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この見出しを見ただけで「あ、不可抗力免責条項の話ね」と理解できたら、その人は英文契約書を読み慣れた人だと思う。
先月来、アイスランドで火山が爆発し、ヨーロッパ各国の空港が、数日間閉鎖されたのは記憶に新しい。このため、目的地への移動ができず、自費でホテルなどに泊まった人たちが沢山いたが、それらの費用は航空会社や旅行傷害保険から出るのかとおもいきや、それは補償の範囲外だという。補償の範囲外とするということをうたった運送約款や保険約款の条文の一つが、このForce Majeure(なぜかフランス語)である。
典型的な例としては、こんな感じだ。
Force Majeure
Neither party shall be liable for any delay or failure of performance hereunder if such delay or failure is due to fire, flood, explosion, earthquake, storm, epidemics, quarantine restrictions, war, riots, rebellion, insurrections, hostilities, civil commotions, strikes, sabotages, labor disputes, industrial disturbance, shortage of labor, materials, pr supplies, delay or failure by subcontractors or suppliers, embargo, transportation accidents, law, rules, regulations, orders or directives of government or its agency, orders of competent court, or any other cause beyond the control of either party.
不可抗力
火災、洪水、爆発、地震、暴風、疫病、検疫規制、戦争、暴動、内乱、反乱、敵対行為、市民騒乱、同盟罷業、怠業、労働争議、産業騒乱、労働力原材料または供給品の不足、下請業者または供給業者の遅延または不履行、禁輸、交通機関の事故、法律、規則、規制、政府またはその期間の指示命令、裁判所の命令、その他当事者の制御を超える事由により本契約の履行に遅延または不履行が生じた場合、当事者は、遅延または不履行について責任を負わないものとする。
日本の契約書であれば、性善説的であり、同じ国の民だと言うことで、「あんまり言わなくてもわかるでしょ」という感じで、契約書も薄いのだが、英文契約の場合だと、性悪説的で、「言わなきゃわからんだろ」「書かなきゃ、どう悪用されるかわからない」という具合に、これでもか、これでもか、と書きこむので、日本なら3ページくらいで済む契約書でも、20〜30ページくらいになったりする。
で、とにかく何が言いたいのかと言うと、火山の爆発という制御範囲外の事由で飛行機が飛ばなかったので、責任を負わないよ、ということである。「その他当事者間の制御(「支配」でもよい)を超える事由で」というのは、免責規定の際、必ず見る「シメ」の言葉である。Act of Godともいう。文字通り「神のしわざ」であって、我々人間には何も手出しできないこと、という意味である。
とにかく、旅行にはアクシデントがつきもので、無事に予定通り帰れれば御の字であるということを改めて悟った。
ちなみに、飛行機仲間と話していたとき、私はてっきり、飛行機のキャンセルの理由を、視界が爆発の噴火でさえぎられたせいだと思っていたが、そうではなかった。いまどきの飛行機は、視界ゼロでもレーダーと管制のおかげ飛べるのだそうだ。今回、飛行機が飛べなかったのは、火山灰に含まれる粒子が、クレンザーというかヤスリのようにフロントガラスや機体をこすってキズをつけてしまうこと、そして、エンジンに灰が溜まると停止してしまうせいだと教わった。
また飛行機の勉強になった。
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