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お元気ですか?

「行く時代、来る時代への祝賀」ムード一色の連休が続いています。大したニュースもなく、「あげひばり、名のりいで、かたつむり、枝にはひ、神、空に しろしめす、すべて世は 事もなし」という詩の一節ように、「我が国は平和なのだ」とあらためて実感させられます。

自宅近くの光ヶ丘団地の一角に、「酒井根原合戦場」の碑があります。1477年に関東地方の名家の千葉一族が内紛を起こし、大田道灌・千葉自胤(よりたね)連合軍と千葉孝胤(のりたね)軍との、甥と伯父の戦いでした。太田道灌の働きで、連合軍側が勝利しました。太田道灌たちは、散らばった敵味方の死体を公平に弔うため、この合戦場の数か所に、胴塚や首塚、刀塚を造り供養しました。

現在も、この石碑の後ろに、直径10m程度の盛り土の塚が2つあります。そこには、古くから、クス、コナラ、ケヤキなど、合わせて10数本の大樹が茂り、大きな緑のドームを形作っています。様々な欲望や想いを抱いて、合戦に参加して、空しく死んでいった人々でしょうが、今はただ、芭蕉の「夏草や 兵(つわもの)どもが 夢の跡」です。

新緑の季節に、ドームの中に立っていると、枝分かれしてしなやかに長く伸びた新緑のケヤキの枝が、春風にあおられて、扇のように枝が左右に大きく広がったり、揃って大空に伸び上がったりと、心地よいリズムを刻んでいました。風の生み出すリズムに慣れ、枝々のしなやかな動きに心が添うと、凝っていた憂鬱な気分が新緑の風に晒されていき、「いずれは、何事も夢の跡」という、吹っ切れた爽快感を覚えます。

(つづく)

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