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とんでもない雪が降ったものです。
先週に引き続き、今週も降るとは聞いていたものの、まさか、「福島ではこんな雪は珍しい!」と地元の人たちを辟易させた先週の大雪よりも、更に大量の雪が一日で降るとは思いませんでした。
しかも我が家は小高い山の中腹に位置しており、平地までの坂を除雪しなければ家に帰り着くことが出来ません。
また、我が家の前にある坂は幅3メートルにも満たない完全な私道で、車一台がようやっと通れる程度です。
そのため、いったんある程度の雪が降ると、その狭い道に接した家の住人が総出で雪かきを行い、ただでさえ狭い道を少しでもなんとかしようと奮闘するのです。
昨日は朝9時から、アパートの駐車場と隣に住む一人暮らしのおじいちゃんの家の前の道までのおよそ30メートルほどの範囲を、隣のご家族と総出(嫁は、次の雪かきのときは私がやるからと言って出てきませんでしたが)で除雪しました。
その間も雪はどかどかと降り続き、午後からもうひと仕事しないといけないというのは明らかでした。
しかも、午後から雪は雨に変わるという予報が出ており、これだけ大量の雪に雨が降ったら、どれだけ重くなってしまうのだろうという恐怖感が背中を押すような状態でした。
そして午後3時、まだ止む気配のない雪の中、また総出で雪かき。
このときは午前中の雪かきで嫁が出てこないことを「風邪をひいている」という設定にしてあげたと言った私に、逆切れして暴力を振るった嫁もさすがに申し訳なく思ったのか、一生懸命雪をかいていました。
そして夕方から少しずつ雪が落ち着いてきたと思ったら…大きな雨粒が屋根を叩き始めました。
雨はほぼ一晩中降り続き、夕方までに駐車場に降り積もった雪もあらかた溶けてしまいました。
それなら…ということで、晴れ渡った空の下、せっかくだから昼ごはんを食べに行こうと出かけたのが間違いでした。
すっかり路面が乾いた細い坂を下り、その先にある幅5メートルほどの少し広い坂に出る手前で、私は急ブレーキを踏みました。
少し広い坂の沿線に住む人たちが総出で、多量の水を含んだ重い雪を必死で道路脇に片付けていたのです。
積み上げられた雪は想像以上の量で、岩手に長いこと住んでいた私でも、あまりお目にかかったことがないような光景でした。
それでもみなさんの努力でこの坂はなんとか大丈夫だろうと安心しながら2車線の道路まで坂を下りきったところ、そこには絶望的な光景が広がっていたのでした。
全く除雪されていない、15センチ以上の湿った雪が積もり、不規則な轍になっている道。
正直、この光景は初めて見ました。
岩手でしたら、こうなる前に除雪車が動いて雪をどけてくれます。
しかし福島市は本当に東北の一都市なのかと疑いたくなるほどに雪に対する備えや意識のレベルが低く、除雪車の台数が少ないだけでなく、住民が平気で庭に積もった雪を道路に捨てるのです。
ましてやこれほどの雪が一度に降るなどという経験はほぼ無いに等しいでしょうから、どうしても初動が遅れ、物理的な不足ともあいまってこの結果を生み出すのだろうと思われました。
しかし、坂を下りてしまったためにUターンするようなスペースも無いため、そのまま除雪されているであろう国道まで突っ走るしかなく、2WDの車に乗った私は、国道に着くまでに止まったら、スタックして一巻の終わりというギャンブルに挑むしかなくなりました。
そこからはほぼアクセルをベタ踏みで、左右にぐわんぐわん振られる車体を押さえ込むようにして、一気に国道まで出ました。
さすがに国道はある程度除雪されていたのですが…、本当は片側2車線のはずが、完全に1車線は除雪された雪で埋まり、更に途中途中で走行を断念して放置されたままの車やトラックが何台も置かれており、その横を轍に車輪を取られないように恐る恐る通ってゆくというその光景は、ちょっとした地獄絵図のようでした。
ここで嫁と、昼ごはんはスーパーにある食堂で済ませて、そのまま買い物をしようという結論に達しました。
私たちが向かったスーパーは、国道を真っ直ぐ進み、福島市の大動脈と言っても過言ではない国道4号線と交わる手前にあります。
なんとか時間をかけながらも目的のスーパーに到着し、とりあえずお昼ごはんを…と食堂に行くと、そこには一枚の張り紙が。
『大雪のため、本日は閉店とさせていただきます。 またのご来店を心よりお待ちしています。』
どうやら、食材を運ぶ手段がない上に、従業員のうちの何人かが店まで辿り着けないようでした。
想像以上の混乱ぶりに、もしかしてと思って携帯で道路情報を見た私は、そのまま凍りつきました。
東北自動車道は、昨日に引き続き、宮城県の泉ICから南の区間が、全て雪で通行止めになっていました。
と、いうことは…と、店を出て国道4号線まで行ってみると…、そこには南北に続く、終わりの見えない大渋滞がありました。
高速道路が止まる→一般国道が大渋滞という図式が見事に当てはまっていて、少なくとも私が見ていた1分ほどの間に、車はぴくりとも動きませんでした。
また、国道4号線は昨日から渋滞が収まらないために常に車列が続き、そのために幹線道路にも関わらず除雪もままならず、踏み固められた雪が不規則な路面を形成し、ますます走行が困難になって渋滞が悪化するという、負のスパイラルに陥っているようでした。
絶望的な状況を目の当たりにした私はスーパーに戻り、嫁と相談の後に昼食はスーパーの弁当に変更し、嫁と店内を回ってみると、やはりそこにはあちこちに『商品が入荷しないため、品物が用意できません』というお詫びの書かれた紙と、半分ほどが空になった棚が並んでいました。
それでもなんとかありあわせの食材で一生懸命作ってくれたのであろう弁当を、有難いと思いながらふたつ確保し、決して買いすぎることなく、いつも通りに数日分の食材を購入してレジに並びました。
レジに並びながら思ったのですが、先ほどのような大渋滞を目の当たりにしたり、これからあの道を通って、スタックせずにちゃんと家まで辿り着けるだろうかという得体の知れない不安に襲われたとき、人間は、その不安を少しでも払拭するために食料品を多く確保したくなるのだと実感しました。
正直、私も嫁も店内を回っている間、いつもは買わないような物までかごに入れ、後から冷静になってそれを棚に戻すということを何度かしました。
ですが、ただでさえ物流が途絶えて限られたものしか売られていないのに、我欲と不安に負けてみんなが多く買ってしまったら、ワリを食う人間を増やすだけで、誰にもメリットがありません。
そこらへんは、3年前の震災のときにも、略奪という言葉に置き換えて日記を書いた記憶があります。
まあ、そんな考えが頭をよぎる中、私たちは今後の作戦を立てるために車の中で弁当を食べながら話し合いをしました。
嫁の意見は、今すぐに家に向かい、とりあえず近くのコンビにあたりまでは行けるはずだから、あとはさっきの危険な道に突っ込んで、もし途中で止まったら車を押せばいいというものでした。
私は、即座に否定すると必ず良くない目に遭うので、あくまでロジカルに丁寧に説明をしました。
まず、コンビにまで戻ることは可能なこと、しかしスタックしてしまったら、誰も押す人がいなく、近所の人を引っ張ってこなければならず、最初からそんな迷惑をかける前提で行動はしたくないことを伝えました。
ロジカルな説明をしたのにも関わらず、当然のように嫁は私の言い方が気に食わないなどという理由で激怒しました。
そこでひとつの打開策となる、私の考えを伝えました。
幸いなことに太陽が出ているため、このままこの駐車場で時間を過ごして、さっきの坂の除雪が終わり、危険な道の雪が少しでも溶けて轍の高さが低くなってから帰ろう。
そう伝えたところ、あなたがおっしゃるんならそれでいいんじゃないですか? と、全く納得のいっていない言葉が返ってきました。
ならば、ということで私は椅子を倒し、2時まで寝ると言ってそのまま寝ました。
そして2時、嫁の「いつまで寝てる気だよ!」という言葉で起こされ、私は道路の雪が少なくなっていることを確認して、これはうまくすれば帰れると嬉しくなりました。
そして恐る恐る駐車場を出て、先ほどの危険な道の轍も低くなっていることを確認して、一気に坂に向かって進みました。
来たときとは違い、雪が車の腹をこする鈍い音もほとんど聞くことなく、坂の下まで車を進めることが出来ました。
除雪は坂のいちばん下の部分が今まさに終わろうとしているところで、私たちは窓を開けて除雪をしている人たちにお礼を言いながらそこを通り過ぎ、無事に家へと戻ってくることが出来ました。
わずか2時間ほどの出来事でしたが、私は運転したこともあり心底疲れてしまい、陸の孤島と化した福島市がこれほど悲惨なものだったのだと、3年前のことを痛烈に思い出しました。
とにかく確実に言えることは、不要不急の外出、特に車での外出は絶対にしないほうがいいです。
控えたほうが、ではなく、絶対に、やめたほうがいいです。
また、各所の詳細な状況が知りたい方は、ラジオ福島のツイッターを見れば驚くほど詳しい情報が載っています。
これは、各県のラジオ局でも同じようなツイッターを展開しているようですので、ご参考ください。
ちなみに、下の同じ場所から撮った写真の1枚目が先週の雪、2枚目が今週の雪の様子です。
車が抜けた部分と奥の屋根を見ていただければ、今週のほうが雪の量が多いのがお分かりいただけると思います。
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そちらもたくさん降ったのですね。
確かに福島40センチ〜くらいの表示出てましたね。
私も帰るのも大変でしたが、やはり普段そんなに買い物してないので食べ物がないという状況が一番困りました。
徹夜でオリンピック見た後ふと外を見ると家の前で、車がスタックしてました・・・・ほんと必要以上になれない人がノーマルタイヤでお出かけは避けたほうが良いですね。
私は週末洗濯した以外外出ませんでした。
2014/2/16(日) 午後 7:49
初めまして( ´∀`)
昨日から今朝にかけて
国道4号線の大渋滞に19時間ハマりました。
毎度スタック車にやられますが
今回の渋滞は酷いですね( ;∀;)
スーパーもコンビニも空っぽです。
お互いに運転も歩行も
気を付けましょう!
2014/2/16(日) 午後 8:13 [ kaz*09*3sa*a ]
>たぬあひるさん
ご無沙汰しております。
そちらも先週に引き続き、だいぶ降ってしまったようですね…。
決して上から目線ではないのですが、北国育ちの人間からすると、雪のニュースを見るにつけ、スノータイヤなどの雪に対する備えがない地域の人たちは可哀相だなといつも思います。
とりあえず、そういう時は何もしないのがいちばんという考えかたもありますからね。
とにもかくにも、食料が首都圏のスーパーから消えた理由というのは、日記にも書いたとおり不安から来る備蓄精神の現われだと思うんです。
それを一概に買いだめだと言うこともできますが、それは住んでいる人口が桁違いに多いだけなんじゃないかな、と、今回初めて思いました。
ただ、確かに不安に背中を押されて必要以上に買い込んでしまう人も何人かスーパーで見たのでなんとも言えませんがね。
2014/2/16(日) 午後 9:44 [ ウォッチタワー ]
>kaz・・・さん
初めまして!
って、19時間!?
確かに、ラジオ福島のツイッターでも一昼夜4号線上にいたという方がツイートしていらっしゃいましたが、その間のトイレや食料・水分の確保などはいったいどうしていたのか、初対面の方とはいえ、すごく心配です。
KAZ・・・さんはお体の具合は大丈夫でしょうか?
現在どのような状況下にいらっしゃるか分かりませんが、文面から察するに渋滞からは抜けられたようで何よりです…。
もし今、お体を休められる状態にいらっしゃるのでしたら、十分に休息を取られて下さい。
そして、少しでも早くこの最悪な路面状況が改善されることを願いつつ、ごゆっくりお休みください。
あまり更新もしていないブログですが、これからもよろしくお願いしますね。
2014/2/16(日) 午後 9:52 [ ウォッチタワー ]