2011年洋画部門

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ジュリエットからの手紙


***50年の時を隔てたイタリアの恋物語***

イタリアは一度でいいから行ってみたいと思う。僕のあこがれの国だ。
何よりも家族を大事にし、大いに食べて飲んで。人々が働くのも暮らしを、そして人生を楽しみたいから。そして美しい建築物。カラーコーディネートのお手本の様な街並。そこに住む人達の美的センスの高さ。

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 この作品の女性主人公ソフィーはニューヨークに住んでいる。某有名雑誌社の調査員だ。
 いつかは自分も一人前のライターになりたいと、掲載されるあてもない記事を書き連ねている。彼女やその周りの人の仕事ぶりはいかにもニューヨーカーである。
 そんなソフィー以上にせせこましくて、忙しく働いているのが彼女のフィアンセである。もうすぐ結婚するというのに、彼は自分のイタリア料理店をオープンさせる準備で夢中なのだ。
そんな二人が婚前旅行でイタリアのヴェローナに行った。そこで彼女が目にしたのはジュリエットの館。あのロメオとジュリエットの物語の舞台。そこには世界中の女性が訪れる。そして恋の悩みや願い事などを書き連ねたメモを壁に貼付けて行くのである。その悩みの手紙には、なんと返事が届くようになっている。
近所の世話好きのおばさん達が、せっせと返事を書いているのだ。それを知ったソフィーは、自分も返事を書くのを手伝ってしまう。彼女はある古い手紙を壁の中から発見する。それは紙も茶色く変色した50年前の手紙だった。
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彼女は丁寧に返事を書いた。するとあろうことか、その50年前の「少女」クレアが、イケメンの孫を伴ってジュリエットの館に現れたのだ。ソフィーは手紙を書いた責任を感じ、50年前の恋人を捜す旅に出かけるのだった。

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 とここまでがこの映画のエピローグである。この後ロードムービー仕立てで映画は進行して行く。その訪れる先々のヴェローナ地方の美しい風景も楽しい。イタリアのお母ちゃん達はうまそうな料理をしこたま作る。そのパワフルな姿に微笑ましくなってくる。
作品の終盤になって気づいたが、この作品もしかすると、あの「幸せの黄色いハンカチ」をモチーフにしているのでは? と思ってしまった。
まぁその辺りは皆さんご覧になってご自分でご判断頂きたい。
「恋愛に年齢は関係ないんだよ」
「恋するチャンスは逃しちゃダメだよ」とイタリア的な楽観主義と大らかなハートでこの作品は観客に語りかけてくる。
イタリア大好きな人やハッピーな気分になりたい人にはおすすめの楽しい作品だ。


監督   ゲイリー・ウィニック
主演   アマンダ・セイフライト、クルストファー・イーガン
製作   2010年 アメリカ
上映時間 105分 

ブラック・スワン


ブラック・スワン 予告改訂版


***エロスとアートはピルエットのように***


見逃していたこの作品。是非観てみたいと思っていました。上映してくれた神戸のパルシネマさんに感謝です。
ナタリー・ポートマンのバレリーナは素晴らしかったです。

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吹き替えを使ったとしても、それ以外の部分でもかなりトレーニングを必要としたんだろうと思います。
観終わって思ったけど、ちょっと映画の作り方として気負いすぎたかなという感じがしました。もうちょっと演出控えめでも良かったんじゃないかな。
というのも脚本がとてもいい出来だからです。このストーリーならきっと固定カメラでどっしりと撮って、編集も細切れにしなくても充分面白かったと思いますね。
バレエ団の新旧のプリマの交代。それを巡る団員同士の火花が散る様な女の闘い。その辺りがうまく描かれていると思いました。
僕はバレエが大好き。外国映画やオペラにしてもやっぱりコトバで伝える部分が大きい訳で。だから字幕が必要になる。

でもバレエという芸術は、身振り手振りのマイムだけで伝えられる。きっと音楽や絵画なんかと同じで、バレエも世界共通語の芸術なんだと思います。
ただ芸術を極めようとするとき、その世界はやはり厳しいもんだなぁと思わされます。プリマの地位を得るために日頃から練習に励み、ダイエットもし、ときには女として舞台監督とベッドを共にするのもいとわない。
そこまでしてでも欲しいプリマドンナという地位。
彼女達の目指しているところは何なのでしょうか。何処まで自分を犠牲にしていいんでしょうか?
この作品を観ながら気づいた事があります。彼女達はバレエそのものが仕事だったんだと。
彼女達の生活はバレエ中心で動いている。地位と名声そして生活の糧もバレエから得ている。
映画の中で事故に遭うバレリーナがいますが、その後ろ姿の淋しい事。足に大怪我を負い、もうバレエダンサーとしては生きていけない自分。彼女の悔しさや無力感がよく表現されていました。
ナタリー・ポートマンのバレエダンサーとしての姿はもちろん美しいです。それだけでなく、プリマの地位を射止めた彼女がそのプレッシャーのあまり心と神経を病み、幻覚を見るシーン等、眼が釘付けになってしまいます。正に迫真の演技でした。
また本作ではエロティックなシーンがかなりあります。
バレエ団の芸術監督は彼女に何を求めていたんだろうか? とちょっと僕には不可解でした。

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彼女の女としての体が欲しかっただけなのか、それとも「白鳥の湖」という作品の中にエロスを読みとって、彼女にそれが欠けているからこそ、無理強いしようとしていたのか? その辺りが実に微妙な所なんであります。
バレエ団の芸術監督が言います。
「キミの演じる白鳥は最高だ。しかし、君には黒鳥は演じられない」
どうしたら黒鳥の感情を表現出来るのか? 
どうしたら”本物”の黒鳥の演技ができるようになるのか? 
彼女はもがき苦しみます。

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彼女が採った方法、それは自らを汚す事でした。
芸術監督はその彼女をうまく利用しようとします。
芸術と言う仮面を被ったオトコの欲望。
何処までが芸術で何処からがエロスなのか? 実に混沌としたセカイがこの映画には描かれています。
エロスは時に美しいアートにもなりアートは時にエロスを求めます。
アートとエロスというまるでコインの裏表の様な関係。エロスとアートはバレエのピルエットのようにくるくる回ります。
もうそれは一つのフォルムとなっているかの様です。芸術って何とも残酷だなぁと思ってしまいました。
リアルなバレエ団員達はこの作品を観て何を思うだろう? 是非意見を聞いてみたくなります。あなた方はここまでバレエに身を捧げてしまうのですかと。

監督   ダーレン・アロノフスキー
主演   ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル
製作   2010年 アメリカ
上映時間 108分 

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『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』 予告編



***彼らの「NO!」をどう受け止めますか?***


久々に骨太なメッセージ性を持った作品に出会った。もちろん映画というのはエンターティメントの一種だと思う。そのエンタメ部分と、作り手のメッセージをどのようにブレンドさせるのか? その辺りが作り手の腕の見せ所なのだと思う。
この作品はそう言う意味では、絶妙のブレンド加減を味あわせてくれる秀作だと思った。
確か僕が小学生の頃だったように思う。「猿の惑星」と言う映画はあまりにもショッキングな作品だった。当時、世間の話題をかっさらった。
何せ地球はサルに乗っ取られ、あげくの果てに人類は、サルに実験動物のように扱われていたのである。
主役のチャールトン・へストンの名演が今も瞼に焼き付いている。そして衝撃のラストシーンも……。
それから42年経った今作られた本作「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」は、そのサル達がなぜ地球を乗っ取るまでになったのか? そのきっかけの部分を描くものだ。
時代設定も現代になっている。アルツハイマー治療薬の実験台として、薬を投与されたチンパンジー。その子孫が異常なまでに高い知能を発揮する。
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そのチンパンジー「シーザー」は、心優しい研究員に引き取られて成長して行くのだが、やがてシーザーはある事件を起こしてしまう、というストーリー。
このチンパンジーの赤ちゃんが成長してゆく光景はとても微笑ましい。
ちょっと牧歌的ともいえる飼い主との日々。映画を見ているこちらまで、なんだが心がほっこりしてくる。


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 CGをうまく使ったチンパンジーの造形はお見事。ところが、映画も中盤から後半にかけては、そのメッセージ性が鮮明になってくる。作品そのものに「怒り」の表情が現れてくるのだ。
事件を起こした「シーザー」が収容された施設での虐待。
「馬鹿サルめ!」と吐き捨てるようにいう職員の傲慢さ。
シーザーの飼い主である研究員が勤務する製薬会社。その実態。
人を病から助けるための新薬。そのもう一つの顔は、実は莫大な富を生み出す「打ち出の小槌」でもあったのだ。
だから役員は他社よりも早く新薬を完成させようと急がせる。新薬の安全性を確かめることよりも、利益を優先させる経営者のどん欲さ。なんだかここに出てくる人間は嫌なヤツばかりなのだ。
この映画でのクライマックスは、チンパンジーの「シーザー」がサル達を代表する形で人間に「ノー」を言うシーンだ。
それも断固とした「NO!!」なのだ。
「もう俺たちは人間の思い通りにはさせないぞ」
そう言う「ノー」を彼らはアピールする。
それは今まで弱者だったものが、強者に発する「NO!」という風にも僕は読み取ってしまった。
丁度いま、アメリカでは貧困層が怒りを爆発させている。
なぜ1%の富裕層のために、99%の持たざる者たちが我慢しなければならないのか?
それこそ断固とした「NO!!」を彼らは世の中に訴えた。

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 僕にはこの「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」という作品が、その虐げられたものの断固とした「NO!!」という叫びを代弁している様な気がしてならない。
そしてもっと大きな眼で見れば、地球を自分たちの好きなように扱っても良いのだという人間の思い上がりを、強烈に批判するメッセージをもった映画に思えるのだ。


監督   ルパート・ワイアット
主演   ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピント、ジョン・リスゴー
製作   2011年 アメリカ
上映時間 106分 

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スーパー8


Super 8 Movie Trailer 2 Official (HD)

ここ、何ヶ月か、映画館に行こうという気にさせてくれる映画に出会いませんでした。ようやく、見て損のない映画に出会った感じでした。

***少年達のスーパー8は全てを見ていた***

八ミリ映画に夢中な少年達。
彼らが夜中に無人の駅で映画を撮っていた。そこへ遠くから列車が来る。監督役の少年が眼を輝かせますね。
「良い絵が録れるぞ!」
きっとかつてのスピルバーグ監督や本作の監督も八ミリキャメラ片手に、そんな経験をしたんじゃないでしょうかね。
でもそれがとんでもない大惨事を記録してしまうことになるとは。
事件はそこから始まります。
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この作品、画の撮り方が実に良いんですね。少年達が八ミリフィルムを映写する。その青い光の筋。そこをちゃんと映しますね。それがいいですね。そしてスクリーン代わりの壁を見つめる少年二人。そこに映ってしまったものは……という具合にサスペンスを感じさせるうまい演出がなされています。
主人公である、保安官助手の息子、そしてだらしないダメ親爺の綺麗な一人娘。その二人の淡い恋模様。親同士は反目し合っている。
二人はまるでロメオとジュリエットの関係ですね。
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少年少女達の心の揺れ動きや交流、又、大人達への不信と反抗。それはあの名作「E・T」を彷彿とさせます。
それに加えて「ジョーズ」のような、じわりと迫り来る恐怖の演出。これもうまいです。
この作品の監督J・Jエイブラムスはきっとスピルバーグへの敬愛の意味も込めたのでしょうね。なつかしのスピルバーグ作品へのオマージュが一杯詰まった面白い作品に仕上がりました。
上映時間は二時間を切ります。でも息つく暇もない実に濃密な時間を楽しめる作品だとおもいます。

監督   J・Jエイブラムス
主演   ジョエル・コートニー、エル・ファニング
製作   2011年 アメリカ
上映時間 111分 

英国王のスピーチ


映画『英国王のスピーチ』予告編

***王様になりたくなかった国王***

アカデミー賞に輝いた作品という事で観に行ってきました。
運命とも言えるのでしょうか、望んでもいなかった英国王という地位に就かされてしまった、ある男と、その家族の物語と言えば良いでしょうか。
彼にはあるハンディキャップがありました。
人前で喋ろうとすると極端にどもるのです。
でも立場は王室のメンバーです。厳格な父親からは公的の場所に出る様に言われ
嫌々ながらスピーチもやらなければ行けない。
ちなみに自分は次男。本来なら英国王は長男が継ぐ。
一旦は長男が英国王となりますが、あろう事が、道ならぬ恋のため、兄貴は英国王の地位を放り出してしまったのです。
さて困った。
英国王としての教育なんぞ受けていない。
おまけに時は第二次大戦直前の風雲急を告げる大きな時代の変わり目でした。
さて、王となった一人の人間はどのように時代を生きていったのか? というストーリーです。
この作品、英国王という地位に無理矢理就かされてしまった一人の男の、悲哀に満ちた物語をちょっとユーモアを交えて描いて行きます。
印象的だったのは子供たち。
女の子が二人います。利発そうな可愛い長女。この子が現在のエリザベス女王な訳です。
親と娘の関係から、突然国王と王女という関係に変化します。
自分の娘から「陛下!」という言葉をかけられ、彼が愕然とするシーンがあります。
彼の立場を端的に現す良いシーンでした。

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 奥サマ役がいいですね。全然気取りがなくて、一般庶民への接し方も全然高飛車じゃない。
懐の深い女性、夫を気丈夫に支えて行く妻を演じております。
夫のどもりを治すために彼女が探し当てたのが、全く知名度もない下町の言語療法士。
やがて先生と患者と言う付き合い方を超えた、友情を育む二人の関係も興味深いです。
イギリスがドイツとの戦争を始めると言う正にその時に、人々を一つにまとめ、イギリス国民を鼓舞した国王の、隠れたエピソードを扱ったこの作品。
アカデミー賞うんぬんはもちろん注目される原因ではあります。
 個人的には果たしてそこまでの作品か? という疑問は残ります。
くまで一人の人間を描くというスタンスは全くぶれなかったという事で、評価すべき作品と言えると思います。


監督   トム・フーパー
主演   コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター
製作   2010年 イギリス/オーストラリア
上映時間 118分

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