初夏の蒼

 ヒメシジミが出始めました。
 草原でこの蝶が舞うようになると、初夏の森を彩るゼフィルスたちの季節に移っていきます。

ヒメシジミ 2017/06/12  仙台市泉区
縁毛もきれいに揃った新鮮な♂
仙台の草地に、遅ればせながら初夏がめぐってきました。

ヒメシジミ 2017/06/09  仙台市泉区
仙台のヒメシジミはヘリグロ型で、紫色が落ち着いたやや地味な感じになるものが多いようです。

           ヒメシジミ 2017/06/09  仙台市泉区

           ヒメシジミ 2017/06/12 仙台市泉区
           写した角度のせいもありますが、ジミ・シブなヒメシジミです。笑

ヒメシジミ 2017/06/09  仙台市泉区
まだ♀がわずかしかいないようで、オスたちの追っかけっこがそこここで見受けられます。

ヒメシジミ 2017/06/09  仙台市泉区
個体差が大きいのもこの種の特徴。
紫色の色合いも千差万別。

      ヒメシジミ 2017/06/09  仙台市泉区
      勢いあまって、相手の翅の上に乗っかってしまう個体もいます。

ヒメシジミ 2017/06/12  仙台市泉区
やや小ぶりですが、非常に美しい♂がいました。
深いブルーがとても印象的な個体です。
↑クリックで拡大


    ヒメシジミ 2017/06/12  仙台市泉区
    同じ♂。

ヒメシジミ 2017/06/09  仙台市泉区
これは仙台の標準的な♂。
新鮮な蝶は、どんな種類でもみな美しい。

ヒメシジミ 2017/06/09  仙台市泉区
V字の開翅。
完全に水平に開くということが少ない蝶です。

この記事に

開く コメント(0)

 もう6月の中旬となってしまった今では、だいぶ時期遅れですが、記録のためにアップしておきます。
 アオバセセリ。
 テリトリーを飛ぶときは、ものすごいスピードなので、吸蜜に花に訪れたときが撮影チャンスです。
 飛翔では、地味ないろをしたイナズマみたいな蝶ですが、止まったところをよく見ると名前の通り、ビロードがかった深い青緑色で素晴らしい生き物だと実感させられます。
 
 いつものツツジのアゲハ撮影ポイントで、同行のAさんがアオバセセリを発見。
 チャンス到来とばかり、レンズを向けました。

アオバセセリ 2017/05/22  仙台市青葉区
見た目、蝶は花の上に止まっているようですが、実は手前に飛んで、翅を全開した瞬間。
花を蹴った弾みで、花粉が下にこぼれた。
直射日光がきつすぎて、蝶にうまく露光した分、ヒメジョオンの花が白く飛んでしまいました。
こんなコントラストがきつい条件でも、瞬時の撮影では調整する暇もありません。汗;


アオバセセリ 2017/05/22  仙台市青葉区
ヒメジョオン目がけて飛来する。
ミツバチは驚いて遠巻きに飛んでいる様子。


      アオバセセリ 2017/05/22  仙台市青葉区
      何度も同じ花に吸蜜しては飛び、また次の花に移っていく。









この記事に

開く コメント(0)

ベニカラ2年目

 昨年、初めて撮影できたベニモンカラスシジミ。
 その顛末は、悲喜劇そのものだったのですが、肝心の時に使えなくなってしまったカメラに代わって、同行の蝶友Kさんからお借りした予備のカメラでなんとか撮影できたのは不幸中の幸いでした。
 とはいえ、自分の使い慣れたカメラだったら、こう撮りたい、ああ撮りたいというようなことができず、やはり心残りでした。

 というわけで、今年のリベンジを期していたのですが、なにせ、相手は日本の蝶の中でも難物中の難物と言われているベニカラ。去年も一日中待っていて、そこにいたカメラマンたちがほとんど撮影を諦めて帰ったころになって、たった一頭が現れただけ。個体数も極端に少ないようです。

 今年は、仙台在住の蝶仲間Fさんと一緒に、レンタカーで出かけました。
 ひょっとすると、去年は一頭とは言え、撮影できただけでも幸運だったかもしれず、今年はまったく姿を拝むこともできずに帰ってくるという可能性も覚悟のうえででかけたのですが、今年もなんとか撮影することができました。



ベニモンカラスシジミ♀ 2017/05/30 飯田市南信濃町
産卵のため舞い降りた新鮮な♀。

ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町
発生地の梢のテリトリーで、あたりを油断なく見張る♂

ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町
♂は前翅に楕円形の性標があるので、性別が判りやすい。
多少の違いはありますが、このオスは特に明瞭に出ているようです。
↑クリックで拡大

ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町
翅裏の色合いや紋様は個体差が大きくて、この♂は性標の発現が少し弱い感じ。
それに、カラスというよりはトビ色をしていて、全体に明るい印象。
後羽の白線が上に行くほど太くなり、紋流れ的なところもあります。

    ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町
    もっともオーソドックスな色合いの♂。新鮮な個体です。

ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町
ゼフィルスと同じように、♂はテリトリーを張り、メスを監視する。
近くを動くものがあれば、♂だろうと、ほかの種類の虫だろうと、間髪を置かず追いかけます。

ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町
名前の由来、ベニモンが見えた。

             ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町

ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町
いまいちピントが・・・・  泣;

ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町
近くを通りかかった♂に追撃するテリ♂
隅っこにかろうじて2頭が写った。でも、ピントは合ってない。w 汗;
素晴らしいスピードで飛ぶので、フレームに入れること自体が難しい。

ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町
ヒメキマダラセセリを追いかけるテリ♂。
ヒメキマは完全にフォーカス外れ。 汗;

ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町
先ほどの紋流れ気味の♂。


ベニモンカラスシジミ♀ 2017/05/30 飯田市南信濃町
この日は30℃を越える真夏の暑さ。
午前中活発に活動していた♂達は、どこか高木の木陰に身を隠してしまいました。
そんな中で、暗い下草のあたりにメスの姿が。

     ベニモンカラスシジミ♀ 2017/05/30 飯田市南信濃町
     コバノクロウメモドキの小木に止まり、歩き回りながら産卵の場所を探す。

ベニモンカラスシジミ♀ 2017/05/30 飯田市南信濃町
小枝から葉が出るあたりを選んで産卵。

ベニモンカラスシジミ♂ 2017/05/30 飯田市南信濃町
あいにく少々翅が破損していましたが、姿良く撮れました。汗;

この記事に

開く コメント(0)

 クモマツマキチョウに会いに、信州・北アルプスに出かけました。
 2年前、蝶友Fさん、Hさんと出かけて以来です。
 昨年は、この時期台湾に出かけた直後で、遠征する気力がまだなかったので見送り、2年ぶりにまた高嶺を舞うオレンジ色を見たくなったというわけです。

 クモマツマキチョウは、その鮮やかな色合いや、翅裏の雲状の美しい紋様、それと寒冷地の生き物らしく身にまとう気品に満ちた白く長い縁毛と言い、どこから見ても、どのような姿形でも絵になる、実に魅力に満ちた蝶だと思います。
 毎年、この季節になると、日本全国からこの蝶をカメラに収めようと蝶好きの人たちが北アルプスの一角に集まってきます。

クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市

 雨天が二日続いた冷涼な晴天の日。
 こんな日は、クモマツマキチョウが花に夢中になるまたとないチャンス。

 晴天の日が続いても、また気温が高すぎても、この蝶のは、花にとどまることなく、延々と探索モードで飛び回ります。
 そんな時に撮影しようと思うものなら、一時も止まることのない蝶に一日中振り回されることになります。
 この日は、どの個体もお腹がペコペコと見えて、吸蜜に余念がありませんでした。

クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
タンポポは頭状花のため、蝶は花弁一つ一つにストローを差し込んで吸蜜するので、比較的長時間とどまっていることが多い。


クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
美しいオレンジ。
品の良い抹茶色の雲状紋。
ふんわりと体を包む長毛。
ファインダーをのぞきこみながら、今年もこの蝶に会えたという喜びが沸き上がってきます。

クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
フェンスの周りに生えた食草・ミヤマハタザオに引き寄せられる♂。
幼虫時代に食べて育ったこの花の蜜を、蝶になってからもとりわけ好むようだ。

クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市
この日は♂ばかりで、♀はまだ羽化していないのかなと思っていたら、帰宅直前になって姿を見せてくれました。

クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市

      クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市


クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
直射日光が強く、どうしても蝶の白い色が飛んでしまいがちになる。


クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
周りの草に埋もれるようにして咲くミヤマハタザオで吸蜜する。
手前の草が薄いベールのようになって、柔らかい雰囲気が出ました。汗;

クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市

クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市
一株のミヤマハタザオに何度も訪れては吸蜜し、離れてはまた帰ってくることを繰り返して・・・・


クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市
ハタザオの花房に産卵を始めた。
深く曲げたお尻の先に、たったいま産みつけられたばかりの卵が見えます。
↑クリックで拡大

クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
♂の方は♀を探してパトロールに余念がない。
同じ空間に生息するヤマトスジグロチョウ♂とのバトル。

クモマツマキチョウ♀ 2017/05/27 長野県大町市
産卵を終えて、一休み。

クモマツマキチョウ♂ 2017/05/27 長野県大町市
オスも一日の縄張りパトロールでお疲れの様子。今日最後の吸蜜かな?
斜めに傾いた日の光の影が、蝶の上に落ちていた。
この花に止まったまま、夜を迎えるのだろうか。

この記事に

開く コメント(2)

ビッグ・ブルーの危機

  ご存知、オオルリシジミ。大型のブルー。
  愛好者もきっと多いはず。

オオルリシジミ♀ 2017/05/20 長野県東御市

 この蝶については、野生個体群は新潟の一部(現在は壊滅状態)、熊本(熊本地震で発生地の一部で土砂崩れにより土砂の下敷き)、大分の一部に残すのみという危機的な状況にあります。
 保護されているのは、人為管理下にある長野と、野生では熊本の個体群のみで、新潟と大分は保護の網がかけられていません。
 新潟は発生地に立ち入った採集者が、成虫だけでなく、卵・幼虫を採集・飼育するためクララの花穂をちぎって持ち帰り、知られていた数カ所の発生地はほぼ壊滅状態と言われています。

オオルリシジミ♀ 2017/05/20 長野県東御市
 
 大分の野生群の現状についても憂慮すべき状況にあるようです。
 私が加入している蝶のMLに、地元の同好者から次のような悲痛なメールが送られてきました。
 以下、全文を紹介したいと思います。
=============================
みなさん、今日は。
大分県からです。
 ご存じのように、大分県で絶滅したと思われていたオオルリシジミが7〜8年前にほぼ40年振りに再発見され、その後新しい産地が見つかっています。
 しかし、今また絶滅の危機にさらされています。棲息地は連続しておらず飛び飛びの小さな領域になっています。その小さな領域に採取者がやってきてはチョウを採って行きます。
 その小さな領域の一つには2年前の連休に大勢がやってきて(1日で10人ほど)、以来観察数が激減しました。クララの花穂が沢山切り取られたこともあります。今年の連休の間、毎日観察を続けましたが0〜2匹しか観察できませんでした。元々少なかったのですが個体群を維持できるかどうか厳しい状況です。
 また別の領域には6日(土)の午後に採取者が来ました。そして今日7日(日)は昼の時間帯に同じ領域にまた別の採取者が来ました。採取者の帰ったその後、生息数を確認しましたが0でした。
 6日(土)に採取者の来る前の生息数は交尾1、1,5でした。雄の飛び回る様子や、雄同士のおっかけっこも見ることが出来ました。
 でも、今はもうここには居ません。採取者は根こそぎ採って行きます。このままではまた大分県からオオルリシジミが姿を消すでしょう。
大分市 〇〇〇〇
=============================
オオルリシジミ♀ 2017/05/20 長野県東御市
↑クリックで拡大

 いまは40年前とは違います。
 日本の自然全体が、その生物多様性を維持できるかどうかの非常にきわどい状況にあります。
 オオルリシジミやゴマ・アサマをはじめとする草原性チョウ類の危機はまさにその焦眉と言えるでしょう。
 こうした危機的状況にある蝶であることをわかっていながら、それ故に採集をするなどという行為(特に蝶が産卵する花穂を大量に盗採するというのは文字通り「根こそぎ」ということです)は、たとえそれが人間の法律を犯していないとしても、生態系全体にする重大な犯罪行為だと思うのですが。


オオルリシジミ♀ 2017/05/20 長野県東御市
クララの花穂に止まり、産卵位置を定めようとしているところ。

オオルリシジミ♀ 2017/05/20 長野県東御市
位置を決めると尻をまげて産卵する。

オオルリシジミ♀ 2017/05/20 長野県東御市
産卵を終えると、次の場所へと飛び立っていく。

オオルリシジミ♀ 2017/05/20 長野県東御市
メスは日がな一日、産卵しては休憩ー吸蜜ー産卵を繰り返して、その短い一生を終える。
彼らが日本の自然の一部としていつまでも生き続けていてほしい、と願わずにはいられません。

この記事に

開く コメント(2)

[ すべて表示 ]


.


みんなの更新記事