境内へ行くと、拝殿前の舞台では何やら神事が行われていて、あとで買った大井川町教育委員会発行の「藤守の田遊び(1000円)」によると、「外祭の儀」という神事らしい。
拝殿には、ご神体の鏡と、神様の身代わりになる獅子が祀られている。
拝殿脇には、祭りでかぶられる「ショッコ」が並ぶ。
カメラとビデオカメラを交換しようと車に戻り、16時ごろ境内にもどると、すでに神事は終わっていた。
30分程、写真を撮りに来ていたおばさまと雑談をして、出店も沢山でていたが、好みの食べ物がないので、車に戻って、またお湯を沸かしてカップ麺とコーヒー。
神社へ戻るところで、前方に富士山が見えるのに気が付き、また車にもどってカメラをとってきて写す。
大井川の河口でもこんな真正面に富士山が見えることに驚くとともに、富士山を拝めたことで得した気分になった。
17時ごろ境内に戻るが、カメラマンも少なく、常連のカメラマンにどこがいいポジションになるか聞いて、舞台の北東にあたる角に陣取る。
18時に田遊びの参加者の記念撮影で祭りは始まった。
田遊びに奉仕する者は、氏子中の未婚の青年ということで、この祭りは、衣装は華やかだが、なにか体育会系の雰囲気がする。
田遊びは、25番組と番外の天狗、鯛釣からなり、まずは、番外、雌雄の天狗による舞台の清めから始まる。
第1番は、長刀、荒草を薙ぎ払う動作で農地の開拓を表現する。
第2番振取と3番御獅子は、この田遊びの最も重要な演舞で御獅子(牛)を祭神の身代わりと考え、祭神を内陣より迎え奉る意を表す。
獅子は、振取に誘導され舞台に立ち、振取の和め慰める所作の舞を受納する。
第4番鍬入は、地に鍬を入れる田仕事の手始めを表現していて、舞はなく、唱え詞と共に御納の「牛の舌餅」をまく。唱え詞は、「などようよう。鍬入れをしょうずるようは、ひと鍬打ってひきおこせば、よき酒とふる酒のにほいにほい」
第5番荒田は、刈敷を田に踏み込む動作をあらわす。
第6番寄塗は、水田の水を保つために畦に土を塗る作業で、舞はなく、唱え詞と共に御納の「牛の舌餅」をまく。唱え詞は、「などようよう、よせをぬろうずるようは、へろうりへろうり。」
第7番の水口申は、現在では演舞されない。
そして第8番鳥追は、苗代の鳥を追うとともに、農村を乱す悪霊を追い出す内容。
第9番山田は、舞台中央に田を擬した台を置き、鍬を順に打ちながら歌を送り、「よう徳さん徳さん」の声で、第10番の造花の万燈花を飾り付けた「ショッコ」をかぶった徳太夫が登場し、山田の労をねぎらって酒をふるまう。
第11番の麦搗は、現在は演舞されていない。
第12番田植は、殿とその供が登場、青年全員がぶたいの縁に並び、のど自慢が田植え歌を歌ってにぎやかに豊作を祈願する。
第13番代草は、水田の除草で、これも舞はなく、唱え詞と共に御納の「牛の舌餅」をまく。唱え詞は、「などようよう、代草を御かまにしょうづるようはにほい、にほい。」
第14番孕早乙女は、人の増加繫昌と増産を祈り、孕女を祝う演舞。
第15番小編木は、稲穂を荒らす鳥をにぎやかに追い払う演舞。
第16番早乙女は、氏子中5歳になった男児が親と舞台に上がり、禰宜様に抱かれて神前に三拝して、男児が改めて氏子に加わることを告げ、今日までの神恩を感謝し、将来の幸福を祈願する。
第17番高野殿は、稲の稔りが好いことを祝って、殿と供が酒を飲みかわす。
第18番棒は、藤守の郷を守護する内容の演舞。
第19番神子舞は、神の子として舞台を楽にあわせて竹ぼうきではらい清める。
第20番間田楽は、青年8人が田を擬した造花を頂きに飾ったショッコをかぶり、稲がよく茂り成長している様子を華やかに舞い踊る。
第21番猿田楽は、豊作を予祝する演舞で、この田楽のなかのメインイベント。かぶり物のショッコが華やかであるが、その舞は力強いもので、華やかさより男らしさが強調されているようにも感じる。
私の正面に来た青年が先頭のようで、「猿」の面をショッコにつけているので、これが「猿田楽」と言われるゆえんのようだ。
この番組が終わると、ほとんどのカメラマンは帰って行った。
第22番宝来は、青年5人が締太鼓の音頭と共に藤守の郷が富栄えている様子を歌う。
第23番稲刈は、豊作の稲の刈り入れを祝う歌を歌う。
ここで番外の鯛釣。本物の鯛が糸の先につけられ、口にご祝儀をいれて釣りあげられる。
海に面したところで、豊漁祈願も番外で行われるわけだ。
そして、鎮めに入り、始めと同じ、24番長刀で、舞台をはらい清め、25番御獅子では、祭神の身代わりである御獅子を慰労し、元の座に還り鎮まるよう振取が先導し、御獅子の御供餅を白扇にのせた振取が投げ挙げ、その方角により今年の稲の豊凶を占うそうだが、占いの結果は不明。
この餅を拾った人は幸福を受け恵まれるといわれている。