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電車の中でアコムの吊り広告を見た。こんなことが書いてあった。
「持ち合わせがないのに、急に飲み会の誘い。昼休みに電話しておいた」
「退社後、カードを受け取り、飲み代Get」
うげ・・・ こんなに気軽にサラ金から借金することを勧めるなんて。
退社時までに、自分の銀行口座から下ろしておくか、さもなくば最悪、友人なり同僚に借りるだろう。飲み会1回分くらいならまだしもだが、「友情を壊したければ借金をせよ」という言葉もある。
私は、昔、夫の仕事のため京都に住んでいたとき、夫婦弁護士が経営している小さな法律事務所に勤めたことがある。京都という土地柄は独特で、共産党が異常に強い。この夫婦も揃って共産党員であった。共産党といえば、貧者の一票を大変強いよりどころにしている。この夫婦の知り合いに、京都市の○区を地盤とする京都市議会議員がいた。○区は、貧困層が多いと聞いた。京都のキの字も知らぬ私ら夫婦が住居をさがしていたとき、わざわざ「○区に住んだらあかんで」と忠告してくれる人もあったほどである。理由は、歴史的で、はっきり文章に書けない。で、その市議会議員は、地域の貧者の相談によく乗っていたので、よくよく自己破産しか手段のなさそうな借金まみれの貧者をやたらその弁護士夫婦に紹介してきた。当たり前だが、彼らに弁護士費用など払えるわけがない。みんな弁護士の持ち出し、自腹、ボランティアで破産申立てをしていた。
その、○区の住人に限らないが、破産申立て希望で来る人たちを見ると、本当に「人間って、返すあてもないのに借りるんだなあ。それに、貸す業者も悪いぞ」と思うケースばかり目に付いた。これが事業資金不足でやむなく、といった種類ならまだいい。しかし、大半が、
「4人目の子供ができましたが、夫はパチンコでお金を使ってしまうので、出産費用が足りず、夫に黙ってサラ金で借金しました。その後、5人目を妊娠しましたが、お金がないので、またサラ金から借り、返せなくなりました。サラ金が夫にばれて離婚しました」(この妻はその後生活保護に)
「借金をし、大学の近くで貸しコピー機業を始めましたが、思ったほどコピー機を使いに来ないので、赤字で廃業しました」(マーケティングもしていないのね)
「借金で苦しんでいるところ、人から『運気が良くなる』という指輪を買うように勧められ、ローンを組みましたが、全然返せません」(ちょっとバカ過ぎ)
といったどーしようもない例ばっかりだったのである。
ついでに言えば、破産申し立てするために、
「では、弁護士に依頼するので、ここに住所と名前だけ書いてはんこを押してください」
と彼らに委任状を渡しても、
「いや〜、私ら、字、書けへんのやわ」
と、自分の住所はおろか、名前さえ書けない人がぞろぞろいたのには、これまたぶったまげた。特殊な事情で育った中高年の皆さんの中にそういう人がかなりおり、彼らの弁では、
「私らは、学校へ行かへんでもええ、って言われて育ったんやわ」
と言うことだった。そういう土地柄に生まれ育ってしまったのは本当に気の毒だし、京都という土地柄の闇の深さに、暗澹とした気持ちになった。しかし、そういう人たちでも、委任状のうち、住所はまだしも、せめて氏名だけは直筆で書いてもらわないとならないので、私は、ワープロでその人の氏名を、ポイントの大きい活字で数通り印刷し、それを委任状の下敷きにして、上からなぞらせた。日ごろ字を書かないで過ごしている人たちには、字をなぞる、という行為すらも、おっかなびっくりであった。ちなみに、字を読む、という行為をしない人たちは、年をとっても老眼鏡を持っていなかった。
最近は、電車内に、弁護士ないし司法書士による「債務の相談」の広告がやたらに多い。吊り広告だけでなく、テレビCMまで打っている。出資法では、2000年5月31日まで、最高利率が40.006%であった。これが2000年6月1日から29.2%に引き下げられ、この前者の利率と利息制限法の上限の差額、いわゆる「グレーゾーン金利」の差を取り戻す、という仕事を狙っての広告であるし、この債権の請求時効が終わらないうちに、弁護士も司法書士も「ウの目タカの目」で「利息払いすぎ債務者」を探しているのである。
しかし、こんな返還請求は、小学校の算数ができて、利息制限法の条文さえ読めれば、士業の人に頼まずとも、自分一人でもできる。私も、弁護士秘書時代、紙と電卓でずいぶん計算をしてやった。しかも、最近、それら士業の人たちと、報酬の点でもめているという話が新聞によく出ている。士業にも、たちの悪い奴はいるらしい。
士業の人たちから見れば、利息を取り戻せる余地のある借金は、楽でおいしいエリアだ。が、こういうエリアに大々的に広告を打ってまで挑んでいる弁護士、司法書士を想像するに、たしかに「債務整理」は彼らの正当な業務ではあるけれど、借金にあえぐ人たちが、彼らの収入源になるなんて、なんかいやだと思う。それ以前に、そういう人たちに、「安易に、返すあてもないのに借金をしてはならない」という、基本的な教育的指導をしてやって欲しいと思うのだが。
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おはようございます。
悲しい現象ですね。
コチラでも人気取りで借金の利息返済猶予とか、闇金融からの借金を正規融機関からに借り入れに組み替え、闇金融を取り締まる動きがありますが、その日暮の人が次に借金する時正規金融機関が担保もない人に融資するでしょうか。
むしろそうした援助は借金の奨励につながりそうで怖いです。むしろ汚れ仕事でも辛い仕事でも、働いて生活することを教え、手元にあるお金で生活すること、見栄を張ったり、他人と同じ生活を望んだりすることのないような昔ながらの身の丈にあった生活習慣、社会作りが望ましいと思います。濫りに援助などをするべきではないと思います。基本的に自分の生活は自分で面倒見るのが常識人です。昔は、地を這いずり回っても生きてきたものですが、今は安易に流されますね。
そして、弁護士ですが、あたしの嫌いな職業です。
2009/12/26(土) 午前 7:13 [ mana ]
勉強になりました。
私は年寄りのわりには社会の「実態」を知らないのですよ。こういう記事は参考になります。manaさんの言われることに賛同します。
それにしても今時、自分の名前が書けない人がいるなんて・・・唖然としますね。
京都の事例はとても参考になりました。ポチ!
2009/12/26(土) 午前 7:37 [ yajimatakehiro2007 ]
oyunamさん、「カイジ」って済みません、知りませんでした。
私の知っている金融関係のマンガだと「ナニワ金融道」とか「カバチ」とかそんなとこです。
2009/12/26(土) 午前 11:47 [ 桃実 (Momomi) ]
桜花さん、家賃のように、毎月必ず発生するはずの支払いができなかったりする人って、「ほかに出費がいろいろあったんだからしょうがないじゃないか」と言われるかもしれませんが、あまり好きになれないです。
2009/12/26(土) 午前 11:50 [ 桃実 (Momomi) ]
manaさん、御説ごもっともです。身の丈に合った暮らしができない人たちがこんなにもいるのかと思うと・・・借りたら返さないといけないということも分かっていないみたいです。そんな人たちの世話をしないといけない弁護士さんたちもご苦労様です。
2009/12/26(土) 午後 0:04 [ 桃実 (Momomi) ]
yajimaさん、京都の闇の深さには唖然としますよ。
また、いやな話ですが、そういう被差別地域の出身であることを特権のように振りかざして無茶な要求をする例もあるくらいです。
2009/12/26(土) 午後 0:07 [ 桃実 (Momomi) ]
初めまして・・manaさんの言うとおり。tousanは小5より働いてきました。大学は出てません。中卒で就職し懸命に生きてきました。誰の助けも有りません。
頑張れば生きて行けますね・・・・
2009/12/26(土) 午後 4:39 [ tousan ]
tousanさん初めまして。いつも風刺川柳楽しく読ませていただいています。小5から働いておられるのですか?学歴にかかわらず、誰の助けも借りずに懸命に生きてこられれば素晴らしいではありませんか。安易に借金し、自己破産する人たちにtousanさんの爪の垢を煎じて飲ませたいです。
2009/12/26(土) 午後 9:34 [ 桃実 (Momomi) ]
まずは、朝鮮玉入れ(パチンコ)を撲滅させるべきです。
パチ屋の換金行為は風営法23条で禁じられており、完全な違法行為です。
取り締まらない警察や対策を施さない政治家や全て国賊です。
朝鮮玉入れ(パチンコ)さえなくなれば、借金で苦しむ人たちも激減します。
傑作
2009/12/26(土) 午後 10:48
あぁ京都のあの地区ですね、今もあるんですか。
京都で学生時代を過ごしたので知っています。
母校の近所でもあり、最初に住んだお寺のボロ離れと目と鼻の先でしたから・・・
そういえば奈良に住んでいる友人は奈良のある地域は絶対に車で走らない(当然歩かない)そうです、21世紀の今でも石とかぶつけられるそうです。
2009/12/27(日) 午前 4:58
coffeeさん、家庭や家計を顧みずにギャンブルに注いでしまう亭主族や主婦が沢山います。これらはれっきとした精神病(依存症)です。これだけでも不幸なだけでなく、北朝鮮への資金源にもなることですし、なんとか取り締まれないものでしょうか。警察官もギャンブル好きが多いのでしょうか。
2009/12/27(日) 午前 8:44 [ 桃実 (Momomi) ]
fksさん、ありますよ、まだまだ。私が初めて京都に住んだとき、町の大きな建物に、やたら「人権を守りましょう」という垂れ幕が下がっているので、「なんで?」と思いました。
奈良にもあって不思議ではありません。
本当にそういうのって気の毒ですし、生まれてしまった方々に全く落ち度は無いんですが。ただ、それを逆手にとって、無茶な要求が出され、周囲も腫れ物にさわるような(市役所の職員なのに、やたら欠勤しても首にできない、とか)対応しか取れないというのは許しがたいことですが。
2009/12/27(日) 午前 8:48 [ 桃実 (Momomi) ]
人間って、せっぱつまると返すあてのない借金もしてしまうのですね。胸の痛む話ですが、サラ金もどこも経営が行き詰っているようです。不自然なビジネスは長続きしないということだと思います。
2009/12/27(日) 午後 3:24
金持ちになる鉄則(浅田次郎より)●高利貸しで無慈悲に取り立てをする●借金をして絶対に踏み倒す
2009/12/28(月) 午後 5:12 [ ネオ若狭 ]
「利息を払いすぎ」と言うくせに、その弁護士の報酬は払いすぎの利息から計算するんですよね。
取り戻した利息の何%とね。
おかしいですよ。
2009/12/28(月) 午後 6:06
一気に読みました
単に生き方が下手ではなく、生まれた場所が悪いというだけでなく、愚者は、気がつかないままだと一生愚者だと・・ 傑作
2009/12/29(火) 午前 8:49
audreyさん、サラ金もこの「過払い利子」の返済で経営の危機に瀕している状態です。だから士業の人たちが「明日では遅いかもしれません」なんて電車内広告を打っているんですよね。しかしせっぱつまる以前に「避妊をする」といった注意もしない人もいて、ちょっと・・・
2009/12/29(火) 午後 3:22 [ 桃実 (Momomi) ]
ネオ若狭さん、そうですか。では私は一層金持ちになれませんね。というかそんな方法まで取って金持ちになって幸せとは思えぬ、という貧乏人のひがみ・・・
2009/12/29(火) 午後 3:23 [ 桃実 (Momomi) ]
真理さん、その報酬ですが、司法書士会では、はっきりした料率(%)が決まっていないそうなのです。私は昔弁護士事務所に勤めていたとき、弁護士報酬の料率は規定があったのですが、今どうだか分かりません。士業の中には、100万円利息を回収しても50万円ぶんどる人もいたり等、新聞を読むとどうしようもないのがいるようです。
2009/12/29(火) 午後 3:31 [ 桃実 (Momomi) ]
ナオミさん、彼らが生まれてしまった環境について彼らの落ち度はまったくないんですが、初等教育を受けていない、というダメージは回復不能に近いと思います。ただ、実名を挙げて恐縮なんですが、野中広務さんのように立派な方もおられます。
2009/12/29(火) 午後 3:35 [ 桃実 (Momomi) ]