桃実 says

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母の見舞いに行く。これまで3割くらいしか食べなかった食事を、私が1時間くらいかけて、ちょっとずつ口に運んだら、なんとか8割以上食べた。
これだけ食べられれば、今回はまだ葬式には至らないのではと思う。油断はできないけれど。
年を取ると、「持つべきものは娘」ですぞ。息子じゃこういう細やかな世話はできない。しかし、私が年をとっても誰も来てくれないけど。

6人部屋の入院患者を見回すと、母を含めて、認知症の老女ばかり。隣は、時々「あー」っと叫ぶ人。向かいの人は、元臨床検査技師だという。結構インテリだったのだ。そのせいか、驚くほど理屈っぽくて、看護師、医師、訪問に来てくれたケアマネージャー、そして息子に対して、「自分はこんなところに入るような原因を作った人間じゃないのに」という根拠を、支離滅裂なまま、延々しゃべりまくっている。はたで聞いているだけの私も疲れるほどであった。それを本人が疲れない、というのはある意味すごい。

先日、興味ある記事を見た。アルツハイマーが女性に多い原因の一つは、亭主にあるのではないか、というものだ。


「外来をやっていると、このご主人がこの奥さんのアルツハイマーの一因ではないかと感じることが多々ある」とあったのには、思わず100回くらいうなずいてしまった。
とにかく独善的、自信家、自己主張が強く、いつでも自分が100%正しいと思い、妻のことを平気で見下す夫の妻に、アルツハイマーがよくあるそうだ。
現在、アルツハイマーを患う女性たちは、ほとんどが、夫に養ってもらわないと、生きていくことができなかった専業主婦世代だ。
だから、夫の独善、横暴さにも、ずーっと耐えてきた。余計なことを言わず、考えずに。
そうして生きてきた結果、自分で思考するという行動を停止させられてしまったのが一因では、というのだ(拍手)。

私が何でこれほどこの見解に賛同するかと言うと、死んだ父がまるっきりそのタイプだったからである。
父のクソ頑固さと思い込みの激しさは、ちょっとやそっとの文章では書ききれない。
簡単な表現で行くと、一度「カラスは白い」と言い出したら最後、何千羽のカラスを見せられても、見ないふりをして、死ぬまで「カラスは白い」と主張し続け、カラスは黒いと言う母をこてんぱんにやり込める、という感じだ。

母も、そんな父に養われてきた専業主婦だったから、余計なことを言わず(言ったら最後、父は鬼のように怒るのは目に見えていた)、じっと耐えてきた。
それがつもりつもってアルツハイマーになった、と言われたら、私は素直に信じてしまう。
今どき、女性たちだって自分で働き、自立している人が多くなった。少子化になるばかりだが、上の説が正しければ、少なくとも、アルツハイマー予防の観点からは良いことだ。




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