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私は「学校を出たら社会で働いて食べていくのは当然」と思って育ったし、世の中の圧倒多数の人々もそうである。
しかし、政府が調査したところ、40〜64歳以上の中高年の引きこもりの方が、15〜39歳の若年引きこもりより人数が多いことが判明し、世間に衝撃を与えた。彼らの家が十分裕福ならそれもいいだろうが、80歳を超えた親が死んだらどうなるのかわからない引きこもりも当然多いだろう。
昨日、「上級国民」とも呼べる、東大卒の元農林水産省事務次官(76歳)が、44歳にもなる引きこもりの息子を殺してしまった。これまでも、この息子の家庭内暴力にさんざん悩み、諸方面に相談してきたというが、ついに耐え切れなくなったらしい。
暴力的な息子が何かしでかす前に、親が自ら手を下した。
登戸の事件の影響もどれほど大きかったろう。息子も「俺だってあのくらいやってやるぜ」くらいの暴言を吐いたかもしれない。
このケースの裁判では、お父さんには是非執行猶予を付けてあげていただきたい。
勿論、親に落ち度が皆無ということはないだろう。しかし、息子のことで、どれほど悩み、苦しんできたか、計り知れない。近所にはこの息子の存在すら知られていなかったというから、本物の引きこもりである。44にもなるおっさんの息子が1日家にいてゲームなどやり、しかも親に暴力までふるうとしたら、誰だって殺したくなる。44歳対76歳なら、息子の方が体力が上なのだが、それでも。
この上級国民の父は、
「エリートの俺から、なんでこんな息子が」
と、天を呪い続けたであろう。この夫婦にとって、家庭はほとんど地獄でしかなかったはずだ。
作家の田辺聖子さんが、
「子供は『当たるもの』だ」
とお書きになっていたが、そのことを改めて思い出してしまった。
登戸の事件を受けて、一般社団法人UX会議」という団体が、
「引きこもりは犯罪予備軍という見方は偏見だ」
という声明を出したという。
確かに、それは偏見だ、しかし、誰も「引きこもり=100%犯罪予備軍」なんてことを言っていないのに、被害妄想的な声明ではある。国民の三大義務である「教育、勤労、納税」のいずれも果たせていない人々の「権利」主張は、あまり聞いていて気持ちがよくないという思いもちょっとある。
しかも、この上級国民氏は、多方面に相談していたのに、ちっとも解決にならなかったのだ。あとは親である自分で始末せねば、と決断するに至ったのは悲劇だが、ほかにどうしろと言えるのか。
こういう引きこもりの犯罪者の場合、犯人の写真が、中学か高校の卒業アルバムしかないというのも、よくある悲しい事実。友人も無く、親以外、外部の人間の誰一人ともかかわらずに生きて行けば、まともでなくなるのは当然である。
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