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天気も良かったので、会津にSLでも撮りに行こうかと考え始めたのがおとといで、せっかくだからいつもは撮れない上りと下りをどちらも撮ろうと思い立ったのが昨日。
嫁と一緒に行くと私の趣味のために無駄な時間に付き合わせてしまうことにいつも気を使ってしまうので、一人で行ってきたいと願い出たところ快諾を頂いて、喜び勇んでお出かけ。
しかし、高速道路に乗ろうとしたら事故か何かで二本松〜本宮間で4キロの渋滞。
ただでさえ1時のSLを撮るのに11時半に家を出てしまっているため、この時点で高速を使ったら間に合わないことが分かり、いちかばちか土湯峠を越える一般道で喜多方まで行くことに。
幸い道は途中まで空いていたもののやはり山間部だけで、地元の人が利用する農村部に入った途端にノロノロ運転のスタート。
焦ってもしょうがない、余裕を持って出てこなかった自分が悪いと落ち着いていたのが功を奏したのか、また道が空き始め、猪苗代から会津まで高速道路を使おうかと考えたものの、国道から県道に折れる一般道を選択。
しかし目標の1時の時点で車はまだ塩川村の国道121号線にすらたどり着いておらず、急きょ計画を変更して塩川村の田園地帯で刈り取り間際の黄金色の田んぼの中を走るSLを撮ることに。
そしたら今度は塩川村で秋祭りが絶賛開催中で、村内中心部が通行止め。
さすがに焦って田園地帯まで遠回りをして急ぎ、カメラの準備をしていると塩川駅を発車するSLのブラスト音が。
とりあえず50ミリのレンズで全体を撮ろうと試みて、ギリギリで間に合ったのがこちら。
駅を出たばかりなので速度を上げるためにもっと煙が出るかと思っていたけれども、ちょいスカ。
でも、のどかな風景が撮れて良かったかな。
で、それからしばらく時間をつぶして、3時25分会津若松発の下りを堂島駅あたりで狙うことに。
そしたら、ナビの地図を見ていたのに何を考えたか途中から郡山方面に向かってしまっている私。
間違いに気づいて慌てて堂島駅を目指すが、なんと、駅の目の前で警報機が鳴り始めてしまうという展開に。
仕方がないので近づいてくるSLを初めて踏切待ちの車内から一枚。
デフレクターが見切れてしまったー!
仕方ない、仕方ないよ。
しかし、このアクシデントにより撮影→車に移動→車に乗る→道路に出るという一連のタイムロスがゼロに。
更に、喜多方から会津若松まで伸びる予定の東北縦貫道がつい数週間前に喜多方→堂島駅近郊まで延伸されたばかり。
大急ぎで縦貫道に乗り、一路喜多方へ向かい、久しぶりに追っかけを決行。
途中でSLと並走し、追い越して、喜多方駅西側のいつもの場所へ行ったらもうそれは沢山の鉄男が。
そして車を降りると同時に鳴り響く、喜多方駅発車を告げるブラスト音。
まだ少し汗のにじむ秋空の下をせっせと走り、出来るだけ人の少ない水路の近くで遠慮がちに撮影。
すぐに望遠レンズを使用するべきだったと気づいたものの後の祭り。
また、すぐ左側に鉄男ではない人たちが数人見切れていたものの、そんなことでいちいち腹を立てていたら鉄道写真好きとそうでない人の共存など永久に不可能だと思いながら、なんとか撮影したのがこちら。
傾き始めた太陽にほの赤く照らされたC57が美しい。
そして、ようやく9月のヘッドマークを撮影成功!
本当は、嫁に新潟の五泉市まで行って夕焼けとSLを撮りたいと言って許可をもらっていたけれども、帰りが遅くなるので断念して帰途へ。
久しぶりに一人で自由な時間を過ごしてご満悦。
それと同時に、時間的余裕って本当に大切だなと、しみじみ実感…。
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ファインダー越しの世界
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前回SLの写真を撮りに行ったのは、ゴールデンウィークの最終日でした。
その時はSLばんえつ物語号が突然故障してしまったために代走したDLばんえつ物語号を撮る羽目になってしまい、それから後はショックのあまりというかやる気をなくしてというかで、写真を撮りに出かけていませんでした。
しかし今日、およそ3カ月ぶりにばんえつ物語号を撮りに行ってきました。
嫁は珍しく友達と出かけていたため、自由を満喫しに一人で出かけてきました!
とりあえず腹ごしらえということで、午前11時20分に会津若松の十文字食堂に着いたのですが、既に店内は満席で、外にも4人ほど並んでいる始末でした。
そもそも並ぶという行為が大嫌いな私は駐車場に車を入れた時点で既に戦意を喪失していましたが、せっかく来たんだしという気持ちから並ぶことを決意し、先ほどまでの曇天が嘘のように、驚くほどのタイミングで雲が切れて強烈な日差しの射す中、15分ほど並びました。
そしてようやく入店。
以前ここで磐梯かつ丼(1100円)なるものを注文してこれ ↓
が出てきて、あまりの量の多さに2割ほど残して大惨敗を喫した経験から、それ以降このお店に来た時にはカツカレーを頼んでいたのですが、今日は朝から何も食べておらずにかなりの空腹だったため、迷わず磐梯かつ丼を注文しました。
そして10分ほどで運ばれてきたのは以前とまったく同じボリュームの化け物でした。
しかし今日の俺は以前の俺とは違うぜ!
と、勢いよく戦いを挑んだ結果、どういう訳か今日は半分しか食べられずに箸が完全に止まってしまいました。
それなら黙ってハーフサイズのミニかつ丼(750円)を頼んでおけばいいものを…。
しかしこのお店の素晴らしいところは、量が多くて残すお客さんのことをあらかじめ考慮していて、パックと袋を無料で提供してくれる所にあります。
と、いうことで私は前回と同様今回も、何かが戻ってきそうな口を押さえつつ、パックをいただいてきっちりとそこにとんかつを2枚詰めて、嫁へのお土産にしました。
それから行きつけの醤油屋さんで帰省する際のお土産として醤油を数本購入し、SLの撮影へと向かいました。
今日撮影場所に選んだのは、喜多方駅から西へ少し行ったところにある橋梁でした。
周りに人はおらず、通過5分前に着いたのですが、余裕で撮影場所の確保ができました。
天候は日が射したり曇ったりと安定しない空模様で、ホワイトバランスの設定に苦慮しつつも、曇天の設定で少し蒼みを強めて撮影することにしました。
またISO感度を100にしたので、光量不足を補うためにシャッターは1/125に設定し、通過を待ちました。
しばらくすると、実に久しぶりに聞くあの力強いブラスト音が遠くから聞こえてきて、やはりDLの甲高い汽笛とは迫力が違うなあなどと思わず感慨にふけってしまいました。
それから間もなく橋梁の向こう側にヘッドランプが見え始め、私は煙をもっと出してくれとのメッセージを込めつつ、運転手さんに見えるようにぶんぶんと手を振りました。
するとどうやら向こうもこちらに気づいてくれたらしく、何度も勇ましい汽笛を鳴らしながら、ゆっくりと橋梁を渡ってきてくれました。
そして撮影したのが下の写真です。
2枚目はうまいこと編成が入ったのですが、1/125のシャッタースピードがあだとなってしまい、見事に先頭車両がむぶれてしまいました…。
でもまあ、緑と橋と雲とSLという構図で撮りたかったので、私としてはいい写真だと納得しています。
そして私は今日はよほど気分が良かったのか、いつもなら撮影が終わると同時に踵を返すところをその場に踏みとどまり、通過してゆく客車に向かって笑顔でぶんぶんと手を振り続けました。
そんなことをしたのは初めてだったのですが、なんと、大抵の方が満面の笑顔で手を振り返してくれたのです!
なんだか、すごく嬉しい気持ちになりました。
これからは乗客の方々に手を振ってみようと決めました。
…撮り鉄の地位向上のためにも(笑)。
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4月29日、朝9時。
ホテルを出た私たちは、まだ時間も早いということで魚津市内を車で回ってみることにしました。
魚津はバイパスが整備されていて非常に走りやすく、信号もそこまで多くないので車通りがスムーズでした。
そしてバイパスから町の中心部へ入ると、そこはいわゆる地方都市の風景で、以前に整備されたであろう大通りと、それと交差する細い道がいくつも交わった、少し寂れたような、暖かいような町でした。
ところで魚津には、私が知る限りでも有名なものがふたつあります。
ひとつは、蜃気楼。
そして、水。
以前にラジオで、東京から始発に乗って、終電で帰ってこられるいちばん遠い駅ということで魚津駅が紹介されていました。
その際に、駅前にある水がたいそう旨いということでみんなで飲んだ…などという放送を聞き、富山に行った際にはぜひ飲んでみたいと思っていたのでした。
それが、たまたま、本当にたまたま魚津の温泉に宿泊して朝を迎えたので、これはぜひ行って飲んでおかないとと思い立ち、私は魚津の町の最も中心となる魚津駅へとハンドルを切りました。
そしてあまり車通りが無いのをいいことに魚津駅前の道路わきのスペースに車を停め、嫁に水を飲みに行こうと言ったところ「行かない。」と即答され、仕方なく私一人で水を飲みに行きました。
駅前のロータリーにかかる信号を渡り、駅舎を見るとどこにも水飲み場のような場所はありません。
そして駅舎の前に立ってみると、どこからかどぼどぼと水の落ちる音。
その音の方角へ目を向けると、駅前交番の脇にとうとうと水をたたえる水飲み場がありました。
水飲み場の脇には『うまい水』と書かれた碑が建っていて、いわゆる水飲み用の蛇口と、こんこんと水がわき出て下の水たまりへと流れ落ちる手水桶がその碑を挟んで作られていました。
私は手水桶に近づき、その横にひもで結ばれたコップを2・3度洗ってから、流れ出る水を汲んでごくごくとのどを鳴らして飲みました。
ぬるい!
これが最初の感想でしたが、確かに水に全く臭みがなくて旨いんです。
そしてのどに何のひっかかりもなくするりと胃の腑に落ちていくような、実に柔らかいお水で、私は人目もはばからずに3杯ほどコップに水をついでは飲み、ついでは飲みを繰り返しました。
ちょうど気温も上がり始めていたので、実に美味しくいただけ、さすがは日本一旨いと言われた魚津の湧き水だとしみじみと実感しました。
その後私は駅に併設された売店でお土産を選び、ホタルイカの黒造りと白エビの塩辛を地元の知り合いに購入しました。
と、そこへ電話が。
「いつまで何してんのよ。」
「え…、お土産選んでた。」
「あのねえ、こっちはさっきの空き地に停めてたら、隣のお店のおばあさんが出てきて、すごい睨まれたのよ!」
「それは大変だったね。」
「今、離れた場所に停めてるから、終わったら連絡して! ああ、だからあそこに停めなきゃ! もう、頭にくる!」
とりあえず買い物を終えて嫁に連絡をすると、2分ほどで駅前のロータリーにやってきました。
私がおずおずと運転席に乗り込むと嫁はすでに相当なお冠で、だから言ったじゃないとか、なんで私が、などという呪詛を延々と繰り返していました。
そんな嫁の呪詛に対して完全無視を決め込んだ私の眼には、魚津の駅前通りから望む雄大な立山連峰がそびえていました。
素晴らしい景色をありがとう、富山県。
こうして私たちは富山県に別れを告げるべく、魚津インターへと向かいました。
北陸道から磐越道に乗った私たちは、一路喜多方市を目指しました。
会津若松インターを降りた時には時刻は2時前を指しており、喜多方へ向かう途中で遅い昼食をいただくことにしました。
私たちは以前このブログでも紹介した十文字屋さんへと足を運び、嫁は前回の失敗を踏まえてミニかつ丼、私はカツカレーを注文し、ふたりで満腹の腹を抱えながら喜多方市へと向かいました。
喜多方市へ向かう国道からは満開の桜があちこちに望め、私は一人で気分が盛り上がっていました。
そう、今日この喜多方市へ来た目的は、先週の段階でまだつぼみだった桜並木で、SLばんえつ物語号を桜と絡めて撮ることでした。
SLの通過時刻は午後3時、撮影場所に着いたのはその15分ほど前でした。
狙い通り桜は一部散っている木もありましたがほぼ満開で、天気も良くて山にも雪が十分に残っているという、風景写真としてSLを撮るにはうってつけの条件が整っていました。
そしたらまあ、いるわいるわ撮り鉄の群れ。
やはりこのタイミングを狙っていたんでしょうが、踏切の周りや桜並木だけに留まらず、桜の植わった急斜面にもへばりつくようにして三脚を立てている人もいて、みなさんがどれだけ一枚の写真に情熱を傾けているかが解りました。
そんな中で、私は三脚も持たずに安いカメラを片手に通過直前にその場所に行ったわけですから、そりゃあ皆さんよりいい写真なんか撮れるはずがないってもんです(笑)。
とりあえず私は邪魔にならないように、皆さんがへばりついている斜面の一番上から、桜の枝を上と右にかぶらせてフレームのようにして撮る構図に決め、カメラの設定をしつつピントを奥にある山に合わせ、SLが来るのを待ちました。
予定時刻手前、そろそろ喜多方駅を出発するブラスト音が聞こえるかなというあたりで、非常に甲高い、ピイッ!という汽笛が聞こえてきました。
何だよこの汽笛は、もしかして、今日の運転士さんは初心者さんなのかななどと思いつつ、黒煙が近づいてくるのを待ちました。
…黒煙が見えません。
あれ、何だろこの違和感はなどと思っていると、500メートルほど向こうの家の陰から、ディーゼル機関車が姿を現しました。
そしてその後ろには、ばんえつ物語号と同じ客車が連結されていました。
その瞬間、その場の雰囲気が何やらとてもおかしなものになりました。
え、何なのこれ、撮っていいの?
的な空気が、視界に映る撮り鉄の皆さんからざわざわと発せられるのが解り、一応シャッターは押すものの、どうしても目の前の光景がすぐには受け入れられない様子がありありと伝わってきました。
そしてそんな微妙な空気の中を通過していく列車は、普段ばんえつ物語号を牽引しているC57が故障したために代替として用意されたディーゼル機関車が牽引しているという残酷な事実は、私を含めそこでカメラを構えた大多数の人が、不本意なまま撮影を終えて戻った車の中で見る携帯電話で、あるいは納得のいかないまま帰った家のパソコンで知ることとなるのです。
とりあえずそんな事とはつゆとも知らず、私は一応、目の前の列車に向けて何枚かシャッターを押しました。
しかし、私はSLにしか興味がありませんので、ディーゼル機関車などは別に撮りたくはないのです。
ところがそういう時に限って思い描いた構図の通りに写真が撮れたりしてしまうから困ったもので、車に戻る道すがらプレビューを確認すると、桜の枝のフレーム越しに列車の編成すべてと、ピントのしっかり合った春浅い雪山が写っていました。
そして今度は私が福島市に戻る車の中で呪詛を延々と吐きつつ、嫁が横でそれに相槌を打つという光景が繰り広げられるのです。
せっかく桜とSLの写真が撮れると思っていたのに、来年までお預けになってしまいました。
列車の写真が好きな人に言わせればすごくレアな写真らしいのですが、私としては本当に悔しくてしょうがない撮影になってしまいました。
それと、ひとつだけ追記を。
私が撮ろうとした場所の近くに、折られた桜の枝が打ち捨てられていました。
その枝はまだつぼみでしたので今日折られたものではないでしょうが、おそらく折った犯人は心ない撮り鉄の方だと思います。
撮影に邪魔だったから、フレームにかぶるから、そういった単純な理由で折られたものだと思いますが、その枝が美しい花をつけることは二度とありません。
自然物は、あなたのためにそこにあるわけではありません。
あなたにとってその枝が邪魔だったのではないのです、自然にとって、自己欲求を満たすことしか頭にないあなたが邪魔なのです。
どうか、自分の主観における『いい写真』などという下らない理由で、そこにあるものを傷つけないでください。
訪問者などほぼ無い、ましてやその中で鉄道の写真を撮る人などはほとんどいないと思われるこんなブログですが、この一文を読まれた方で胸に何か感じるものがあった方は、少しだけでいいですから撮影の際に居住まいを正してみてください。
私も極力気をつけていますが、まだまだ至らない点も多々あると思います。
一緒に、少しでも、撮り鉄は常識が無いだとか迷惑だとか思われる行為を減らしていきませんか?
まあ、何にせよこうして私たち二人の2泊3日北陸の旅は無事に幕を閉じ、私は完全に気分をリフレッシュ、ストレスをリセットして次の日からの仕事に望めたのでした。
旅をしてからほぼ1カ月かかってようやく書き終えるという怠惰な管理人の、つたない紀行文に長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
ご覧頂いた方に、心から感謝します。
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11月25日、今年最後の運行となるSLばんえつ物語号を撮影しようと、会津へ嫁と二人で出掛けてきました。
とりあえず往路の列車を撮影する場所は先月訪れた際に喜多方駅西のカーブと決めており、通過予定時刻の1時まで時間に余裕がありましたので、喜多方といったらこれ、やっぱり喜多方ラーメンということで、今回は今まで行ったことのないお店にしようと、喜多方市内中心部にある『おおみなと味平』さんに寄りました。
嫁は普通の醤油ラーメン(600円)、私はにんにくラーメン(700円)を注文。
にんにくラーメンだけによっぽどチャーシュー抜きを頼もうかと思いましたが、MAGIに聞いたところ賛成が3だったので、逆に無料で追加できる背脂(通称・あぶらっこく)を追加し、憮然とした顔の嫁からこんな時どういう顔をすればいいか解らないと言われたので、笑えばいいと思うと伝えておいたでさはくぃえる。
いいんです、上の三行は解る人だけに解ってもらえれば。
で、しばらく待って出てきたのがこちら。
テーブルの上に置かれた瞬間、にんにくーーーーっ! と言わんばかりの強烈なにんにくの香りが辺り一面に立ち込め、にんにく大好きな私にとっては、それはもう食欲をそそりました。
この香りの源は背脂とともにスープに浮いているガーリックチップで、よく見るとけっこうな量がありました。
そしてスープを口に含むと、立ち込める香りを何倍にも凝縮したようなにんにくの香りが鼻腔をものすごい勢いで駆け抜け、ただでさえ空腹の私の食欲に猛然と火を点けて行きました。
これがまた太めの麺に背脂がよく絡んで非常にのど越しもよく、私は一気に食べ進んでしまいました。
箸が、もう、止まらないんです、それほどに美味しかったんです。
嫁が隣ですごい匂いだと連呼しつつも、私のラーメンのスープをレンゲですくって何度も飲んでいたところをみると、なんだかんだ言って嫁もこの味の虜になってしまっていたようでした。
絶対にまた来ようと思いつつ店を後にして、最初の撮影地である喜多方駅西側のカーブ近くの駐車スペースに車を停めたのは1時10分ほど前でした。
最終運行日だというのに先客はまったくおらず、私は以前に決めていた、踏切から100メートルほど喜多方駅方面に進んだ田んぼのあぜ道へと向かいました。
今回は最近なけなしの銭をはたいて買ったビデオカメラも持参したので、初めての動画撮影にもチャレンジしようと三脚をセットしようとしたのですが、斜面がきつくてなかなか安定せず、仕方がないので土地区分の目印と思われる、高さ40センチほどの石柱に角度を付けてビデオを固定し、撮影準備は完了しました。
すると、1時2分ほど前にひとり新潟から来たという鉄道写真家の方が私の横に来て、一緒に写真を撮ることになりました。
それから間もなく警報機が鳴り始め、ブラスト音も聞こえ始めました。
私はビデオカメラの録画ボタンを押して、カメラを構えました。
そして踏切の奥に見えるススキの陰からC57の巨躯が現れ、私が思い描いた通りの構図でこちらに向かって疾走してきました。
私は何枚かシャッターを切り、そして客車が通り過ぎた直後に急いで振り向いてシュガートップの磐梯山に向かって走る後ろ姿も写真に収めました。
その時の写真がこちらです。
違和感に気付いた方も多いと思います。
私は、撮影前にカメラの設定をしっかりと確認しました。
シャッター速度は1/200、ホワイトバランスは晴れの日用に、レンズも300ミリから200ミリのものに換装…。
しかしひとつ重大な、そして致命的な設定ミス、いや、見落としをしていたのです。
ISO感度、400!
最近、少し暗い場所で写真を撮った際の設定のまま、晴天真っただ中でのこの光感度!
おかげで青空は白く、山も白く、私の頭の中まで真っ白になってしまいました。
せっかくヘッドマークなしのC57だったのに!
これが、鉄道写真を始めて4カ月の若輩者のレベルなんです、はい…。
我ながら、情けなくて情けなくて…。
一応動画も撮りましたので、そちらのアドレスを載せておきますね(別窓・別タブ推奨)。
カメラのプレビュー画面を観たショックを引きずって意気消沈のまま車に戻り、しばらくぼけーっとしていると、私の車の脇に相模ナンバーと横浜ナンバーの車が停まりました。
そして2台とも人が降りてきて、高価そうな撮影機材を降ろし始めるではありませんか。
いったい何だと思って聞いてみると、今のうちから会津若松から新潟に向かう復路のばんえつ物語号を撮るための場所取りだとのこと!
だって、ここをばんえつ物語号が通るのは4時前ですよ?
今から場所を確保しておかないといけないほどのポイントなのかと疑問に思っているときにふと思い当りました。
この時期は夕暮れが早く、さっきのカーブは夕映えする磐梯山をバックに、夕日に照らされたくろがねの車体を撮影するにはうってつけの場所なんだと。
ですが、私にはかねてよりどうしても撮りたい構図があったため、新潟へ向かう復路の写真はここよりずっと西にある、西会津町の野沢駅近辺で撮ろうと決めていました。
初めての撮影手法に初めての土地、最初で最後の一発勝負で、当たって砕けろ、いややっぱり砕けたくないという複雑な思いが絡み合いながらそれでもしばらくこの場所で撮ろうかと悩んだ挙句、結局、私は自分の技量はこの際考えないことにして、やりたいことに挑戦しようと、県道16号線を西へ向かいました。
時刻は午後4時、場所は西会津町野沢駅の手前1キロほど。
私の挑戦したい構図は、山に入った夕日の残照が赤々と空を染め上げる中、その光をバックに走るC57を全ての編成を入れて横から撮る、というものでした。
今まではSLを撮る際は、勇壮さ、雄大さ、迫力というものをできるだけ前面に出したくて撮影を続けてきました。
しかし、今回私は初めて、メッセージがこもった写真が撮りたい、SL単体としてではなく、風景としてのSLが撮ってみたいと思い立ち、日没時間や通過時間を計算して、できる限り綿密に撮影場所を選定しました。
そして出た結論が、この、野沢駅手前1キロほどの直線という場所だったのです。
私が着いたときはまだ太陽が沈んでおらず、あたりは淡いオレンジ色に輝いていました。
そして、いつの間にか太陽は姿を隠し、見上げると濃いオレンジに染まった巻雲が空高く浮かんでいました。
辺りには少しずつ宵闇の気配が漂いはじめ、そこでようやく気付くのです。
太陽が、思いのほか北側に沈んでいることを。
つまり、私が描いた構図、沈んだ夕日をバックに真横から撮るというのは全くもって不可能であり、夕日を絡めるとなると、夕日に向かって走っていく後ろ姿を撮るしか方法がないのです。
きっと、後ろ姿のほうが寂しさが伝わる!
全く根拠のない理屈が突然頭に浮かび、そして私は急きょ、後ろ姿を長めのシャッターで撮ることにしました。
そうすれば、テールランプや客車が少しブレて、いい感じにぼやけるかもしれない!
待つこと15分、遠くから山あいを幾重にもこだまするブラスト音が響き始め、私は固唾を飲んで、C57の到着をファインダー越しに待ちわびました。
そして、すっかり宵闇に包まれた山の切れ間からゆっくりとC57が姿を現しました。
煙は少なかったですが、静かに、ゆっくりと薄闇の中を進むその姿を、最初はシャッター速度を1/160で何枚か撮り、真横を通過するのに合わせて三脚の向きを変えつつシャッター速度を1/10まで落として、夕焼けに向かって走る客車を撮影しました。
そして撮れたのがこちらの写真です(カラーバランスは加工しています)。
2枚目は、ちょっとだけ今までとは違う感じの写真が撮れたような気がしました。
一応、タイトルはそのまま「寂寥」と付けてみました。
これで今年はこの列車を観るのも最後なんだな、という想いで撮ったのが、わずかでも伝われば嬉しいです。
こうして、今年のSLばんえつ物語号の撮影は幕を閉じました。
鉄道(SL)写真開眼の初年度、なんだかいろいろな経験ができて濃い一年だったような気がします(笑)。
車に戻るときには月がこうこうと光っていて、ちょうど送電鉄塔のてっぺんにかかっていたので、こんな写真も撮ってみました。
タイトル The moon behind the tower top
なんだかとても印象的な光景でした。
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一部の皆様お待ちかね、SLのお話です(笑)。
実は今日は、会津若松市で一日にふたつの種類のSLが走るという、とても珍しい日だったんです。
ひとつは定期運行のばんえつ物語号、そしてもうひとつが今日と明日だけ只見線を走る『只見奥会津号』です。
これは撮らなきゃダメでしょう、ということで、私は以前から予定を立てて、この日は会津にSLを撮りにいくと嫁にも話していたのです。
そこへ嫁のお母さんが来るという話になり私は泣く泣く、泣く泣くですよ? 嫁のお母さんとの昼食を諦め、ぶんぶんと尻尾を振りながら会津へと走ったわけなんです。
いやあ、偶然って本当に怖いですね。
と、いうことで、まずはばんえつ物語号を撮りに喜多方駅から西へ2キロほど行ったカーブへと向かいました。
時刻は12時40分、通過予定時刻の13時まではまだ余裕がありました。
この時点で撮影者はなし、これは貸切りかと思っていたら、やはりここは良い撮影地らしく、5分後には4人ほどがカメラを片手にスタンバイしていました。
埼玉から来たという方とお話をさせていただいたところ、やはり目的は只見奥会津号とのことで、すでに午前の下りはカメラに収めてきたとの事でした。
しかしどうやら下りは出発前に只見線で起きた事故かトラブルの影響で、およそ50分列車が遅れたせいで、何もない山の中で3時間ほどまんじりともできずに時間を過ごして、すっかりクタクタなそうでした。
私は最初から下りは撮影をしないと考えていましたので、消極的な行動で逆に助かったと思いました(笑)。
さて、そうこうしているうちに遠くからSL特有のブラスト音が響いてきて、それから1分としないうちにくろがねの車体が私たちの前に姿を現しました。
私はアングルを低く構えつつ、無理な体勢でひたすらシャッターを切りました。
で、撮れたのがこちらです。
やっと、何となくいい写真が撮れたような気がしました。
何とか逆光に透けた光を纏うススキを画面内に収めようと頑張りましたが、おかげで秋の風景の一枚が撮れたような気がします。
自己満足ですが、それでいいです(笑)。
次の撮影機会には、4枚目の後追い写真のカーブを別の場所から順光で狙ってみたいと思います。
ばんえつ物語号は2ヶ月前とはヘッドマークが変わっていて、前回の全体が青みがかったヘッドマークから、今回はかわいい小動物になっていました(後々拡大して見たら、オコタロウというオコジョのキャラクターでした)。
思わずファインダーをのぞきながら微笑んでしまいました♪
さてさてそして、次は本日のメインイベント、只見線奥会津号の撮影です。
喜多方市から国道121号を南下して、堂島駅曲がり口から県道へ右折して、会津坂下インター近くの撮影ポイントを目指します。
ここは事前に撮影ポイントを検索して、喜多方から近く、なおかつ登り勾配で煙が期待できる場所ですので、滅多にない機会ということもあり混雑が予想されました。
ですので、少しでも早く着いて良い場所を確保しておかないと、撮影そのものを断念せざるを得ないのではないかという予想を立てていました。
途中でひどい工事渋滞に巻き込まれつつも、なんとか通過予定時刻の1時間前、2時半ごろには現場近くに着くことができました。
私は臆病なので、現場まで車で行ったら迷惑をかけてしまうのではないかという思いから、車をいったん近くにある会津坂本駅の駐車スペースに停め、それから徒歩で様子を見に行くことにしました。
そして最初のカーブを曲がったときに見えたのがこの光景でした。
やっぱり、人気のポイントなんだと確信しました。
しかし、この後に見た光景は、更に私を驚かせました。
撮影者、この時点で50人ほど。
ここから先はびっしりと幅6メートルほどの道路の路肩に車が停められ、それが踏切まで延々と続いていました。
すでに場所取りの人は2重、3重の人垣を作り、様子見などとのん気に構えていた自分が馬鹿に思えるほどの熱気でした。
私はすぐに車にとって返し、リュックに必要機材を詰め込んで撮影ポイントへと急ぎました。
何とか2列目の端のほうに場所を取ることができ、前にいる人と人の間から撮影させて貰う許可もいただくことができました。
最終的に、鉄道撮影はお互いの思いやりと譲り合い、そして遠慮で成立するものなんですよね。
今回は、それをまじまじと体感することができました。
そして、それからも人と車は増え続け、片方の路肩だけだった駐車も、仕舞いにはびっしりと両方の路肩が埋まっており、まともに通行ができないほどにカオスな状態になっていました。
気づけば撮影者もゆうに100人を超え、遅くにやってきた人が前のほうの場所を取ろうとすると、優しく、そして厳しく注意を促す言葉が飛び交っていました。
私の後ろにも2メートルを超える三脚が何脚も立ち並び、ぴくりとも動けない状態になってしまっていました。
そして予定時刻どおり、3時35分に後ろの踏切が鳴り始めました。
もう、誰も喋る人はいませんでした。
ブラスト音が至近距離から響いた次の瞬間、風に揺れるススキの向こうに見える木立の端からC11の巨躯が姿を現しました。
いっせいに押されるシャッターの音が間断なく鳴り響く中、夕日に照らされたC11がもうもうと黒煙を吐き出しながらこちらへ向かってきました。
そして、撮れた写真がこれです。
SLを撮りはじめて3ヶ月、個人的には、自己満足ではありますが会心の一枚が撮れたと思っています。
特に最後の一枚は、今まで撮ったSL写真の中では最も出来栄えが良いと自分では思います。
家の玄関に飾りたい、本気でそう思える写真がようやく撮れました。
また、最初の一枚は夕日の強い光で光と影のコントラストが表現できたのではないかなとも思っています。
見てくださった方から、厳しいご意見でも構いませんので、ご感想を頂けたら嬉しいです。
やっぱり、鉄道撮影は良い場所がいい結果を生むのだなと心から思いました。
あと、機材もなんですが…。
実は、現行の機材で腕を上げていい写真を撮るぞ! などと宣言しておきながら、最近、300ミリのNikon純正の望遠レンズ買っちゃったんですよね…。
自分に負けちゃったんですよね…。
正直、奥会津号の最初の写真なんかは、300ミリのレンズだったから撮れたようなもんなんですよね…。
ばんえつ物語号も、このレンズじゃなければ、あの構図は難しかったんですよね…。
……………。
機材って、大事なんだなあ…、と、2ヶ月ほど前とは真逆のことを言っている自分がちょっと好きです(笑)。
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