灘本昌久のブログ

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差別問題

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 大阪人権博物館(リバティおおさか)第61回特別展「万歳」に行ってきました。
 今年初めの特別展「破戒」もなかなか面白かったですが、今回の「万歳」もたいへん興味深かったです。さすが、いろいろ持っているなぁ、よく集めたもんだと感心しました。多少、文献史料が多かったので、一般の人にはむずかしい点があったかもしれませんが、全体的に綺麗にまとまっているなぁと思いました。明日が最終日で、ぎりぎり間に合ってよかったです。
 ところで、特別展(=企画展)の面白さに比べて、まぁ、なんと総合展示(=常設展)のすごいこと。常設展は、今で3代目ぐらいのはずでしたが、今まであんなにひどかったですか? 博物館というより、各種反差別団体の常設アジテーションみたいです。もっと悪く言えば、高校生の文化祭に各種反差別サークルが出したパネル展示みたい。そこまで酷くこき下ろさなくてもいいかもしれないけど、ともかく政治的言語の過剰な空間でした。別に、展示されていることが事実として間違いとか、政治的に右だとか左だとか、そいうことを問題にしたいわけではなく、博物館とは何かという、存在理由に関わる根本問題といいましょうか…。
 かつて、部落問題関係の研究機関や啓発機関の多くが、運動の教宣部の域を出ていない時代から、物(ぶつ)をして語らしめる博物館としての存在感をしめしてきたリバティが、ここに来て、今さらどうして概念やカテゴリーや知識を展示するのでしょうか。ひどくがっかりさせられました。
 もちろん、スタッフの人たちは、好きでそんな風にやっているわけではないとは思います。部落問題だけではだめで、人権を広く扱いなさいという行政からの要請や、もろもろの配慮(それは政治的なもの)が伏在するわけでしょう。しかし、それは博物館としての存在理由を無くしてまで実行されるべき重要事項なのでしょうか。まぁ、そうでもしなければ、存在させてもらえないほど追いつめられているのでしょうね。気の毒としかいいようのない状況です。
 リバティに変なことを押し付けようとする人がいるなら、一度、海外の人権関係博物館の視察を企画して、首に縄をつけて連れて行かないといけないですね。アメリカのホロコースト博物館バーミングハム公民権運動博物館キング・センター(キング牧師の記念館)など。もちろん、中味についての議論はあるでしょうけど、人権問題を博物館的に見せることの基本みたいなところを知ってもらわないといけないです。リバティの皆さん、がんばってください。

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 部落解放同盟は、サンデープロジェクト(朝日放送、1月23日放映)のハンナン事件に関する報道に部落差別発言があったとして、番組関係者を糾弾する方針であるという(部落解放同盟中央機関紙『解放新聞』2005年2月28日号)。しかし、私も番組を見ていたが、部落差別として糾弾しなければならないような問題はなく、むしろ今回の糾弾なるものが部落解放運動によるハンナングループへの側面支援のようにとられる可能性がある(少なくとも私には側面支援とうつった)ので、中止を要求する。理由は逐次述べていくつもりであるが、部落解放を願うものとして、今回の番組への抗議や糾弾の内容は、部落解放運動の歴史を汚し、運動に対する信頼を大きく損なうものであり、到底容認できるものではない。

※ 参考
「ジキル博士かハイド氏か」
http://www.kyoto-su.ac.jp/~nadamoto/work/20030424.htm
「ハンナン牛肉偽装事件にはうんざりさせられる」
http://www.kyoto-su.ac.jp/~nadamoto/work/20040909.htm

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 「パッチギ」の映画パンフレットをもらった上に、終了近しと教えられ、MOVIX京都にダッシュで行ってきました。大正解! 差別問題系の映画で、涙がこぼれ落ちたのは初めてです。差別問題研究をナリワイとする者として、この映画を見逃していたと思ったら、冷や汗ものです。よかった、よかった、見逃さないで。
 愛情や友情を引き裂く差別に対して、「差別することを間違っています」という理屈で対抗しようとする作品があるけれども、それはどこか非人間的な気がします。やはり、引き裂く力を超えるだけの愛情や友情が描かれていなければ、「正しい」けれども「非人間的」なアジテーションに終わってしまうと思うのです。その点、井筒監督の「パッチギ」は、「正しさ」に依存しない人間的なものを感じました。
 在日朝鮮人を扱った映画としては、行定勲監督、窪塚洋介・柴咲コウ主演の「GO」もよかったけど、「パッチギ」はそれを超えたかな。

※ 京都における朝鮮人と部落民の関係について
「部落差別を根拠とする権利の合理性について」
<http://www.kyoto-su.ac.jp/~nadamoto/work/198806.htm>
※ 人権教育における啓蒙主義・正解注入主義
「人権啓発映画はなぜ面白くないか」
<http://www.kyoto-su.ac.jp/~nadamoto/work/20010530.htm>
※ イムジン河・都はるみ
「イムジン河―私を変えた歌」
<http://www.kyoto-su.ac.jp/~nadamoto/work/20020710.htm>
※ 「GO」について
<http://www.kyoto-su.ac.jp/~nadamoto/work/20030702.htm>

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