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第19回アルゲリッチ音楽祭の最終日、「室内楽マラソン・コンサート」に行ってきました。
演奏会自体の内容については、きっと行かれた他の方々が書いて下さると思うので、私自身は、とても印象に残った、今年で95歳になられるヴァイオリニスト、イヴリー・ギトリスの、とある一幕を。
音楽祭の特徴として挙げられるのは、型にはまらないコンサート。
ギトリス、あまりにもグレート過ぎて、ご自身がステージに上がっていても、それはまるで、ご自分の部屋で、親しい人たちに囲まれているような雰囲気を出していました。
ステージに上がる時は、アルゲリッチらに手を引かれて現われ、後ろからホールスタッフが、、赤いクッションを抱えていそいそとついてくる。
ギトリスが座る前にそのクッションをササッと置き、そこへギトリスを誘導し、観客の拍手を受けた後におもむろに腰を下ろす。
今回は3度ステージに出ました(朗読のBGM、クライスラー2曲、シューマン・ピアノ五重奏曲)。3度目のシューマンの時のギトリスがとてもチャーミングでした。
①まず、拍手喝采を受け、席に座ります。
②メンバーがピアノと音程を合わせるため、チューニングを始めます。ギトリス以外は終わります。
③ギトリスはどうも納得がいかないようで、なかなか終わりません。
④ブツブツと呟いて、隣のヴァイオリニスト豊嶋泰嗣さんに、「チューニングしろ」自分のヴァイオリンを渡す。
⑤豊嶋さん、アルゲリッチの叩くAとDの音に合わせ、チューニング。そしてギトリスに返却。
⑥ギトリス、再度チューニングを試みる。
⑦再び、豊嶋さんに「ほれ」と渡す。。。
⑧再度、豊嶋さん、チューニング。
⑨今度は、ギトリスも納得。
⑩でも、譜面台の位置が気に入らないらしく、またブツブツ。
・・・足でツンと軽く蹴って、好みの位置にずらしました。
そういえば、座る時にスタッフさんに「it's too far(遠すぎる)」とぼやいてはいましたっけ。。。
やっと演奏が始まりました。。。笑
大先輩のヴァイオリンをチューニングしなくてはならなかった豊嶋さん、焦っただろうな・・・笑 観客席にいる私たちには、アットホームな雰囲気で楽しかったのだけど。温かな笑い声も起きました。
いつもは自由奔放な演奏で私たちを楽しませてくれるアルゲリッチが、この日ばかりはギトリスの演奏に寄り添うような形でコントロール。
シューマンの2楽章の終盤、ギトリスに気を使いすぎてしまったからでしょうか、ピアニッシモのところで咽てしまったらしく、曲が終わるまで、ずっと咳き込みながらの演奏。
挙句の果てには、演奏終了後、舞台袖に戻る時にドアではないところに向かって歩いてしまうというおまけつき。
ギトリスはとても楽しかったようで、二胡に二胡しながら舞台を降りました。
演奏はと言いますと、人間も95歳にもなると、さすがに筋肉も衰えるけれど、それでも往年の輝きの片鱗は垣間見ることが出来、音楽にある艶をしっかりと堪能させてくれたところは、さすがだなあ・・・。
とってもとっても良い演奏会でした。 |

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