名前のない馬鹿 -A Fool With No Name-

5月3日〜5日の日中、ほぼ外にいた結果、顔にすごい日焼けをしてしまいました。

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4月29日、朝9時。
ホテルを出た私たちは、まだ時間も早いということで魚津市内を車で回ってみることにしました。
魚津はバイパスが整備されていて非常に走りやすく、信号もそこまで多くないので車通りがスムーズでした。
そしてバイパスから町の中心部へ入ると、そこはいわゆる地方都市の風景で、以前に整備されたであろう大通りと、それと交差する細い道がいくつも交わった、少し寂れたような、暖かいような町でした。
 
ところで魚津には、私が知る限りでも有名なものがふたつあります。
ひとつは、蜃気楼。
そして、水。
 
以前にラジオで、東京から始発に乗って、終電で帰ってこられるいちばん遠い駅ということで魚津駅が紹介されていました。
その際に、駅前にある水がたいそう旨いということでみんなで飲んだ…などという放送を聞き、富山に行った際にはぜひ飲んでみたいと思っていたのでした。
それが、たまたま、本当にたまたま魚津の温泉に宿泊して朝を迎えたので、これはぜひ行って飲んでおかないとと思い立ち、私は魚津の町の最も中心となる魚津駅へとハンドルを切りました。
そしてあまり車通りが無いのをいいことに魚津駅前の道路わきのスペースに車を停め、嫁に水を飲みに行こうと言ったところ「行かない。」と即答され、仕方なく私一人で水を飲みに行きました。
 
駅前のロータリーにかかる信号を渡り、駅舎を見るとどこにも水飲み場のような場所はありません。
そして駅舎の前に立ってみると、どこからかどぼどぼと水の落ちる音。
その音の方角へ目を向けると、駅前交番の脇にとうとうと水をたたえる水飲み場がありました。
水飲み場の脇には『うまい水』と書かれた碑が建っていて、いわゆる水飲み用の蛇口と、こんこんと水がわき出て下の水たまりへと流れ落ちる手水桶がその碑を挟んで作られていました。
私は手水桶に近づき、その横にひもで結ばれたコップを2・3度洗ってから、流れ出る水を汲んでごくごくとのどを鳴らして飲みました。
 
ぬるい!
 
これが最初の感想でしたが、確かに水に全く臭みがなくて旨いんです。
そしてのどに何のひっかかりもなくするりと胃の腑に落ちていくような、実に柔らかいお水で、私は人目もはばからずに3杯ほどコップに水をついでは飲み、ついでは飲みを繰り返しました。
ちょうど気温も上がり始めていたので、実に美味しくいただけ、さすがは日本一旨いと言われた魚津の湧き水だとしみじみと実感しました。
その後私は駅に併設された売店でお土産を選び、ホタルイカの黒造りと白エビの塩辛を地元の知り合いに購入しました。
と、そこへ電話が。
 
「いつまで何してんのよ。」
「え…、お土産選んでた。」
「あのねえ、こっちはさっきの空き地に停めてたら、隣のお店のおばあさんが出てきて、すごい睨まれたのよ!」
「それは大変だったね。」
「今、離れた場所に停めてるから、終わったら連絡して! ああ、だからあそこに停めなきゃ! もう、頭にくる!」
 
とりあえず買い物を終えて嫁に連絡をすると、2分ほどで駅前のロータリーにやってきました。
私がおずおずと運転席に乗り込むと嫁はすでに相当なお冠で、だから言ったじゃないとか、なんで私が、などという呪詛を延々と繰り返していました。
そんな嫁の呪詛に対して完全無視を決め込んだ私の眼には、魚津の駅前通りから望む雄大な立山連峰がそびえていました。
素晴らしい景色をありがとう、富山県。
 
こうして私たちは富山県に別れを告げるべく、魚津インターへと向かいました。
 
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北陸道から磐越道に乗った私たちは、一路喜多方市を目指しました。
会津若松インターを降りた時には時刻は2時前を指しており、喜多方へ向かう途中で遅い昼食をいただくことにしました。
私たちは以前このブログでも紹介した十文字屋さんへと足を運び、嫁は前回の失敗を踏まえてミニかつ丼、私はカツカレーを注文し、ふたりで満腹の腹を抱えながら喜多方市へと向かいました。
 
喜多方市へ向かう国道からは満開の桜があちこちに望め、私は一人で気分が盛り上がっていました。
そう、今日この喜多方市へ来た目的は、先週の段階でまだつぼみだった桜並木で、SLばんえつ物語号を桜と絡めて撮ることでした。
SLの通過時刻は午後3時、撮影場所に着いたのはその15分ほど前でした。
狙い通り桜は一部散っている木もありましたがほぼ満開で、天気も良くて山にも雪が十分に残っているという、風景写真としてSLを撮るにはうってつけの条件が整っていました。
そしたらまあ、いるわいるわ撮り鉄の群れ。
やはりこのタイミングを狙っていたんでしょうが、踏切の周りや桜並木だけに留まらず、桜の植わった急斜面にもへばりつくようにして三脚を立てている人もいて、みなさんがどれだけ一枚の写真に情熱を傾けているかが解りました。
そんな中で、私は三脚も持たずに安いカメラを片手に通過直前にその場所に行ったわけですから、そりゃあ皆さんよりいい写真なんか撮れるはずがないってもんです(笑)。
とりあえず私は邪魔にならないように、皆さんがへばりついている斜面の一番上から、桜の枝を上と右にかぶらせてフレームのようにして撮る構図に決め、カメラの設定をしつつピントを奥にある山に合わせ、SLが来るのを待ちました。
予定時刻手前、そろそろ喜多方駅を出発するブラスト音が聞こえるかなというあたりで、非常に甲高い、ピイッ!という汽笛が聞こえてきました。
何だよこの汽笛は、もしかして、今日の運転士さんは初心者さんなのかななどと思いつつ、黒煙が近づいてくるのを待ちました。
 
…黒煙が見えません。
 
あれ、何だろこの違和感はなどと思っていると、500メートルほど向こうの家の陰から、ディーゼル機関車が姿を現しました。
そしてその後ろには、ばんえつ物語号と同じ客車が連結されていました。
その瞬間、その場の雰囲気が何やらとてもおかしなものになりました。
え、何なのこれ、撮っていいの?
的な空気が、視界に映る撮り鉄の皆さんからざわざわと発せられるのが解り、一応シャッターは押すものの、どうしても目の前の光景がすぐには受け入れられない様子がありありと伝わってきました。
そしてそんな微妙な空気の中を通過していく列車は、普段ばんえつ物語号を牽引しているC57が故障したために代替として用意されたディーゼル機関車が牽引しているという残酷な事実は、私を含めそこでカメラを構えた大多数の人が、不本意なまま撮影を終えて戻った車の中で見る携帯電話で、あるいは納得のいかないまま帰った家のパソコンで知ることとなるのです。
とりあえずそんな事とはつゆとも知らず、私は一応、目の前の列車に向けて何枚かシャッターを押しました。
しかし、私はSLにしか興味がありませんので、ディーゼル機関車などは別に撮りたくはないのです。
ところがそういう時に限って思い描いた構図の通りに写真が撮れたりしてしまうから困ったもので、車に戻る道すがらプレビューを確認すると、桜の枝のフレーム越しに列車の編成すべてと、ピントのしっかり合った春浅い雪山が写っていました。
そして今度は私が福島市に戻る車の中で呪詛を延々と吐きつつ、嫁が横でそれに相槌を打つという光景が繰り広げられるのです。
せっかく桜とSLの写真が撮れると思っていたのに、来年までお預けになってしまいました。
列車の写真が好きな人に言わせればすごくレアな写真らしいのですが、私としては本当に悔しくてしょうがない撮影になってしまいました。
 
それと、ひとつだけ追記を。
私が撮ろうとした場所の近くに、折られた桜の枝が打ち捨てられていました。
その枝はまだつぼみでしたので今日折られたものではないでしょうが、おそらく折った犯人は心ない撮り鉄の方だと思います。
撮影に邪魔だったから、フレームにかぶるから、そういった単純な理由で折られたものだと思いますが、その枝が美しい花をつけることは二度とありません。
自然物は、あなたのためにそこにあるわけではありません。
あなたにとってその枝が邪魔だったのではないのです、自然にとって、自己欲求を満たすことしか頭にないあなたが邪魔なのです。
どうか、自分の主観における『いい写真』などという下らない理由で、そこにあるものを傷つけないでください。
訪問者などほぼ無い、ましてやその中で鉄道の写真を撮る人などはほとんどいないと思われるこんなブログですが、この一文を読まれた方で胸に何か感じるものがあった方は、少しだけでいいですから撮影の際に居住まいを正してみてください。
私も極力気をつけていますが、まだまだ至らない点も多々あると思います。
一緒に、少しでも、撮り鉄は常識が無いだとか迷惑だとか思われる行為を減らしていきませんか?
 
まあ、何にせよこうして私たち二人の2泊3日北陸の旅は無事に幕を閉じ、私は完全に気分をリフレッシュ、ストレスをリセットして次の日からの仕事に望めたのでした。
 
旅をしてからほぼ1カ月かかってようやく書き終えるという怠惰な管理人の、つたない紀行文に長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
ご覧頂いた方に、心から感謝します。
 
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