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たまたまこんな本が目に留まったので、借りて読んだ。
筆者の上原氏は、大阪の被差別地域の出身者である。
教育に全く関心のない両親と一族において、彼だけ体育学校ではあるが大学に進み、のちにノンフィクションライターになった、とある。筆者自身が被差別地域の出身だけに、書いてある内容は実感がこもり、絵空事のようには響かない。
とりあえず、「気違い」についてだけここで言及する。
もともとは、昭和49(1974)年、毎日放送が使った「気違い」という言葉に、大阪府精神障害者家族会連合会から抗議があったことをきっかけに、毎日放送がこれを禁句としてしまったため、この言葉は以降、差別用語とされてしまった、とあった。
そうなんだ。それ以前なら、放送されていたわけだ。
連合会の説明によると、抗議の理由は、
「このことばによって、治療は停滞し、家族は委縮し、回復期にある患者にはショックを与え、ひいては異常な状態を起こす一因ともなりかねないという事実が医学的に存在する」
というものだった。
しかし、ある精神科医はこれに反発している。
「言葉が(中略)病状を悪化させたり、その人にショックを与えたりするかどうかは『どんな雰囲気で、誰から誰へ言われたか』、による。一般に、自分とは無関係に言われた『キチガイ』という言葉、音声が、患者の病状を悪化させるとは考えられない(後略)」
連絡会が過敏になるのも同情するべき点はあるし、確かに乱発するのはよろしくない言葉ではあるが、言葉狩りだととらえられても仕方ない面がある。
もっと驚くのは、1982年、フジテレビが夕方のニュースのスポーツコーナーで、
「ブラジル人はサッカーきちがいです」
というコメントをしたとき(私見:ブラジル人は本当にそうだと思う)、抗議をしてきたのは、上記の連合会ではなく、(部落)解放同盟中央本部と、その寝屋川支部からであったことだ。連合会からならまだしも、解放同盟からの抗議であったことにTV局側は縮み上がり、翌日の番組で謝罪し、解放同盟にも謝罪文を送ったという。
なぜこれが、部落解放同盟の仕事になるのだろう。
ちなみに、「釣りキチ三平」という有名な漫画がある。1980年から82年にかけて、アニメでも放送されたが、上記の連合会は、「この番組に限ってはOK」と許可したそうだ。
矛盾した話だ。例外をOKすることはおかしいのではないか。もし、明るくて楽しい釣り漫画だから、というのが理由だとしたら、サッカー気違いだって変わりはない。
私は和犬(特に柴犬)気違いだし、世の中には「カーキチ」や「ゴルフ狂」等、明るくポジティブな気違いもあまたいる。そういう人たちが自称「◎◎キチ」というのも許されないのだろうか。
そして、「△▲キチ(ガイ)」という言葉の使用決済権限が、いつから連合会に委ねられるようになったのだろう。
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