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≪日刊スポーツ新聞社、販売局流通開発部・赤坂厚参事の世界遺産旅行記です。≫ モレーンレーク 切り立った山々に囲まれ、青い水をたたえるモレーンレーク タカカウ滝 豪快に水しぶきをあげて落ちるタカカウ滝 カナディアンロッキーでは、なんといっても湖の表情には目を奪われる。 今回は代表的な5つの湖を紹介しよう。 ◆レイク・ルーズ 青みがかった緑色。「神秘の湖」と言われるという。正面にあるビクトリア 山から氷河が下っており、その水をたたえている。湖畔のホテル、シャトー・レイク・ルイーズ もよく知られている。 ◆モレーン・レイク レイク・ルーズから山道を進み、車止めから徒歩で山を上っていく。リス なども寄ってくる。視界が開けると、目の前には「テン・ピークス」と呼ばれる10の頂が連な る山並み、その下に青い色に輝く湖面。「カナディアンロッキーの宝石」とたとえられる。この 風景は、カナダ20ドル札の絵柄になった。そのへんの岩に座って眺めていると時がたつのを忘 れる。ぜひ、寄りたい。 ◆ボウ・レイク ボウ・バレイという「氷河ハイウエー」に続く道のわきに、青色の水をたたえ ている。バスの中からでも、そのきれいな色は目に焼きつく。すぐ近くにはクロウフット氷河が ある。 ◆ペントー・レイク ボウ・レイクの先、ボウ峠でバスを降り、山道を散策がてらブラブラ歩く と、眼下に青い湖が現れる。光の加減によっては鮮やかな水色に変化する。展望台になっており、 記念撮影、特にカップルには絶好のポイントだ。 ◆エメラルド・レイク 本線道路からは少し離れた場所にある。深緑色の水をたたえた小さな湖。 朝だったこともあって、あたりは静けさに包まれ、自分の声も響きそうなほどシーンとしていた。 カナディアンロッキーの湖のきれいな色は、氷河の中にあるマウンテンフラワー(岩粉)の量 が影響していると、ガイドが説明してくれた。多いと乳白色に、少ないと青みがますという。細 かな粒子が光の反射を左右し、それぞれ違う独自の色を生み出しているようだ。 このあたりの歴史を説明してくれるガイドが、よく口にするのがヘクターとウィルソンという、 2人のカナディアンロッキーの探検者。そのヘクター氏が思わぬ命名者になったのが、エメラルド・ レイクから近い「タカカウ滝」だ。ネイティブ・インディアンの案内で訪れた際に滝の名前を聞い たが、滝を見た感想を聞かれたと思ったネイティブ・インディアンが「タカカウ(なんて素晴らしい)」 と答えたという。確かに、豪快な滝だ。 3000メートル級の山が連なるカナディアンロッキー。山に登る人やトレッキングをする人は、
さらに野生動物はじめ自然を満喫することができるだろう。しかし、氷河ハイウエーに沿って点在 しているビューポイントから、山や湖を眺めるだけでも心が現れるようになる。モレーンレイクで、 岩に座ってボーっと眺めていたら、リスがすばしっこくこちらに寄ってきた。そんな景色の中で時 間をすごせるぜいたくさが、ここにはある。そして、氷河、湖、滝、川と個性的な形の山々など、 カナディアンロッキーがみせるさまざまな表情は、どうやらほとんどすべてが、水によってつくり だされているらしいことにも気付く。 |
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2006年09月19日
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≪日刊スポーツ新聞社、販売局流通開発部・赤坂厚参事の世界遺産旅行記です。≫ アサバスカ氷河 アサバスカ氷河では雪上車で上流に向かい、氷河の上に立つことができる キャッスルマウンテン カナディアンロッキーの玄関口にそびえるキャッスルマウンテンは、 名前の通りお城のよう カナダ・エドモントンから、カナディアンロッキーに向かったのは、6年前の9月。北米大陸を 南北に連なるロッキー山脈のカナダ側の部分でも約2000キロに及ぶので、見に行くのはほんの さわり程度なのだが。山中のハイウエーをひた走ると、サスカチュワンT字路という、カナディア ンロッキーを縦断する「氷河ハイウエー」との交差点に着く。左に行くとバンフ、カルガリーへと 続く。われわれは右に折れて、ジャスパー方面へ向かう。目指すはアサバスカ氷河だ。 この氷河、コロンビア大氷原というカナダ最大の「製氷所」から流れ出している。山に降った雪 や雨が積もり、膨大な氷が作られる。その大氷原から氷河が流れ出す。湖から川が流れ出るような もの。その1つが、アサバスカ氷河。氷河の先端(河口?)から、上流に向かっていく。右手の山 アイスドームから流れ出る川が太平洋、大西洋、北極海と3つの大海に注ぎ込む分水嶺になってい るという。スケールの大きい話だ。大きいといえば、氷河探索にいく雪上車。タイヤの直径は人の 身長近くある。形はバスだが、トラックの荷台に座席を置いている感じで、乗り心地はお世辞にも いいとはいえない。ゆっくり15分ほど走って、氷河の上に降り立った。さすがに寒い。周囲の山 にも氷河がへばりつき、いまにも落ちてきそうなものもある。 足下の氷の裂け目には、水が流れている。大きくはないが、氷の裂け目クレバスもあるので、歩 くときは要注意。ガイドが「水はきれいですから飲んでも構いませんが、純水に近いのでお腹には 良くないかもしれません」。人間、あまりきれいすぎるものは体に良くないのだろう。まさに「氷 のように」冷たい水を手ですくい、忠告通り、飲まずに口をすすぐだけにしておいた。 ちなみに、雪上車ターミナルにはこの水をボトリングして売っている自動販売機があるので、お土 産に1本どうぞ。この氷河、地球温暖化の影響か、世界中の氷河同様、年々後退しており、山を削っ て運んできた土砂だけが下流にどんどんたまっている。 アサバスカ氷河を見た後は、バイフに向けて氷河ハイウエーを戻る。もう1つ、途中で有名な氷 河が見られる。山腹に張り付くようにある「クロウフット氷河」。カラスの足のような形をしている。 もともとはちゃんと3本の細長い氷河が分かれて流れ出ていて、3本の指のようだったというが、 今では一番下の氷河がなくなって指は2本に。これも地球温暖化の仕業のようだ。 バンフの街に入る前、独立峰といってもいい「キャッスル・マウンテン」が見えてくる。この山
はカルガリー、バンフ方面から行く一般的なルートでは、カナディアンロッキーの玄関口にあたっ ている。名前の通り、中世ヨーロッパの城のよう。なんでも、米大統領アイゼンハワーに敬意を表 して「アイゼンハワー山」と命名しようとしたが、命名式をゴルフで欠席したのに怒って、今の名 前になったのだとか。山容をみれば、今の名前がふさわしい気がする。 |
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≪日刊スポーツ新聞社、販売局流通開発部・赤坂厚参事の世界遺産旅行記です。≫ インドの叙事詩など精緻なレリーフが刻まれたバンテアイスレイ かつたは盗まれそうにもなった魅力的な女神ディバダー アンコール・トムには四面仏顔が刻まれている タ・プロームでは巨大な木が遺跡を破壊しつつある ホテルで昼食をとりながらの休憩が3時間もあった。ただ、無駄な時間ではないことが、 すぐ分かる。食べ終わるころ、スコールがやってきた。「バケツをひっくり返した」どころ ではない。一瞬(ホント、一瞬)にして、屋外の食堂から泊まっているコテージへの道が足 首ぐらいまで水没する。さっきまで道だったところにカエルが泳ぎ、ヤモリが壁にしがみつ いている。そういえば、部屋には普通スリッパがあるはずが、なぜかビーチサンダルが置い てあった…。豪雨は1時間ほどでやむと、日差しが戻ってくる。水の引きも早く、街中では 人も自転車も、泥だらけではあるが、何事もなかったかのように行き交っている。 「遺跡群」とつけられているだけに、アンコールワットを中心に多くの遺跡が点在している。 アンコール・トムはバイヨン寺院の四面仏顔塔で有名。一つ一つ、微妙に表情がちがう。また、 壁にあるレリーフは、アンコールワットが伝説や王の業績などがテーマだったのに対し、当時 の庶民の暮らしぶりなど身近なテーマになっているものも多い。 さて、遺跡群の中で異彩を放つのが「タ・プルーム」。木に押しつぶされた寺院。間近でみ ると、その木のスケールが分かるので、なおびっくりする。20メートルぐらいの大木が、石 造りの建物から何十本、何百本と「生えている」。積んである石の隙間に根なのか枝なのかが 入り込み、崩してしまったようだ。植物の強さ、再認識した。 遺跡群の中での一押しはまだ世界遺産には登録されていないかもしれないが「バンテアイ・ スレイ」。内戦の間、ポル・ポト派の拠点近くだったこともあって、最近までは非常に危険だ ったという。数年前から、ツアーにも組み込まれ始め、今ではかなりのツアーでルートに入っ ているので、たぶん道の整備が進んだのだろう。行った当時はまだすさまじいでこぼこ道。整 備されていたら、アンコールワットあたりから1時間くらいの感じだが、鮮やかな赤土の道に は大きな穴が無数にあり、乗ったワゴン車は、台風の海の小船さながらの大揺れ。時速10キ ロも出ていない、というか、出せない。こちらもつかまるのに必死で、身を固くしていたので、 途中で「体伸ばし休憩」をいれてもらい、3時間ほどかけてようやく着いた。 遺跡自体はこじんまりしていて、アンコールワットやバイヨン寺院といった巨大建造物とは 趣が違う。バンテアイ・スレイは「女の砦」という意味だという。全体が赤い石でできており、 レリーフの題材はお決まりのインド叙事詩がメーンだが、彫りの深さ、精密さからいえば、ワ ットやトムは足元にも及ばない。特にレリーフのヒロイン・ディバダー(女神)は魅惑的だ。 かつてフランスの作家がはがして持って帰ろうとして国外追放されたというが、気持ちは分かる。 アンコール遺跡群ナンバーワンといっていいと思うので、お見逃しなく。 シェムリアップに戻って夜、近くの野外劇場でカンボジアの伝統舞踊アプサラダンスをやっ
ているというので、見に行った。神へ祈りをささげるための天女(アプサラ)の舞い。少年少 女が化粧をして鳴り物付の音楽に合わせて踊り、劇もある。猿が少女にプロポーズしたり、男 が女に振られたりなど、言葉は分からなくても、なんとなくストーリーはつかめ、コミカルで 笑わせる場面も。アンコールワットがラベルに描かれたビールでのどを潤しながら、どうぞ。 |
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≪日刊スポーツ新聞社、販売局流通開発部・赤坂厚参事の世界遺産旅行記です。≫ <アンコールワット>独特の塔がそびえ立つアンコールワット <アンコールワット入り口>堀を渡る通路の左右で修復具合が違う <アンコールワット壁画>インドの叙事詩や王の伝記などを題材にした壁画が内部の壁に描かれている これで通関させてくれるの? シェムリアップ国際空港(当時)の税関は、大学で講義をする教授 の机みたいなデスクがポツンとあるだけ。囲いもない。思い当たる節がなくても、なんとなく緊張感、 怖さみたいなものがある通関時だが、ここは雰囲気からしてフレンドリー。パスポートを差し出すと、 職員はにこっと笑いながらスタンプを押してくれた。
「アンコールワット」という名前の響きに誘われて、7年前に行ってみた。それほど昔ではないが、
当時はまださびれた感じの田舎町。悲劇的だった内戦の激戦地だったということもあるかもしれない。未舗装の道路を街中に向かう。田園風景が広がり、道の両側にたくさんある池にはハスの花が 咲いている。町に着くと、今度は舗装された、といってもがたがたの道に入る。付近はホテルの建設 ラッシュだった。ところどころにあるブッシュ地帯には「地雷注意」のマーク。なんともいえないコン トラストだ。
一本道を進み、目の前が開けると、アンコールワットが突然姿を現す。堀を渡る参道の前に立つ。
てっぺんが欠けた塔がまず正面にみえる。どこか変なのは、参道の右側はちゃんと平らに石積みされているのに、左側の石積みはガタガタで、歩けそうもない。「右は日本やフランスが修復、左は××が修 復したのですが、技術に差があったようです」と、ガイドが説明する。遺跡の修復は、しっかりやらな ければ、やらないほうがまし、という状態になりかねない。いまはどうなっているのだろうか。
最初の門をくぐると、前方に、今度は特徴ある塔が現れる。いよいよ、本堂の中に入るが、ぜひ日本
を発つ前に予習しておいた方がいいのは、インドの叙事詩「ラーマヤーナ」「マハーバーラタ」に、ヒンドゥーの古典など。というのは、回廊はじめ、壁にたくさんの彫り込まれているレリーフの題材に なっているからだ。「世界はヒンドゥーの神々と阿修羅が大蛇を綱引きし、乳海を攪拌して甘露に変わ った」「婚約者を奪われた王が、猿の軍団と手を結んで取り返す」……そんな物語や、アンコールワッ トを建設したスールヤバルマン2世の伝記物語などが、精緻なレリーフで表現されている。ただ、照明 はほとんどなく、窓(?)から差し込む光だけなので、奥や天井は目を凝らさないと見えないところも ある。回廊の窓にある、そろばんの玉のような石の格子(連子窓)が、妙に印象に残った。
レリーフのスターは女神「ディバダー」。天女のレリーフがいたるところに彫られ、同じものがない。
モデルがいたのだろうか。探せば、きっと好みタイプのディバダーがみつけられるだろう。もう1つがナーダと呼ばれる多頭の蛇。橋の欄干や手すりなどに登場する。
アンコールワットとは「寺院のある町」の意。9〜13世紀に栄えたアンコール王朝の中で、12世紀
に建てられた。その象徴といえる、つくしのような尖塔。中央祠堂には5基あり、すべてではないが外側から上ることができた。階段は急傾斜で、つかまる鎖も ある。普通に上り下りできる代物ではない。 階段というよりは、塔のデザインの1つのようだ。上った先からのながめは壮観。発見されるまで遺跡 を覆い尽くしていたジャングルを含めて、遺跡全景を見渡せるので「高い所」には、行く方がいい。 ただし、下るときに下を見ないほうが身のため。 踏み外したら、一直線に下まで滑り落ちかねないので。 |
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