が「死ぬ間際の男」になったような錯覚に。
最後は、胸の前で手を組まされ、
ベールをかけられておしまい。

死ぬ間際ってあんな感じなんだろうか?と
考えてしまいましたよ。
正雄氏は、短編は短編として味わうべきもので、
このような形式にするのは、ベケットの本意ではないはずだと言ってましたが、
私は視覚じゃなくて聴覚と触覚で味わう演劇もいいものだなぁと思いました。
プロの人がお話を耳元で臨場感たっぷりに語ってくれるなんて
なかなかできない体験です。



★サミュエル・ベケットについて★
サミュエル・ベケットは、ノーベル賞も受賞したアイルランド出身の劇作家↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%99%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88

Samuel Beckett の代表作 "Waiting for Godot"の1シーン

フルートの音色って素敵!


昨夜は、フルートのソロリサイタルに行ってきました。
とっても素敵なプログラムだったので、
皆さんにご紹介したいと思います。

プログラムはこちら↓

Sonatine for Flute and Piano 
by Henri Dutilleux

Trio Sonata in C Minor from "The Musical Offering," BWV1079
by Johann Sebastian Bach

Sonata for Flute and Piano, Op. 94
by Sergei Prokofiev


★YOUTUBEに掲載されている演奏例★

デュティーユ「フルートとピアノのためのソナチネ」
http://www.youtube.com/watch?v=Z3UVyBPXNL8

バッハ「音楽の捧げ物」第一楽章
http://www.youtube.com/watch?v=70W7hQusf0M

プロコフィエフ「フルートソナタ」第一楽章
http://www.youtube.com/watch?v=DsEJ4LzwJYE

私はどうしても
クラシック音楽を聴くとなると身構えてしまって
すんなり聞き流せないんです。

特に自分が演奏したことがあったり、
詳しく勉強したことがある曲だったりすると
音程のずれやミス、流れの悪さが気になって
単純に演奏を楽しめない。

昨日のリサイタルでは、
フルートの音色が心地よく耳に響き、
「どんな情景を描いているんだろう?」
「どんなお話を語っているんだろう?」と
一曲目からぐいっとひきつけられました。

久しぶりに行ってよかったなぁと感じた演奏会でした。

ディティーユとプロコフィエフの曲、
特にオススメです。
ぜひ、一度聴いてみて下さいね♪

この世の終わりに…


オリヴィエ・メシアン(Olivier Messiaen 1908 - 1992)作曲の四重奏曲につけられたタイトル。

第二次世界大戦中、
ドイツ軍の捕虜となったメシアンが
ゲルリッツ(現在はポーランド)収容所にて作曲した曲。

1940年の冬のことでした。

翌年の1941年1月、
メシアン自身のピアノによって
同じく収容所にいたチェロ、ヴァイオリン、クラリネット奏者とともに、
たくさんの収容者の前で初演されました。

題材となっているのは
ヨハネ黙示録に出てくる
「この世の終わり」

昨年は、ちょうどメシアン生誕100周年にあたり、
ゲルリッツ収容所跡では、
この曲が再演されたとか。

昨夜、大学院の博士課程のリサイタルで
この曲が演奏されました。

8楽章全曲通して演奏すると50分という大作。

次に死ぬのは自分かもしれない…

言葉では言い尽くせない感情が
音の洪水になって
静かに、そして激しく響き渡ります。

メシアンの曲、
歌ってみたくなりました。

★豆知識★





★どんな曲か聴いてみたい方へ★

世の終わりのための四重奏曲 第一楽章
http://www.youtube.com/watch?v=0-r59Iyx6-0

世の終わりのための四重奏曲 クラリネットソロ
http://www.youtube.com/watch?v=NSdXitBkFb0

フィデリオを観ました

ベートーヴェン唯一のオペラ「フィデリオ」


かなり昔の録音ですが、どんな感じが聴いてみたい人はこちらを↓
フィデリオの中にある「Listen!」という項目をクリックしてくださいね。
フィラデルフィア オペラカンパニー

今回の目玉は、豪華キャストも去ることながら、
とても斬新な舞台美術にありました。

アメリカで活躍されている日本人アーティスト
KANEKO JUN氏。
http://www.junkaneko.com/

舞台は、黒と白のタイルで敷き詰められ、
まるで浴室ような雰囲気。
黒の面積が白よりも少し少ないところがポイントです。

黒と白を基調に、
赤、青、黄色の三原色が効果的に使われています。

もちろん、衣装もKANEKO氏のデザイン。
黒と白を使うにしても、
水玉だったり、ストライプだったり、
そのバランスが絶妙。

衣装や舞台の様子はこちらからどうぞ↓
フィデリオの中にある「リハーサル写真」という項目をクリックすると見られます。
フィラデルフィア オペラカンパニー

あらすじはこちら↓
あらすじ

ベートーヴェンに申し訳ないのですが、
はっきりいって話の内容はあまり面白くありません。
「政治犯として囚われの身になった夫を救うため、妻であるレオノーラは青年に変装し、
 名前をフィデリオとかえ、刑務所に助けに行く」というありがちな話。

刑務所に変装して乗り込むのですから、
主人公のレオノーラが悪役に殺されそうになるとか
なかなか夫が収容されている場所まで辿りつけないとか…
ドラマとなる要素があって当然だと思うのです。

ヴェルディのオペラのように、
音楽と話の展開が絶妙に合わさり、クライマックスへ突進していくタイプとは違い、
「フィデリオ」にはサスペンス特有の
ハラハラ感が薄い。

「殺す!って凄んでるけれど、あまり怖そうに見えない…(頼めば、3日ぐらい待ってくれそう)」
「あんなに簡単な牢じゃ、脱獄は簡単なはず…」
「えっ、悪役がこんなに簡単に降参しちゃっていいの?」

とか、色々疑問が浮かんでしまって、説得力に欠けるのです。

ダイナミックなアクション映画好きのアメリカ人の若者にしたら、
話がもたもたしていて、物足りないと感じるでしょうね。
その点、ミュージカルや劇では、
話の展開がはやいし、音楽もアップテンポだし、ダンスもあったりするし、
ハラハラ感を充分感じることができます。

オペラが若い世代にあまり受けない理由は、
こんなところにもあるのでしょうね。

舞台美術、主要キャストのレベルが非常に高かっただけに、
「美しい芸術」の域から今一歩抜け出せなかったのは
非常に残念だなと思いました。
今年は、バーンスタイン生誕90年の年。
何かとバーンスタイン関連のフェスティバルや演奏会、
プログラムが多い今年。

仲のいい友達が出演するというので、
バーンスタイン作の「キャンディード」を観てきました。

フルオーケストラ付きでコンサート形式で上演されることもあるこの作品、
今回はミュージカル仕立て。

円形の小さな舞台を取り囲むようにして
客席が並ぶ劇場。
ブロードウェイミュージカルで使われるような
大掛かりなセットは全くなく、衣装も比較的シンプルです。

ただ、その劇場の特性とセットがないという条件を最大限にいかした
非常にユニークな演出でした。
舞台の写真は、Synopsisの最後にある
SLIDE SHOWというのをクリックすると見られます↓
http://www.ardentheatre.org/2009/candide.html

その一:黒い箱の活用。

何の変哲もないただの黒い箱が
船になったり、
馬になったり、
お墓になったり…

その二:黒いドレス(女性アンサンブル用)

黒い箱と同様、普通の黒いドレスなのに、
サングラスをかえたり、
スカーフや帽子をプラスするだけで、
全然雰囲気がかわるんです。

オペラ、演劇、ミュージカルなどで
結構な比重をしめるのが、衣装代。
上手に着回しすることで
衣装がえの時間も短縮しているところが凄い!

その三:チョークの活用。

チョーク一つでこんなに色々なことができるのかと
その想像力にビックリしました。

例えば、立っている人たちの周りを取り囲むようにして
ぐるぐるっと線をかけば、
海の中にできた白い渦。

その四:舞台の転換。

黒い服を着た人が
ささっと舞台上にあらわれて、
舞台転換をするものですが
今回はその部分もキャストが演技の一部として
自然にやっていました。

そのために、舞台の転換で話が途切れることなく、
とってもスムーズ。

3時間ほどのオペレッタを見せるのに、
これだけ観客を飽きさせず
テンポよく話を展開させるのはすごい!


友達によると、
一週間に7、8公演をこなし、
完全に休みになるのは月曜日の夜だけとか。
メインキャストは、
毎晩あんなに歌って、踊って
しゃべりまくっているわけですよね?

ちなみにこんなアリアです(「Glitter and Be Gay」)↓

Kristin Chenowethのミュージカルバージョン
http://www.youtube.com/watch?v=OkdM_jHEsjo
Damrauのディーババージョン
http://www.youtube.com/watch?v=aS2c-pgm3jg&feature=related

私はソプラノですが、
はっきり言って、こんな高い音をのばしたら、酸欠になります(笑)
毎晩これを歌うなんて、凄い!!!としか言いようがない。

それだけ毎晩歌い続けられる体力もさることながら、
マンネリ化させずに、質の高いパフォーマンスを提供しようとする心意気に
とても感動しました。

演技もダンスもそして歌も
全てがブロードウェイミュージカル級の仕上がりです。
学生向けのラッシュチケットが
たったの5ドルというのも、嬉しい!

残りの公演はあと僅か。
お近くの方は、ぜひ観に行ってくださいね。

アーデンシアター カンパニー
Arden Theatre Company
「キャンディード」バーンスタイン作
Arden Theatre Company's Candide

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